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GRADO SR225Xの概要
こんな人におすすめ
- 吐息が美しいエロいボーカルが聞きたい
- 艷やかなギターサウンドが好き
- 音場重視
- GRADOファン
基本スペック
- 周波数特性:20Hz~22kHz
- インピーダンス:38Ω
- 感度:99.8dB
- 価格帯:20000円~30000円
- パッケージ:7.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.0/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:9.5/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:12.5/10.0
長所
- 魅惑的なメロウサウンド
- 吐息が美しい甘いボーカル
- 甘く艶やかでノスタルジックなギター
- まろやかでエロティックなサウンド
- 広い音場
- ファンを魅了するGRADOデザイン
短所
- 低域の深みに欠ける
- アタックのキレに欠ける
- 浮かれて軽薄なチャラい音
- やや硬い装着感
- 耐久性
GRADO SR225Xの特徴
ブラザーズ・アンド・シスターズ – ユニークな声
SR125xとSR225xは、何十年にもわたって姉弟のように競い合ってきました。大人しくなったSR225xは、新開発のイヤーパッドを採用、より質感の高い音を実現しています。ドライバーが一体となってユニークなサウンドを生み出し、SR125xと同様のスピード感を実現しています。弟には内緒です。
よく知られていること – シグネチャー・サウンド
何百回も聴いた曲でも、SR225xのクリアさとレンジの広さで、新たな音やディテールを発見することができます。ドライバーとハウジングが一体となって音の振動に反応し、過渡的な歪みをほぼ排除します。SR225xは、調和のとれた色彩、ふくよかなボーカル、優れたダイナミクス、そして世界的に有名なミッドレンジを備え、GRADOの純粋なサウンドを生み出します。
新たなハーモニー – Xシリーズドライバー
第4世代のGRADOダイナミックドライバーが登場。SR225xのために特別にチューニングされた新設計のドライバーデザイン。より強力な磁気回路、有効質量を減らしたボイスコイル、そして再構成された振動板を備えています。これらの部品を44mmドライバー用に再設計することで、効率を高め、歪みを減らし、音楽の調和を保ちます。
小さな改良 – 新しいケーブルとヘッドバンド
ドライバーだけでなく、ケーブルとヘッドバンドもSR225xのために再設計されています。ケーブルにはスーパーアニール処理を施した8芯の無酸素銅線を採用し、音声信号の純度を高めています。また、新しいヘッドバンドはクッション性を高め、より快適な装着感を実現しています。イヤーパッドは、新しく開発されたFタイプを採用しています。
愛情を込めて – NYブルックリンでの手づくり
SR225xは、ブルックリンの製造チームがひとつひとつ手作業で組み上げています。1953年にキッチンテーブルの上でレコードカートリッジの製造を開始して以来、これまで培ったすべての経験がSR225xの誕生につながっています。
紹介動画(e☆イヤホン)
パッケージ(7.5)
GRADOの梱包はわりと簡素です。無駄に豪華でないぶん、エコで処分しやすく、環境に優しいとも言えるでしょう。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。パッケージには以下のものが含まれています。
- ヘッドホン本体
- 3.5mm→6.35mmアダプタプラグ
- 説明書など
ビルドクオリティ(8.0)
本体のビルドクオリティは価格の標準を満たしています。ただし、イヤーカップを固定している部分などの耐久性は相変わらずのGRADOなので、激しく動くような用途には当然向きません。
装着感(8.0)
耳に当たる部分は硬いので、装着感は悪くありませんが、少し固めです。通気性もよく、蒸れは少なめですが、遮音性は全くと言っていいほどありません。
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- センサアンプ:小野測器 SR-2200
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
制動
GRADO SR225Xにアンプ側の出力インピーダンスの影響はほとんどありません。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
GRADO SR225Xは吐息が強調される最高にセクスィーなボーカルと甘くまろやかに聞こえるギターサウンドやピアノを愛するエロティックサウンド好きのための最高の選択肢の一つです。艶やかな中域を聞かせるためにGRADOは独特のステージ感の音場を作り出し、SR225Xに最高の魔法をかけました。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.0)
- 原音忠実度:C
- 臨場感:C-
- 深さ:B
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:C+
開放型モデルのため、低域の拡張性には優れていません。
一般にSR225Xの低域は深みに欠けて浅く聞こえやすいですが、重みは十分にあるので、キックの量感に不足は感じないと思います。とはいえ、エレキベースは黒さに欠け、やや薄味です。また臨場感はいまいちです。
中域(9.5)
- 原音忠実度:S
- 厚み:A
- 明るさ:A
- 硬さ:A
- 存在感:B
GRADO SR225Xの最大の魅力は艶やかでまろやかに、甘く聞こえる独特のメロウな中域です。
ボーカルは少し鼻にかかり、吐息の強調された甘い声色で聞こえます。女声ボーカルは非常にチャーミングで甘く切なく聞こえ、信じられないくらいエロティシズムに溢れています。男声ボーカルであればHall&Oatesや小田和正、平井堅の声が最高にスウィートに聞こえます。このSR225Xのサウンドを思いついた人は明らかに重度のボーカル変態でしょう。そこらへんの月並なエンジニアが思いつく音ではありません。
ギターやピアノの音も色気に満ちており、SR225Xの中域は甘くノスタルジックで幻想的です。アコースティックギターはセピア色の色彩感に聞こえるところがあり、大抵の曲でどことなくカントリー風の味わいがあります。
高域(8.0)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:A-
- 鋭さ:A-
- 脆さ:B-
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D+
- 存在感:C-
高域は明らかに中域の艶を引き出すために最大限の調整をされています。
艶やかで印象的な甘いギターとボーカルを引き立たせるために、スネアやハイハットが目立って強く聞こえすぎないよう慎重に調整されており、中域上部から高域で奥行き感が強調されています。ボーカルやギターが響く十分な空間が作られており、少し暗い空間に艶やかな音が明るく印象的に広がって聞こえます。
定位/質感
- 質感の正確性:A
- 定位の正確性:D+
- オーケストラのテクスチャ:C+
- 雅楽のテクスチャ:B+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
GRADOの艶やかさが強調されすぎた華やかなサウンドは一聴した印象では美しいですが、明らかに浮かれすぎており、壮麗ではありますが、厳粛さに欠けます。華やかですが、締まりのない木管、ツルツルしすぎているバイオリン、深みのない金管。幻想的で美しいですが、生々しさに欠け、古い映画の音のようで臨場感に欠けます。
雅楽の雅で古風な雰囲気を出すのはうまいですが、やはりどこか臨場感に欠け、幽玄に聞こえます。面白い表現とは言えますが、引き締まりが悪く、ぼんやりしており、甘やかですが実在感に欠けます。篳篥が少し草笛のように聞こえますね。
音場/クリア感
- 音場:A-
- クリア感:B+
- イメージング:B
- 高域:B+
- 中域:B+
- 低域:B
奥行きのある音場で中域が広く聞こえます。高さと深さには欠けます。
総合的なクリア感は価格の標準を満たしています。
イメージングは標準的なレベルですが、中域と高域で優れています。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:S+
- 個人的な好み:S+
GRADOの魔法のかかった蠱惑的な中域を持つSR225Xは、これでしか味わえない最高にエロティックなサウンドを提供します。それは原音忠実的ではありませんが、ノスタルジックで甘く、とくにギターとボーカルをこれ以上ないくらい魅力的に聞かせます。
音質的な特徴
美点
- 魅惑的なメロウサウンド
- 吐息が美しい甘いボーカル
- 甘く艶やかでノスタルジックなギター
- まろやかでエロティックなサウンド
- 広い音場
欠点
- 低域の深みに欠ける
- アタックのキレに欠ける
- 浮かれて軽薄なチャラい音
吐息が美しい甘いボーカル
まろやかでエロティックなサウンド
広い音場
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + Topping L50でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- GRADO SR225X
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- GRADO SR225X
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- GRADO SR225X
海外レビュー
TronsGRADO SR225Xの海外での評価については以下の記事で紹介しています。
GRADOのオープンバックヘッドホン「GRADO SR225X」についての海外レビューをまとめます。
総評
最高にスウィートでセクスィーなサウンドが好きならGRADO SR225Xを見逃すべきではありません。まろやかで艶やか、吐息がうっとりするほど美しいボーカルと色気のあるギターが甘美なひとときを演出します。決して原音忠実的ではありませんが、他では味わえない別次元のサウンドが待っています。
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