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HarmonicDyne Athenaの概要
こんな人におすすめ
- 解像度重視
- 優れたリスニングヘッドホンを探している
- 優れたモニターヘッドホンを探している
- 奥行き感のあるサウンドが好き
- 響きの豊かなサウンドが好き
- 装着感重視
- デザイン重視
基本スペック
- 再生周波数:10Hz-70000Hz
- インピーダンス:34Ω
- 感度:116.5dB/Vrms
- 価格帯:20000円~30000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:11.5/10.0
長所
- 没入感がある
- 奥行き感のある音場
- 良好なディテール感
- 優秀な解像度
- 重厚
- 低歪で透明度が高い
- 包まれ感がある
- 優れたビルドクオリティ
短所
- 不自然で少しドライに聞こえる質感
- やや直線性に欠け、少しわかりづらい中域
HarmonicDyne Athenaの特徴
- 50mm メタルセラミックコンポジットドライバー、新開発の高性能超微細ボイスコイルと高磁束マグネットエンクロージャー。
- スタジオグレード・チューニングにより、バランスのとれたサウンドと3dBのサブバスブーストを実現。
- M字型のサイドベンチングシステムにより、空気の流れを改善し、よりクリーンなサウンドを実現。
- 人間工学に基づいたヘッドバンドは、より広い接触面積とソフトなクッション層で快適な装着感を実現し、カスタム同軸OCCケーブルはノイズのないリスニングを可能にします。
HarmonicDyne Athenaは、全く新しい大型50mmダイナミックドライバーを中心に設計されています。振動板には、驚異的な薄さと優れた引張強度を持つ、新しい金属セラミック複合材を採用しました。
従来のBe層振動板のようにプラスチック振動板にメッキやコーティングで金属層を形成するのではなく、高純度金属合金と超高密度セラミック炭素繊維を極低温で完全一体化した金属-セラミックコンポジットを実現しました。
その結果、振動板の応答性の良さとトランジェントの速さを特徴とする、よりまとまりのある高解像度のオーディオ性能を実現しました。より軽く、より薄く、より強靭な振動板により、リスナーはより広いダイナミックレンジとより低い歪みで音楽を楽しむことができるようになりました。
パッケージ(8.0)
パッケージは価格の水準を満たしています。
パッケージ内容
- ヘッドホン本体
- キャリングポーチ
- 3.5mm→6.35mmアダプター
- 説明書
今年を代表するTVアニメとの呼び声高い「ぼっち・ざ・ろっく!」(原作:はまじあき)の劇中バンド〈結束バンド〉のファーストアルバム。メンバー4人の名前がASIAN KUNG-FU GENERATIONの名前に由来していたり(後藤ひとりのあだ名〈ぼっち〉は、そのアジカンのリーダー後藤正文の通称〈Gotch〉から)、下北沢SHELTERや新宿LOFTといった実在のライブハウスが内装も含め精緻に再現されているなど、日本のロックシーンへの深い理解と思い入れが反映された作風が好評を博したが、そこに説得力を与える音楽の出来栄えもアニメ本編と同じくらい素晴らしい。
結束バンド『結束バンド』超一流かつ新鮮な邦楽ロックの傑作 話題のアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」劇中バンドのファーストアルバム
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の水準を満たしています。
装着感(8.5)
装着感は良好です。
★オープニングテーマを歌うのは安月名莉子!
『慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~』、『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』など
人気アニメのテーマソングを歌ってきた安月名莉子がオープニングを担当!
安月名莉子自身も長い音楽人生の途中にあり、アビスを進むリコたちの旅を、同じ目線で歌い上げる!
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
Austrian Audio Hi-X55はアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
ANTELOPE AUDIO(アンテロープオーディオ)は、20年以上に渡りハイエンドのデジタルオーディオクロックやAD/DAコンバーターを手がけるメーカーです。プロフェッショナルが認めるクリスタル・マスタークロックを始めとする独自技術により、完璧なクロッキングを実現。レコーディングスタジオやプロエンジニア、プロミュージシャンはもちろん、オーディオファンからも高い支持を集めています。
音質解説
今回はFiiO M15につないでレビューしています。
HarmonicDyne Athenaはニュートラルを意識した高域寄りU字型ないしV字型サウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.5)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B
- 深さ:B+
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:B+
HarmonicDyne Athenaの低域は深さで少し物足りません。
ドラムキックはそれなりに重さが感じられ、ボトムもしっかりしていますが、臨場感はわずかに物足りません。
エレキベースも十分に黒さは悪くないと思いますが、沈み込みはわずかに物足りないかもしれません。
ヘッドホンモデルとしては比較的優れた低域です。
中域(9.0)
- 原音忠実度:A+
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
HarmonicDyne Athenaの中域は凹んでおり、奥行き感が少し強調されます。
中域は直線性に欠け、質感はやや不正確です。響きが強調され、濁りが少し感じられます。しかし、中心部を除けばおおむねニュートラルに近いため、音像の全体印象の不自然さは大きくありません。
ボーカル音像の軸が弱く、芯がはっきりしない感じがありますが、母音と子音のニュアンスは分かりやすいですね。
かなり自然な音色で没入感もあり、良質と言える中域です。
高域(9.5)
- 原音忠実度:C
- 艶やかさ:B-
- 鋭さ:B-
- 脆さ:B
- 荒さ:C-
- 繊細さ:C+
- 存在感:B-
HarmonicDyne Athenaの高域は精細感に優れ、拡張性も標準以上です。
高域はスピーカー的な音像定位を意識したスタジオモニターよりは原曲の定位感を重視したニュートラルモニターに近く、没入的な音場感をもたらします。
輝度は十分にありながら、自然な水準に聞こえ、金属的な感じはほとんどありません。シンバルクラッシュを聴けば広がりと繊細さは十分で、かなり生々しい音に聞こえます。この高域はかなりうまく調整されていると言えるでしょう。
存在感の上でも低域や中域とよく釣り合っています。
定位/質感
- 質感の正確性:B
- 定位の正確性:B
- オーケストラのテクスチャ:A
- 雅楽のテクスチャ:A
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
中域のみずみずしさだけ少し物足りませんが、HarmonicDyne Athenaはそれなりに悪くない質感を持ち、全体印象はかなりニュートラルに近く、かなり没入的にフルオーケストラを表現できます。スケール感も十分です。中域だけ少し窮屈でわかりづらく思えるのと重厚感に少し不足が感じられるものの、かなり自然にフルオーケストラを楽しめます。
雅楽も篳篥の伸びがかなり自然で十分な高さがあり、和音も十分に華やかです。中域のみずみずしさが足りないのだけが気になります。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:A
- イメージング:A-
- 高域:S-
- 中域:A-
- 低域:B
低域の深さは標準か少し物足りません。中域は少し奥に聞こえ、高域の高さは標準以上です。
クリア感は価格以上です。
イメージング性能は抜群に近いです。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:S-
- 個人的な好み:S-
HarmonicDyneはAthenaでスタジオグレードに堪えうるサウンドを作り上げたと自負していましたが、それはほぼ全く正しいと評することができるでしょう。ほとんどニュートラルなシグネチャーと優れた解像度、そしてプロユースに堪えうる低歪性が生み出す高い透明度がそれを証明しており、この価格帯ではSHURE SRH940と比肩されうる良質なモニターヘッドホン候補と言えます。
SHURE SRH940はAthenaに勝る解像度を持ち、定位感でさらに優れ、中域はAthenaより正確です。
一方、Athenaはより優れたレンジを持っており、SRH940より低域に優れ、より自然で没入的な音場を持ちます。
SRH940とAthenaはその特性上お互いを補いあえる相補的な関係にあるといえ、両者を使いこなすことで音楽のほぼ全体を正確にトレースモニタリングすることができるでしょう。
音質的な特徴
美点
- 没入感がある
- 奥行き感のある音場
- 良好なディテール感
- 優秀な解像度
- 重厚
- 低歪で透明度が高い
- 包まれ感がある
欠点
- 不自然で少しドライに聞こえる質感
- やや直線性に欠け、少しわかりづらい中域
没入感がある
良好な解像度
良好なディテール
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
ハイエンド音質を求めるホームオーディオユーザーのために、AMÁRI はリファレンスグレードの AD/DA コンバーター、最大 24-bit 384 kHz 変換と DSD 128 をサポート。使いやすいインターフェースと Antelope の代名詞となったクロッキングを提供します。他のオーディオファンコンバータとは異なり、AMÁRI は、ヘッドフォンのメンブレーンウェイト補正として機能する、ご自身で抵抗値を選択できる 2つ のヘッドフォン出力を備えています。
- 8つの DAC を実装した「独自アーキテクチャ構造」を採用、驚異の ダイナミックレンジ 138dB DA 変換を実現
- デュアル ADC 構造 による、リファレンスグレードの ダイナミックレンジ 128dB AD 変換を実現
- 独立した デュアル DAC 構造 を採用した独自のヘッドフォン出力を搭載。(XLR バランス出力も可能)
- ヘッドフォンアンプは 17 Step の可変インピーダンス機能 を搭載、どんなヘッドフォンも完全に制御可能
- Antelope Audio の代名詞、64-bit Acoustically Focused Clocking (AFC) jitter management technology 採用
- 最大 384kHz/24-bit または DSD 128 に対応、ハイレゾや DSD 音源再生機として最高のポテンシャルを発揮
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- HarmonicDyne Athena
- SHURE SRH940
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- HarmonicDyne Athena
- SHURE SRH940
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- HarmonicDyne Athena
- SHURE SRH940
この動画を YouTube で視聴
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総評
HarmonicDyne Athenaは新しい素材に挑戦し、つねに高みを目指してきたHarmonicDyneのヘッドホンシリーズにおける、現状最も優れた到達点の一つと言えます。それはオーディオスペックに優れ、一般的には価格以上と言える音質を持ち、十分にモニター的でありながら同時にリスニングモデルとしても快適な没入感のあるサウンドを持っています。ビルドも優れており、この価格帯のヘッドホンの中ではかなりおすすめ度が高い製品と言えるでしょう。ただし中域の正確性は少し劣ります。
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