免責事項
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FZ Liberty MAXの概要
こんな人におすすめ
- 響きの豊かなサウンドが好き
- 濃厚感のある音が好き
- 没入感重視
- 重厚感重視
- コスパ重視
基本スペック
- インピーダンス: 16Ω
- 周波数応答範囲:20Hz-20kHz
- 感度: 118dB
- ピンタイプ: 2pin
- 価格帯:1000円~3000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:7.0/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:10.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:11.0/10.0
長所
- 良好な質感
- 良好な原音忠実度
- 重厚で深みのある低域
- 響きが豊か
- 価格以上の解像度
- スピーカー的な前方定位感
- 滑らかで耳当たりの良いサウンド
短所
FZ Liberty MAXの特徴
TVアニメ『灰と幻想のグリムガル』主題歌・挿入歌・劇中BGMを完全収録したベストアルバムが発売決定!
音楽を担当するのは、アニメーション作品の音楽(主題歌、挿入歌、BGMなど)を総合的に手掛ける
クリエイティブ・ユニット【(K)NoW_NAME】
■「灰と幻想のグリムガル」監督:中村亮介 × (K)NoW_NAME :R・O・Nによる各話インタビュー収録
■(K)NoW_NAMEメンバーコメント収録
■#1アイキャッチ/so-bin描き下ろし三方背スリーブ仕様
■各話アイキャッチ両面ジャケット仕様
パッケージ(8.0)
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感(8.5)
装着感は良好です。
2019年7月より放送のTVアニメ『からかい上手の高木さん2』のオープニング・テーマを収めるシングル。前シリーズに続いてシンガー・ソングライターの大原ゆい子が担当。夏にぴったりの爽やかな一曲に仕上がっている。(CDジャーナル データベースより)
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
FZ Liberty MAXはアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
ANTELOPE AUDIO(アンテロープオーディオ)は、20年以上に渡りハイエンドのデジタルオーディオクロックやAD/DAコンバーターを手がけるメーカーです。プロフェッショナルが認めるクリスタル・マスタークロックを始めとする独自技術により、完璧なクロッキングを実現。レコーディングスタジオやプロエンジニア、プロミュージシャンはもちろん、オーディオファンからも高い支持を集めています。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
FZ Liberty MAXはニュートラルを意識したV字型のサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(10.0)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:A
- 深さ:A
- 重み:A
- 太さ:A-
- 存在感:A
FZ Liberty MAXの低域はかなり直線的に深くまで到達しています。
バスドラムの音は重厚感があり、力感も十分で太く逞しく聞こえ、ランブルも十分に感じられるため臨場感もあり、十分にインパクトが感じられます。
エレキベースは黒みがあり、引き締まりも良好で、深みにも優れています。
深さと量の両面で低域好きを結構満足させることができます。ただし、全体の中でかなり存在感が強いため、音域全体の印象を左右しやすいところがあります。
中域(9.0)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:B
- 硬さ:B+
- 存在感:B
FZ Liberty MAXの中域は比較的ニュートラルですが、中心部が凹んでおり、立体感が強調されています。
中域は暗い位置にあり、響きが滞留して曇って聞こえやすく、温かみがあります。透明度と解像度は悪くないので、見通し感はまずまず悪くはないでしょう。
質感表現は比較的自然で没入感があります。ギターエッジやスネア、ボーカルの子音はまろやかですが、全体的にディテール感がやや悪く、分離感も悪く思えるでしょう。全体的に音がつながって聞こえる、一体感のある表現になっています。
重厚な低域と組み合わされた、濃厚感のあるリッチな中域は、人によってはかなり没入感が感じられ、高級な雰囲気に感じられるでしょう。一方で原音忠実主義的なオーディオマニアは定位感のわかりづらさや個々の楽器音の分離感の悪さなどから、あまり高く評価しない可能性があります。
高域(7.0)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:C
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D-
- 存在感:C
FZ Liberty MAXの高域は前方定位感を意識して調整されています。精細感と拡張性はよくありません。
輝度が低いため、音楽の繊細な雰囲気やディテールはあいまいになり、全体的に大味な雰囲気で聞こえます。天井感も強く、爽快さよりも濃厚感を重視してチューニングされています。倍音の伸びの悪さとあまり直線的でない高域構造が定位感にも悪影響を与えています。若干のダイナミズムの強調に楽しさを感じる場合はあるかもしれません。
逆に言えば、音像の印象がまろやかでつながりが良く、ノスタルジックな甘みの感じられるサウンドになっており、高域にかなり敏感な人にとってすら快適でセーフティなバランスなので、聞き心地も安定しているでしょう。
総じてリスニング色の強い高域と言えます。
定位/質感
- 質感の正確性:A+
- 定位の正確性:C-
- オーケストラのテクスチャ:B+
- 雅楽のテクスチャ:B+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
FZ Liberty MAXはフルオーケストラそのものを楽しむというよりは、フルオーケストラの響いている空間とか雰囲気を楽しむというような類のイヤホンです。高域方向がかなり閉じているため、弦楽や木管の伸びは期待できません。そのせいでスケール感で物足りず、フルオーケストラを聴いてもなんだか小編成の室内楽を聴いている印象で聞こえます。響きが豊かで妙に風雅な雰囲気があり、面白みはありますが、原音忠実主義者には好まれないでしょう。全体的に矮小化されて聞こえます。
雅楽も同様でスケール感の不足がかなり好みを分けそうです。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B+
- イメージング:B+
- 高域:A+
- 中域:B+
- 低域:C+
低域の深さに優れ、中域は比較的前面にいますが、立体感が強調され、高域の高さは物足りません。
クリア感は価格以上です。
イメージング性能は価格の水準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:B+
- 個人的な好み:B+
FZ Liberty MAXは濃厚で響きの豊かなダイナミズムのあるサウンドを聴かせることができるリスニングイヤホンです。「コクがある」音というのはこういうイヤホンの音のことを言うのでしょう。
素晴らしいという機種ではないですが、かなり高域に敏感な人でも十分にセーフティで、没入感のあるサウンドを楽しめ、中域の出来も比較的よいため、価格を考えるとよく出来た製品と言えます。解像度と透明度も価格以上でしょう。低域の強さだけはやや気になるという人が多いかもしれません。
FZ AudioはおそらくメインブランドであるTRNと同等の製造品質であり、中華イヤホンの中では品質管理が現状悪いほうではありませんが、ライバルのKZと比べるとだいぶ劣っています。このイヤホンも品質管理についてはそれなりですが、問題というほどでもなく、価格が価格ですから、むしろまともなほうだと言えます。
音質的な特徴
美点
- 良好な質感
- 良好な原音忠実度
- 重厚で深みのある低域
- 響きが豊か
- 価格以上の解像度
- スピーカー的な前方定位感
- 滑らかで耳当たりの良いサウンド
欠点
良好な質感
良好な原音忠実度
価格以上の解像度
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + Sabaj A10D 2022を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
ハイエンド音質を求めるホームオーディオユーザーのために、AMÁRI はリファレンスグレードの AD/DA コンバーター、最大 24-bit 384 kHz 変換と DSD 128 をサポート。使いやすいインターフェースと Antelope の代名詞となったクロッキングを提供します。他のオーディオファンコンバータとは異なり、AMÁRI は、ヘッドフォンのメンブレーンウェイト補正として機能する、ご自身で抵抗値を選択できる 2つ のヘッドフォン出力を備えています。
- 8つの DAC を実装した「独自アーキテクチャ構造」を採用、驚異の ダイナミックレンジ 138dB DA 変換を実現
- デュアル ADC 構造 による、リファレンスグレードの ダイナミックレンジ 128dB AD 変換を実現
- 独立した デュアル DAC 構造 を採用した独自のヘッドフォン出力を搭載。(XLR バランス出力も可能)
- ヘッドフォンアンプは 17 Step の可変インピーダンス機能 を搭載、どんなヘッドフォンも完全に制御可能
- Antelope Audio の代名詞、64-bit Acoustically Focused Clocking (AFC) jitter management technology 採用
- 最大 384kHz/24-bit または DSD 128 に対応、ハイレゾや DSD 音源再生機として最高のポテンシャルを発揮
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- FZ Liberty MAX
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- FZ Liberty MAX
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- FZ Liberty MAX
デュアルES9038Q2M搭載DACプリ・ヘッドホンアンプ
最新のUSB DAC Sabaj A10D 2022は、ヘッドホンアンプとしても使用できます。PCM 32bit / 768kHz、DSD512の再生に対応しており、高解像度音源を忠実に再生することが可能です。ボリュームはアナログ式で、スムーズに100段階調節でき、音量のコントロールでも妥協がないように設計されています。Bluetooth 5.0も搭載し、LDAC高音質コーデックを用いたワイヤレスでのオーディオ入力も楽しめます。
2022年版は、アンプの電源部分がアップグレードされ、より大きな容量のコンデンサーが使用されています。これにより、音質とパワーが向上しました。デザインも刷新されて高級感のあるアルミフレームを採用。目でもオーディオファンを楽しませます。
数々の改良が重ねられたSabaj A10D 2022はハイレゾ音源を手軽に楽しめるオーディオファン向けの最新おすすめ製品です。
総評
FZ Liberty MAXは響きが豊かで濃厚感があり、没入感の高いサウンドを持っているイヤホンです。価格を考えると、解像度や透明度が良好で、全体的なクオリティは価格以上と言えます。音楽に浸れるような懐の良いリッチなサウンドが好きな場合はわりと悪くない選択肢でしょう。
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