免責事項
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GRADO GS2000eの概要
こんな人におすすめ
- JAZZ好き
- クラシック好き
- 原音忠実性を重視
- スタジオチューニングが好き
- ニュートラルサウンドが好き
基本スペック
- 周波数特性:4~51kHz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:98.8dB/1mW
- 価格帯:100000円~200000円
- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:10.5/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:7.0/10.0
長所
- 正確な定位感
- 正確な質感
- 原音忠実性が高い
- 明るく鮮明
- 優れたディテール感
- 優れた空気感
短所
- 低域の不足
- クリア感に少し欠ける
- 物足りない解像度
- やや明るすぎるサウンド
GRADO GS2000eの特徴
Two Good
唯一無二のハイブリッドウッドハウジングを採用したGRADO社最高峰ヘッドホン。同社歴史的傑作のステートメントシリーズのフラッグシップ機。
卓越したバイオリン製作者であるストラディバリウスやグァルネリは、現在では伝説的で価格をつけることができないほど価値のあるバイオリンやチェロを木材の配合により世に生み出してきました。異なる木材を使用するこのような伝統技法は、現在ではピアノやギターなど様々な楽器を製作する際に用いられています。
GS2000eのウッドハウジングは、2種類の木材を用いたハイブリッド構造です。アウターエンクロージャーは、マホガニー製。そして、インナーエンクロージャーは、メープルから作り出されています。
マホガニーとメープル、2種類の木材が結びつき至福のサウンドが生まれました。GS2000eは、バイオリン製作者が何百年もの間継続してきた、同じコンセプトのもとに開発されています。それぞれの木材がお互いの特長を活かして音楽を奏でます。
手作業によって生み出されるマホガニーとメープルの結合ハウジングは、木材のハウジング作りに長年真剣に取り組んできたGRADO Labs.社のみが持つ経験やノウハウによって実現しました。この技術は、最高の楽器製作者が過去も現在も用いている方法です。メープルは、音の持つエネルギーをフルに伝送し、マホガニーはそのエネルギーを開放、真の音色構造やアーティストが意図した空間を明らかにします。
GS2000eに採用されたその他のパーツも、全て綿密に考慮されています。新たに開発された50mm口径のドライバー、12芯UHPLC(Ultra high purity long crystal)無酸素銅線、そしてGrado純正イヤーパッドが魅力ある音楽体験のために全て巧妙に作用し合います。このオーガニックなアプローチ手法は、真の職人技とGrado Labs.社の真髄、すなわちいかに効率的にユーザーと音楽をつなぐことができるかどうかということを体現しています。
GRADO Labs.社のCEOであり、同社のエンジニアでもあるジョン・グラド氏の木材を用いるヘッドホン製造ノウハウ、そして同氏が長年蓄積してきた独自の技術や経験が、GS2000eを世に送り出すことを可能にしました。
設計に際して熟慮に熟慮を重ねた末に誕生したこの強力なウッドハウジングのハイブリッド構造は、音楽の内包する真の能力と全周波数のサウンドを具現化し、最も要求の厳しい音楽愛好家を喜ばすことのできるヘッドホンの誕生へとつながりました。
パッケージ(7.5)
GRADO GS2000eは価格のわりに簡素なパッケージに入っています。
パッケージ内容
- ヘッドホン本体
- 延長ケーブル
- 6.35mm→3.5mm変換ケーブル
- 説明書
ビルドクオリティ(8.0)
いつものGRADOデザインです。GRADOのヘッドホンは耐久性が高くないので注意が必要です。
イヤーカップは柔軟に回転するので、片耳モニタリングも可能です。
装着感(8.5)
軽量で装着感は悪くありません。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
GRADO GS2000eはアンプの出力インピーダンスの影響を少し受けます。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回はFiiO M15で駆動してレビューします。
GRADO GS2000eは中域以上でほぼ完璧にニュートラルなサウンドを持っています。低域は量的に物足りなく思うかもしれません。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.0)
- 原音忠実度:D
- 臨場感:D-
- 深さ:C
- 重み:B
- 太さ:A
- 存在感:C+
GRADO GS2000eの低域は太さと重みがしっかりしており、骨太感がありますが、深さに欠けます。
適正音量であれば聴感上はほとんどニュートラルに聞こえることが期待できるので、かなり自然な質感の低域です。
個人的には臨場感に欠け、深みに欠けて浅く聞こえるのが物足りないですが、ほとんど文句のつけようがありません。
中域(10.5)
- 原音忠実度:S
- 厚み:A-
- 明るさ:A-
- 硬さ:A-
- 存在感:B
GRADO GS2000eの中域は完璧に近く、質感と定位の正確性において高水準で、音場もかなり自然に展開されています。
ほとんど文句の付けようのない中域で、バランス的にも高域、低域両方とよく釣り合っています。原音忠実度で優れており、録音音源をかなり忠実に再現します。
高域(9.5)
- 原音忠実度:C
- 艶やかさ:A-
- 鋭さ:A
- 脆さ:B+
- 荒さ:C+
- 繊細さ:B-
- 存在感:B
高域も完璧に近いですね。
輝度は十分に高く、マイクロディテールを繊細に再現します。空気感も十分で文句のつけようがないですね。シンバルクラッシュもきれいで、バイオリンも非常に自然に伸びます。
定位/質感
- 質感の正確性:S-
- 定位の正確性:A-
- オーケストラのテクスチャ:S
- 雅楽のテクスチャ:S
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
重厚感が足りず、やや軽っぽいところを除いてほぼ完璧なフルオーケストラを楽しめます。重低音が足りないので、深みには欠けますが、中域は非常に詳細で質感に優れており、定位や倍音の表現もきわめてナチュラルなため、高い没入感で録音音源の表現を高忠実に楽しむことができます。
雅楽も完璧に近く、笙の和音、篳篥の塩梅の再現度は申し分ないです。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:A-
- クリア感:B-
- イメージング:B+
- 高域:A-
- 中域:B+
- 低域:B
音場は底が少し浅いですが、おおむね標準的で自然な広さです。開放型独特のパッシブサウンドステージの広がりがあります。
クリア感は価格を考えると平凡です。ただし中域以上は優れています。
イメージング性能は価格なりか少し物足りないですね。
音質総評
- 原音忠実度:S-
- おすすめ度:S
- 個人的な好み:S
GRADOがなぜ人気があるブランドなのかはGS2000eを聞けばすぐに理解できるでしょう。高い原音忠実度で録音音源を正確に再現します。サウンドバランスは真の意味でハイエンドにふさわしいサウンドですが、解像度でいまひとつ物足りないのだけは気になります。
音質的な特徴
美点
- 正確な定位感
- 正確な質感
- 原音忠実性が高い
- 明るく鮮明
- 優れたディテール感
- 優れた空気感
欠点
- 低域の不足
- クリア感に少し欠ける
- 物足りない解像度
- やや明るすぎるサウンド
ほぼ完璧なニュートラルサウンド
優れた質感と定位
優れたディテール感
Re:ゼロから始める異世界生活 プレシャスフィギュア レム ニットワンピース ver.
大人気のプレシャスフィギュアからオリジナルニットワンピースデザインのレムが登場!
生のぬくもり感が感じられるほど素材の質感に迫った造型が堪能できます。ゆるかわいい着こなしで甘えた雰囲気の愛らしさも絶品です。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- GRADO GS2000e
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- GRADO GS2000e
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- GRADO GS2000e
総評
GRADO GS2000eは非常に優れたヘッドホンの一つであり、録音音源をほぼ完全に忠実に再現します。そのサウンドは少し明るく、ディテールは実際より少し詳細に聞こえます。響きも加わっており、音楽を豊かに聴かせます。上質で最高レベルのリスニングヘッドホンを求めている場合、GRADO GS2000eはそれにふさわしい逸品の一つと言えるでしょう。
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