免責事項
- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
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FZ Liberty Z2の概要
こんな人におすすめ
- 包まれ感重視
- 没入感重視
- 解像度重視
- 明るい中域が好き
- 優れたリスニングイヤホンを探している
- クリア感重視
- コスパ重視
基本スペック
- インピーダンス:22Ω
- 周波数応答範囲:20Hz-20kHz
- 感度:116dB
- コネクター:2pin
- 価格帯:1000円~3000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:12.5/10.0
長所
短所
- 深みに欠ける低域
- 高域の拡張性で劣る
- 不自然な質感
- わかりにくい定位感
FZ Liberty Z2の特徴
これは注目!ジム・ベアード新作は、何と、メトロポール・オーケストラとの共演盤!!しかも、そのオーケストラのコンダクターにはヴィンス・メンドゥサを迎えているというのだから、興味は高まります。双方のイメージと言えば、ジム・ベアードもヴィンス・メンドゥサもどちらかと言えば、裏方的ともいえましょう。でも裏方にも格があるというもの。ベアードに関して言えば、ブレッカーやマイク・スターン界隈はもちろんのこと、チック・コリアや、ケニー・ギャレット、ビル・フリーゼルらのプロデュース的な役割を果たす経歴も。そして、パット・メセニーの大作シークレット・ストーリーの裏の要の人でもあることで有名。一方、ヴィンス・メンドゥサは、そのブレッカーや、ボブ・ミンツァー、ジョン・スコ、ラルフ・タウナーにアースキンらをフィーチャーしたファースト・アルバムからファンを魅了。最近では、あのジョー・ザヴィヌルの遺作“Brown Street”のアレンジまで、その才能たるもの、光り続けている人。そんな2人が組んでしまったのだから、半端なものは有りえない!のです。
パッケージ(8.0)
パッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- マニュアル類
ビルドクオリティ(8.5)
装着感(8.5)
装着感は良好です。
表題曲「CHANGEMAKER」は、1月7日よりTOKYO MXほかで放送されるテレビアニメ「解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ」のオープニング主題歌。Hinanoにとって初のロック調の楽曲として制作された。
音楽ナタリー – Hinano、ロック調の新曲でアニメ「解雇された暗黒兵士」OPを彩る
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
FZ Liberty Z2はアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
ANTELOPE AUDIO(アンテロープオーディオ)は、20年以上に渡りハイエンドのデジタルオーディオクロックやAD/DAコンバーターを手がけるメーカーです。プロフェッショナルが認めるクリスタル・マスタークロックを始めとする独自技術により、完璧なクロッキングを実現。レコーディングスタジオやプロエンジニア、プロミュージシャンはもちろん、オーディオファンからも高い支持を集めています。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
FZ Liberty Z2はニュートラルを意識したV字型のサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.5)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:B
- 深さ:A-
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:A-
FZ Liberty Z2の低域はやや中低域が膨張的です。
バスドラムの音はかなり太く重厚感がありますが、底が浅くランブルに欠け、臨場感で物足りません。
また、エレキベースは黒みがありますが、引き締まりに欠けます。じんわりした温かみが感じられ、ライブ感はありますが、深さは物足りないですね。
Liberty Z2の量的には十分低域好きを満足させることができますが、深さではやや物足りないでしょう。
バランス的には中域より存在感が大きくなりやすく、やや中域が濁りやすいですね。
中域(9.0)
- 原音忠実度:A
- 厚み:A-
- 明るさ:B+
- 硬さ:B
- 存在感:B
FZ Liberty Z2の中域は中心部が少し凹み、ステージングが強調されています。
中域はかなり直線的に調整されているため、V字型をしていますが、角度は比較的なだらかで、全体印象にそれほど不自然さはありません。
女声ボーカルはやや前傾して前に出てくるように聞こえ、ギターエッジも奥から少し飛び出してくる感覚があるので、立体感の強調が感じられます。
中域は奥行きがあり、また左右がやや広く感じられるでしょう。そのせいで質感がやや不正確でみずみずしさに欠け、中域の中心部に響きの滞留感があってピンボケ感が少し出て曇りが感じられ、色づきもやや悪い傾向があります。しかし、透明度はかなり高く、解像度も非常に優れているため、その曇りが感じられてなお、高い明瞭感が得られます。
サウンドバランスの上では明らかに原音忠実主義者のオーディオマニア向きではありませんが、非常に優れた解像度のおかげか、わりと聴きごたえを感じます。
高域(8.0)
- 原音忠実度:C-
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B+
- 脆さ:C
- 荒さ:D
- 繊細さ:D
- 存在感:C
高域はややエネルギーが弱く、輝度は少し不足しています。そのため精細感はやや弱めで、繊細さも少し物足りず、ディテールは若干曖昧になりやすい傾向があります。拡張性は少し不足しています。
歯擦音などはやや弱めで、刺さりも抑制されるため、高域に敏感な人にはセーフティでしょう。
高域の解像度は非常に高いため、シンバルクラッシュに爽快感がなかったり、ハイハットの色づきが悪く、粒立ちが悪いのにもかかわらず、その存在ははっきり感じられます。高域のサウンドバランスの上での存在感の弱さを、高域を最も高解像ではっきり聞かせることで補っています。
ただし、高域は高解像でよく聞こえますが、サウンドバランスが少し悪いので各楽器の垂直軸が定まらない感じがあり、定位感は分かりづらいですね。
定位/質感
- 質感の正確性:B+
- 定位の正確性:C-
- オーケストラのテクスチャ:B-
- 雅楽のテクスチャ:B-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
FZ Liberty Z2でフルオーケストラを聴くことはお勧めしません。高解像でかなり全体像ははっきり聞こえる感じがあるものの、そのはっきり聞こえる音像は曇っています。それにも関わらず、ヴェールの向こうから音楽の躍動感のようなものが、かなり明瞭に感じ取れる、不思議な面白みを感じますね。
定位がきっちりとは定まらず、ぼんやりと広がった空間のあちこちの漠然とした範囲から、各楽器が点ではなく面で降って湧くように聞こえてきます。音が非常に生き生きして存在感を主張しているのに、その位置はピンボケしてなんだか夢見心地で音楽を楽しめる、独特の幻想感があります。混然として豊かと言えるでしょう。
個人的には異様な聞きごたえを感じましたが、明らかに原音忠実主義者にはおすすめできません。
雅楽も同様に、奥行きのある空間に音が溶け込みながらもはっきりと躍動感の感じられる不思議な空間表現を楽しめます。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:A
- イメージング:A
- 高域:S-
- 中域:A
- 低域:B
深さは標準よりやや物足りず、中域で奥行き感が少し強調され、高域の高さは物足りません。
クリア感は価格を考えるとかなり優秀です。
イメージング性能は抜群以上でウルトラハイエンド並みです。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:A+
FZ Liberty Z2は価格からは信じられないほど低歪で高解像なサウンドを持っています。サウンドバランスはあまり良いとは言えず、とくに中域の正確性で劣るため、オーディオマニア向きとは言えませんが、稀有なほどに高解像なため、そのサウンドには独特の説得力が宿ります。
定位感はよくなく、中域にヴェールがかかり、低域も深みに欠けて、全体的に曇ってぼんやりしているにも関わらず、音の躍動感が生き生きと感じられ、響きが豊かで没入感があります。
まるで白昼夢を楽しむように音楽に浸れる独特の音楽空間は、明らかに癖が強いものの、独自の境地に到達しており、私を強く魅了します。何も考えず、音楽に没入してリスニングしたい人向けにおすすめしたい逸品ですね。オールドレンズで音楽を楽しむような、ボケ味の心地よい美しい音楽空間です。
KZ史上過去最高に近くニュートラルで優れた周波数特性を持ちながら解像度の低いKZ Ling Longを最近聴きました。周波数特性と解像度。最終的にどちらを重視すべきかはオーディオメーカーにとってもおそらく難しい問題ですが、個人的にはFZ Liberty Z2のほうがLing Longよりかなり聞きごたえを感じましたね。
音質的な特徴
美点
欠点
低歪でクリア
ウルトラハイエンド並みの解像度
響きが豊か
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
ハイエンド音質を求めるホームオーディオユーザーのために、AMÁRI はリファレンスグレードの AD/DA コンバーター、最大 24-bit 384 kHz 変換と DSD 128 をサポート。使いやすいインターフェースと Antelope の代名詞となったクロッキングを提供します。他のオーディオファンコンバータとは異なり、AMÁRI は、ヘッドフォンのメンブレーンウェイト補正として機能する、ご自身で抵抗値を選択できる 2つ のヘッドフォン出力を備えています。
- 8つの DAC を実装した「独自アーキテクチャ構造」を採用、驚異の ダイナミックレンジ 138dB DA 変換を実現
- デュアル ADC 構造 による、リファレンスグレードの ダイナミックレンジ 128dB AD 変換を実現
- 独立した デュアル DAC 構造 を採用した独自のヘッドフォン出力を搭載。(XLR バランス出力も可能)
- ヘッドフォンアンプは 17 Step の可変インピーダンス機能 を搭載、どんなヘッドフォンも完全に制御可能
- Antelope Audio の代名詞、64-bit Acoustically Focused Clocking (AFC) jitter management technology 採用
- 最大 384kHz/24-bit または DSD 128 に対応、ハイレゾや DSD 音源再生機として最高のポテンシャルを発揮
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- FZ Liberty Z2
- KZ Ling Long
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- FZ Liberty Z2
- KZ Ling Long
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- FZ Liberty Z2
- KZ Ling Long
デュアルES9038Q2M搭載DACプリ・ヘッドホンアンプ
最新のUSB DAC Sabaj A10D 2022は、ヘッドホンアンプとしても使用できます。PCM 32bit / 768kHz、DSD512の再生に対応しており、高解像度音源を忠実に再生することが可能です。ボリュームはアナログ式で、スムーズに100段階調節でき、音量のコントロールでも妥協がないように設計されています。Bluetooth 5.0も搭載し、LDAC高音質コーデックを用いたワイヤレスでのオーディオ入力も楽しめます。
2022年版は、アンプの電源部分がアップグレードされ、より大きな容量のコンデンサーが使用されています。これにより、音質とパワーが向上しました。デザインも刷新されて高級感のあるアルミフレームを採用。目でもオーディオファンを楽しませます。
数々の改良が重ねられたSabaj A10D 2022はハイレゾ音源を手軽に楽しめるオーディオファン向けの最新おすすめ製品です。
総評
FZ Liberty Z2はウルトラハイエンド並みに高解像で明瞭、かつ低歪で非常にクリアでありながら、響きが豊かで音楽がヴェールに包まれて曖昧にぼんやりと聞こえてくる、包み込まれるような音響空間を作り出すイヤホンです。明らかに癖のあるサウンドのため、原音忠実主義的なオーディオマニアには向きませんが、まるで覚醒しながら見る白昼夢のように音楽を楽しめる独特の世界観はほかのイヤホンではちょっと味わえないでしょう。
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