免責事項
- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
- これを掲載することによる原稿料のような報酬または対価は一切受け取っておらず、個人的な試験での測定データや個人的見解に基づいて誠実に評価したものです。
- 当サイトのプライバシーポリシーをご確認ください。
- 「audio-sound @ premium」はamazon.co.jpおよびamazon.comほか通販サイトの取扱商品を宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣言プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラム等の参加者です。
FZ FT1の概要
こんな人におすすめ
- 響きの豊かなサウンドが好き
- ブームで力強い低域が好き
基本スペック
- インピーダンス:22Ω
- 周波数応答範囲:20Hz-40kHz
- 感度:106dB
- コネクター:2pin
- 価格帯:1000円~3000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:6.5/10.0
- 中域:5.0/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
長所
- ブームで力強い低域
- 響きが豊か
- 没入感がある
- リッチサウンド
短所
- ディテールと繊細さに欠ける
- 輝度不足
- 高域の拡張性に欠ける
- 低域の深みに欠ける
- 不自然な質感
- わかりづらい定位感
- 分離感が悪い
FZ FT1の特徴
TVアニメ『カードキャプターさくら クリアカード編』の新EDテーマと、2016年に放送されたTVアニメ『あまんちゅ!』の続編となる『あまんちゅ! ~あどばんす~』のOPテーマを収録した、超強力ダブルタイアップ盤!「リワインド」は、「Here」(JUNNA)のスマッシュヒットも記憶に新しい白戸佑輔の手によるトリッキーでかわいらしい1曲、「Crosswalk」は、坂本真綾作詞×北川勝利作曲の黄金コンビによるバラード! (C)RS
パッケージ(8.0)
パッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- マニュアル類
ビルドクオリティ(8.0)
装着感(8.5)
装着感は良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
FZ FT1はアンプの出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。
ANTELOPE AUDIO(アンテロープオーディオ)は、20年以上に渡りハイエンドのデジタルオーディオクロックやAD/DAコンバーターを手がけるメーカーです。プロフェッショナルが認めるクリスタル・マスタークロックを始めとする独自技術により、完璧なクロッキングを実現。レコーディングスタジオやプロエンジニア、プロミュージシャンはもちろん、オーディオファンからも高い支持を集めています。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
FZ Audio FT1は低域強めの変形V字型のサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.0)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:B+
- 深さ:A-
- 重み:A
- 太さ:A
- 存在感:A+
FZ FT1の低域は存在感が強く、やや膨張的です。
バスドラムの音は太く重厚感がありますが、引き締まりは少し悪く、ブームが強めです。
エレキベースは十分に黒いものの、沈み込みが悪い印象を受けるでしょう。
量的には低域マニアをかなり満足させる低域ですが、深さは物足りないでしょう。また存在感が強すぎるため、中域をだいぶ濁らせる傾向があります。
中域(5.0)
- 原音忠実度:C-
- 厚み:A
- 明るさ:B+
- 硬さ:B-
- 存在感:B
FZ FT1の中域はステージングが強調された後傾的な構造になっています。
低域が強めのわりには明るい印象の中域ですが、エッジ感やクランチ感、ディテールなど音楽の構築感に関わるほとんどの要素が欠けているため、分離感は著しく悪く、全体的に音がつながって混濁して聞こえます。
ボーカルや楽器音は太く温かみがありますが、全体的に豊満すぎ、キレが悪い感じがあります。
耳当たりは優しく、音像が大きく、包み込まれるような響きの豊かさがあり、濃厚感があるため、高い充実感が得られ、かなり没入感を感じられるという人もいるでしょうが、オーディオマニアにはぼやけすぎて聞こえる音でしょう。
高域(6.5)
- 原音忠実度:C+
- 艶やかさ:B-
- 鋭さ:B-
- 脆さ:C-
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D-
- 存在感:D+
高域は全体的にエネルギーが不足しています。
尖りや刺さりがほとんど感じられないため、高域に敏感な人には非常にセーフティな高域です。しかし全体的にディテールと繊細さでが足りておらず、直線性もいまいちで定位感もわかりづらいため、一般にあまり良質とは言えません。
拡張性もあまりよくないので、とくに見るべきところはないでしょう。
定位/質感
- 質感の正確性:D
- 定位の正確性:C
- オーケストラのテクスチャ:D-
- 雅楽のテクスチャ:D-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
FT1でフルオーケストラを聴くのはおすすめしません。
雅楽も同様です。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B
- イメージング:B+
- 高域:B+
- 中域:B+
- 低域:B
深さは標準以下で、中域で奥行き感が強調され、高域は高さで物足りません。
クリア感は価格なりです。
イメージング性能は価格の水準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:C+
- おすすめ度:C
- 個人的な好み:C
濃厚感のあるサウンドが好きなら悪くないかもしれませんが、基本的におすすめしません。
音質的な特徴
美点
欠点
- ディテールと繊細さに欠ける
- 輝度不足
- 高域の拡張性に欠ける
- 低域の深みに欠ける
- 不自然な質感
- わかりづらい定位感
- 分離感が悪い
ブームで力強い低域
響きが豊か
没入感がある
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + Sabaj A10D 2022を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
ハイエンド音質を求めるホームオーディオユーザーのために、AMÁRI はリファレンスグレードの AD/DA コンバーター、最大 24-bit 384 kHz 変換と DSD 128 をサポート。使いやすいインターフェースと Antelope の代名詞となったクロッキングを提供します。他のオーディオファンコンバータとは異なり、AMÁRI は、ヘッドフォンのメンブレーンウェイト補正として機能する、ご自身で抵抗値を選択できる 2つ のヘッドフォン出力を備えています。
- 8つの DAC を実装した「独自アーキテクチャ構造」を採用、驚異の ダイナミックレンジ 138dB DA 変換を実現
- デュアル ADC 構造 による、リファレンスグレードの ダイナミックレンジ 128dB AD 変換を実現
- 独立した デュアル DAC 構造 を採用した独自のヘッドフォン出力を搭載。(XLR バランス出力も可能)
- ヘッドフォンアンプは 17 Step の可変インピーダンス機能 を搭載、どんなヘッドフォンも完全に制御可能
- Antelope Audio の代名詞、64-bit Acoustically Focused Clocking (AFC) jitter management technology 採用
- 最大 384kHz/24-bit または DSD 128 に対応、ハイレゾや DSD 音源再生機として最高のポテンシャルを発揮
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- FZ FT1
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- FZ FT1
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- FZ FT1
デュアルES9038Q2M搭載DACプリ・ヘッドホンアンプ
最新のUSB DAC Sabaj A10D 2022は、ヘッドホンアンプとしても使用できます。PCM 32bit / 768kHz、DSD512の再生に対応しており、高解像度音源を忠実に再生することが可能です。ボリュームはアナログ式で、スムーズに100段階調節でき、音量のコントロールでも妥協がないように設計されています。Bluetooth 5.0も搭載し、LDAC高音質コーデックを用いたワイヤレスでのオーディオ入力も楽しめます。
2022年版は、アンプの電源部分がアップグレードされ、より大きな容量のコンデンサーが使用されています。これにより、音質とパワーが向上しました。デザインも刷新されて高級感のあるアルミフレームを採用。目でもオーディオファンを楽しませます。
数々の改良が重ねられたSabaj A10D 2022はハイレゾ音源を手軽に楽しめるオーディオファン向けの最新おすすめ製品です。
総評
TRNのサブブランドと思われるFZ AudioのFT1は包まれ感があって、充実感の高い響きの豊かなサウンドを聞かせてくれます。ただ、分離感はかなり悪く、オーディオマニアにはまったく向いていないサウンドと言えるでしょう。
コメント