【デジタルオーディオプレーヤー FiiO M15 レビュー】FiiO渾身のフラッグシップDAP。完成度が全体的に高いオールインワンモデル
Fiio M15の概要
こんな人におすすめ
- AK4499EQ搭載のDAPを探している
- どんなヘッドホンやIEMも鳴らせる駆動性が欲しい
- バッテリー持続時間重視
- 携行性重視
- Android OS搭載機種が欲しい
基本スペック
- DAC:デュアルAK4499EQ
- サポートレート:32bit/768kHz, DSD512
- 対応コーデック:SBC/aptX/aptX-HD/LDAC/HWA
- バッテリー持続時間:最大15時間
- ヘッドホン出力ポート:3.5mmSE/2.5mmBAL/4.4mmBAL
2020年を席巻したFiiOのフラッグシップDAP
FiiO M15はFiiOが2020年に発売したDAPで現行のフラッグシップモデルに位置づけられています。その特徴は、旭化成のDACチップAK4499EQをデュアル搭載し、ほぼ完全なAndroidが動作する多機能性を備えていながら、ポータブルに持ち運べる大きさで、出力インターフェースも充実しており、しかも約17万円という割安な値段で手に入ることです。
今年はさらに上位機種であるFiiO M17が登場することが予定されています。旭化成の工場火災の影響もあり、M17はDACチップがESS系のESS9038 Proに変更されています。現行モデルのM15は徐々に生産が終了する予定になるようです。
この製品の要点
- 現状最高品質、最高スペックDACのAK4499EQをデュアル搭載
- 持ち運べるサイズ感でデザインもよい
- 敏感なIEMから大喰らいのヘッドホンも鳴らせる柔軟な駆動力
旭化成の最新最高級DAC搭載DAPが低価格で
さて、FiiO M15です。価格を聴くと、「は?17万円?ゲーミングPC買えるけど?高すぎねぇ?」と思うかも知れませんが(実際私もついこの間までこんな感覚でしたが)、同じAK4499EQをデュアル搭載したAstell&Kern a&ultima SP2000が50万円近い価格で売られていることを考えると、オーディオファンにとってSP2000の3分の1の値段で、AK4499EQの音が持ち運べるのは魅力的に思えるはずです。
しかし、DAPの評価は音質だけではありません。その性能が本当に価格に見合うものであるか、もう少し詳しく見る必要があるでしょう。このレビュー記事ではFiiO M15について複合的に迫ってみたいと思います。
パッケージ
パッケージはかなりプレミアムです。
私の手持ちの高級なDAPのパッケージと比べてもFiiO M15のパッケージはプレミアム感で劣ることはないと思われます。パッケージはDAPの本質的な要素ではありませんが、興味のある方のためにここで簡単に紹介いたします。
まず化粧箱はホログラフィックにM15がデザインされたものになっています。日本正規版が同じパッケージになるかはわかりませんが、外観からして高級ガジェットの雰囲気があり、しかも箱のサイズはどこかのCayin N6IIみたいに大きすぎず、保管にも困らなそうな適度な大きさです。
その化粧箱から外箱を横にスライドさせて取り出すことが出来ます。外箱は黒色のシックなデザインで、化粧箱とは打って変わってシンプルで風格のあるデザインです。私はKANN CUBEの外箱のシックな雰囲気を思い出しました。
その外箱の内側には木製の内箱が納められており、帯で封をされています。サイズは大きくありませんが、開けるたびに表情が変わり、中に入っているM15を想像しながら楽しめる、なかなか粋な計らいを感じます。
木箱の封印を解きました!開けてみましょう!
FiiO M15が収まっています。付属品はM15本体の下にあるようです。
付属品は下の段に収まっています。開けてみましょう!
付属品を広げてみます。このほかにSIMピンも付いています。
パッケージはCayin N6IIほどサイズと見た目で凝ってはいませんが、品質的には非常にクオリティが高く、高級機らしいこだわりが感じられるものになっています。パッケージに所有欲を感じる人の物欲を充分に満たしてくれるでしょう。
パッケージ開梱動画
パッケージ内容
- FiiO M15本体×1
- USBタイプC充電ケーブル×1
- マニュアル
- 保証カード
外観
価格的にも購買層の需要的にもおそらくライバルとなる2機種、KANN CUBEとCayin N6IIと比較してみます。
まずは開封当初のM15の外観です。表。
裏。それぞれ保護シールが貼られています。
KANN CUBE、Cayin N6IIとの比較です。表面積ではN6IIより少し大きく、最近のスマホに近い印象の縦長スタイルです。なお写真では分かりづらいと思いますが、液晶はM15がやや青みがかっています。
各標準プレーヤーの画面サイズとアルバムアートの表示サイズが異なるので、単純比較できませんが、画面解像度の面ではFiiO M15が最も優秀に思えます。
厚みを比べてみると分かりますが、圧倒的に薄く、ポケットの出し入れがスムーズで、ポータブル性は3機種のうちでは最も良好です。
ビルドクオリティ
FiiO M15は、アルミニウムとマグネシウムの合金製で非常に高級感があり、美しいコーナーラインを描き、上部にはアナログのボリュームホイールがあります。
前面には5.15インチのきれいなコーニングのゴリラガラスがあしらわれ、背面にはカーボンファイバーパネルがあり、このDAPにプレミアム感と力強い印象を与えています。
画面は1440p×720pの解像度を持つHDディスプレイで、18:9のディスプレイと優れたコントラスト比により、眩しい日の光の下でも鮮明で詳細な画像を表示できます。
上部には、画面をオフにした状態でも音量を簡単に変更できるアナログボリュームの回転ホイールがあり、それに並んで、3つの出力スロット(2.5 mmバランス/3.5 mm標準プラグ/4.4 mmバランス)があります。
この豊富な出力スロットのおかげで、どんな種類のイヤホンやケーブルであっても、箱から出した状態で、FiiO M15はすぐに音楽を流すことができます。
本体の左側のカーブした側面には5つのボタンがあります。一番上が電源ボタン、次の3つのボタンは音楽再生コントロールで、最後に多機能でカスタマイズ可能なボタンがついていますが、それぞれに異なる機能を割り当てることが出来ます。これらのボタンのさらに上には、ポケット内でうっかりボリュームノブが動いてしまったりするのを防ぐホールドスイッチがあるのも注目ポイントです。
FiiO M15の右側には、ボタンはなく、本体を握りやすいようにフィンガーグリップがあります。
底部には、急速充電対応のUSB Type C充電アダプタとMicroSDスロットがあります。この美しい製品は素晴らしい7490mAhのバッテリー容量を持っており、それによって15時間も音楽を再生出来るだけでなく、Quick Charge 2.0にも対応しています。
また、FiiO M15は最大2TBのメモリカードを、遅延なしでサポートします。
全体的に見てこのDAPは非常に高級感があり、素晴らしく人間工学的で頑丈な工作精度で作られています。
技術仕様
Device | FiiO M15 | FiiO M11 Pro |
System on Chip | Exynos 7872 | Exynos 7872 |
DAC | Dual AK4499EQ | Dual AK4497EQ |
USB Chip | XMOS XUF208 | / |
Bluetooth Chip | Qualcomm CSR8675 | SAMSUNG S5N5C10B01-6330 |
Memory and Storage | 3 GB + 64 GB | 3 GB + 64 GB |
DSD | 512 | 256 |
Output power 3.5 SE | 490 mW / 32 Ohm ; 70 mW / 300 Ohm | 200 mW / 32 Ohm |
Output power 2.5/4.4 balanced | 800 mW / 32 Ohm ; 280 mW / 300 Ohm | 550 mW / 32 Ohm |
Battery capacity | 7490 mAh | 4370 mAh |
MQA | Yes | Yes |
THX | No | Yes |
Price | 1459.99$ | 669.99$ |
動作
動作の機敏さと安定性はほぼ完璧です。たとえばiBasso DX200のように、デフォルトの再生プレーヤーの動作が妙にもっさりしているということはありません(ただしこれは公式のOSアップデートによって動作が重くなったのが原因と思われ、当初はDX200も比較的サクサクに感じられました)。
Androidプレーヤーとしてamazon musicなどの音楽サブスクリプションに対応しているのが魅力ですが、amzon musicの動作も軽快です。
Androidのバージョンが少し古く、またデフォルト音楽アプリであるFiiO PlayerはBluetoothでDSDが再生できないなど、細かな挙動に不満はありますが、Androidは概ね完全に近く動作します。しかし、一部のアプリはうまく挙動しません。
amazon music HDのUltra HD再生に対応していますか?
対応しています。
Bluetooth通信品質
FiiO M15は双方向Bluetoothをサポートしており、他のデバイスから送信されたBluetooth信号を受信したり、逆に別のBluetoothデバイスに音楽を送信して再生することもできます。たとえばBluetoothを通してスマートフォンの音楽ファイルを再生したり、内蔵のQualcommのフラッグシップBluetoothチップ 「CSR8675」で信号の強度を高めて、好きなBluetoothヘッドホンで音楽を再生したり出来ます。
そして、LDAC、apt-X、apt-X HDなど、さまざまなBluetoothコーデックをサポートしています。
バッテリー性能
以下の記事を参照してください。
音質
さて、一番大切な音質を聞き比べてみます。比較対象は同価格帯で現状最もアンプ駆動力と音質のバランスで高評価を受けていると思われる機種、KANN CUBE、Cayin N6II/E01(A)です。
静電型で繊細な音を出すSTAX SR-009S + SRM-700Sで確認してみます。曲はロザリーナ「百億光年」です。この曲は透明感があり、ツヤのある中高域と繊細な金物の手がかり、そして生々しいボーカル表現がありますから、そこを中心に聞き比べてみます。
どの機種もS/N比は最高クラスで、背景の静寂感において差を見つけるのは困難です。ぶっちゃけクオリティレベルの上ではどれを選んでも正解でしょう。
したがって音質的な印象の違いこそが最大の分かれ目となります。一般にボーカル表現はM15がこの中では最も優れていると判断されるでしょう。旭化成のDACチップ独特の自然な温もり感と張りのある音をFiiO M15は遺憾なく実現しており、息や実体感の生々しさの点でボーカルの表現力は一枚上手です。N6II/E01も相対的に温かみのある中域を実現していますが、M15的な音を求めるならば、A01のほうを選択すべきです。KANN CUBE、N6II/E01ともに音はドライ傾向で、潤い感にわずかに欠けている印象を受けます。
音場を重視するなら、この中ではKANN CUBEが最も優れています。M15と比べて、音がスッキリと高く抜け、中域でも開放感が増して聞こえるでしょう。その分ボーカルが薄味に聞こえるということもありますが、風通しの良さを重視するなら、KANN CUBEが最も優れています。
Cayin N6II/E01は、あくまでこの3機種の中での話ですが、最も中庸な選択肢のように思えます。今回のテストはすべて3.5mmポートで行っていますが、E01はバランス接続ポートが付いていない点がマイナスポイントに感じられる可能性があります。
KANN CUBEとN6II/E01(A)の共通の印象として、この曲の場合、ハイハットがよりはっきりと聞こえやすく、どちらかというと中高域のツヤを聴かせるM15と対照的に思えるという点も指摘しておきたいと思います。
駆動力
ではアンプ駆動力はどうでしょうか?これらのDAPはすべて、オールインワンであらゆる機種を鳴らせるということをコンセプトとしており、必然的に強力なアンプ機構を備えています。鳴らしにくさでは定評のあるbeyerdynamic T1(インピーダンス:600Ω)のような機種でさえ、満足に鳴らせると言えるでしょうか?
結論から言うと、この中ではCayin N6II/E01はギリギリです。出力のより高いABモードにしてようやく足りるような感じがありますが、音の透明度でM15、KANN CUBEに劣る印象があり、音量はほぼMAXでようやく鳴らせる印象を受ける人も多いでしょう。したがって、あらゆる機器に対してパワフルに鳴らしたいという需要を満たすにはCayin N6II/E01は駆動力の面でわずかに劣る印象を受けるということをお伝えします。
とはいえ、T1のようなヘッドホンは稀なので、実用レベルでは3つのDAPのどれもがその謳い文句通り、オールインワンの再生環境を実現していると言えるでしょう。
3DAPの機能性の比較
機能面ではどうでしょうか。KANN CUBEはAndroidベースですが自由度が高くないので、この3機種の中では明確に劣ります。M15とCayin N6IIはAndroidベースの完全な環境を提供し、サブスクリプションの再生音質も最大限引き出すことができ、動作は軽快で欠点がありません。
ますます多様化する音楽シーンに対応する多機能性を重視するならば、N6IIとM15のどちらかが選択肢に入るでしょう。
海外レビューまとめ
ここでは海外のレビューをまとめ記事風に取り上げ、FiiO M15の実像をそうした海外レビューの反応から浮き彫りにし、皆様にお伝えしたいと思います。
GearBest.com:「音質ではFiiO M11 Proよりはるかに優れている」
日本ではまだまだ有名な通販サイトとは言えませんが、GearBest.comは世界中に販売網を展開しているガジェットショッピングサイトです。オーディオ専門のHiFiGOに比べてサービスがわかりやすいとは言いづらいところがありますが、これからはこのショッピングサイトで物を買うのも普通になるかも知れません。そんなGearBestにはブログもあり、FiiO M15を取り上げています。
外見に関しては、FiiO M15はラウンドエッジデザインを採用していますが、FiiO M11 Proはクリーンカットです。 そのため、FiiO M15は手触りの点ではより良いと言えます。
……音質では、FiiO M15は実際にサウンド出力面でM11 PROを揺さぶることができます。その音質差はチューニングの問題というよりは、全体的な品質の差です。
FiiO M15は全体の音域バランスでM11 PROとほぼ同じ配分ですが、M15では高域のエネルギーがわずかに増加し、M15の高域方向への拡張は非常に良好で、抜けが高くなっています。
低域では、量感と深さと同じ場合、弾力性とレイヤリングはM11 PROと比較して改善され、中域ボーカルの位置はM11 PROの位置とほぼ同じですが、 M15のボーカルははるかに高く、女性の声は少し若い傾向があり、同時に、声と楽器の定位はより明確になります。
一般に、FiiO M15は、解像度、情報、イメージングの鮮明度、音場の広さ、分離感、ダイナミクスの点でM11 Proよりも大きなアドバンテージがあります。
……予算に見合い、しかもオーディオファンであるならば、最新のFiiO M15を購入することをお勧めします。これは、FiiO M11 Proよりもはるかに優れた音質を提供するためです。
https://www.gearbest.com/blog/new-gear/fiio-m15-vs-fiio-m11-pro-what-are-the-main-upgrades-and-which-one-should-you-buy-10478?lkid=78749647
FiiO M11 Proは一般にフラットな音質傾向と言われており、ボーカルフォーカスや楽器の音色の精彩で必ずしも音楽的であるとは言われていません。しかし、私の感覚でもそうですが、FiiO M15はより音楽的で生々しい音を提供してくれる可能性があります。
Porta.Fi:「最上位のDACを積んでいるからと言って、最上位の音がするわけではない」
実は私もFiiO M11 Proを手に入れて気づいたのですが、M11 Proに比べて、インターフェースは若干の変更が加えられています。Porta.Fiはその点を丁寧に説明しています。
違いのほとんどは設定領域にあり、十分な追加機能があります。まず、操作モードを選択できます(トレイから変更することもできます)。 Androidモード(本格的なランチャーを用い、マルチタスクが使えるモード)および「Pure Music」(音楽アプリのみが実行され表示されるモード)に加えて、USB DACモードとBluetoothレシーバーモードから選択できます。FiiOの目的は明らかだと思います。後者の2つの設定は以前から存在していましたが、メニューの異なる部分にありました。これらの2つのモードは、ハードウェアレベルでOSの影響を受けずに動作するように設計されています。これは、XMOS / Bluetoothからの信号が直接DACに送られることを意味します。したがって、他のすべての機能とプレーヤーの操作がそれらの機能の起動時にオフになっていることは驚くことではありません。モードがオンになっていることを示す通知と、基本設定を変更してこのモードを終了できるボタンが画面に表示されます。
また、設定には専用のオーディオ設定箇所があり、フィルター、ゲインレベルの変更、DSDへのアップサンプリングの有効化、ドライブしにくいヘッドフォンのためのモードの有効化などが可能です。ここには、理由は定かではありませんが、メインメニューに表示されないAirPlayのオプションもあります。
https://porta.fi/fiio-m15-player-review-new-milestone-for-a-company/
一部のレビュアーとユーザーの期待にもかかわらず、FiiOは別の最上位製品を開発していませんが、私はこれがFiiOのゴールではないと思います。M15は、M11シリーズのチューニングから横にずれた一歩踏み出し、自然な表現をもたらすニュートラルなプレゼンテーションに色を追加しました。全体的なプレゼンテーションは、すべての周波数帯域でより重みを増していますが、その追加幅は大きくなく、そのためプレーヤーの音が暖かいとは言えません。
低音はうまくコントロールされていますが、アンプの出力を考えれば驚くことではありません。……すでに書いたように、プレーヤーはある程度の重量を追加しますが、ディテール感を犠牲にしません。低音は万能な表現力を持っていますが、アコースティックな楽器の方が印象的に聞こえます。
(中域では)M15は音の感情、楽器、ボーカルを非常によく伝えます。音場は、幅と奥行きが平均より上にあり、幅は奥行きよりも大きくなっていますが、あまり強調されていません。
高域の拡張性は良好で、ほぼ最大値です。レイヤーも非常に優れており(M15は最上位のプレイヤーに正確には届きませんが、出力は印象的です)、倍音も同様です。大規模な中域に比べると、高域はあまりテクスチャーが乗っていないように思えますが、……非常に自然なアタックとクラッシュの音には十分な解像度があります。プレーヤーは、周波数範囲のこの部分を強調しようとはしません。これは、前に出てくる高域を好まない人に適しています。ちなみに、All to DSDオプションは高音域をわずかに強化し、より多くのエネルギーとレイヤーのアクセントをもたらしますが、このオプションは非常に電力を消費するので、意味がないと思います。
https://porta.fi/fiio-m15-player-review-new-milestone-for-a-company/
実際のところ、私の印象でも、FiiO M15の音はM11 Proに比べて深みと厚みが感じられ、「より高級な音がする」気がします。FiiO M11 Proのフラットで見通せる感じに比べて、より立体的ではありますが、静謐感のようなものが感じられるのは、Porta.Fiが指摘しているように高域がより奥にいるように感じるからかも知れません。
またM15の音が解像度などで真のハイエンドには届いていないという評価を下していますが、これは私も同感です。
比較
FiiO M11 Pro:M15は、「アナログ」でありながら自然で、マイクロディテールが少なく、感情と重量、低音の質感がより自然に聞こえます。
iBasso DX220:iBassoプレーヤーの音は標準アンプ設定(Amp1)では、よりドライでモニター的で、低音と中音の重みが少なくなります。 AMP8は重量を追加しますが、M15の中音と高音はもう少し自然に聞こえます。
Cayin N6ii:Cayinは、より多くの感情表現と大らかなディテールで音楽を再生し、その音質はより自然なサウンドを犠牲にしています。
Astell&Kern SA700:これら2つを比較できるのは価格だけです。 A&Kの新しいDAPはプレゼンテーションがまったく異なり、中域に大きなアクセントを加え、ブランド独特の色付けを行っています。一方、M15は、よりフラットでニュートラルに聞こえ、より重みのあるプレゼンテーションになります。
Astell&Kern SE100 A&futura:相違点はDX220に似ています。 Futuraはよりディテールに優れていますが、同時により浮揚感があって、中高域と高域にわずかなアクセントがあります。
Astell&Kern SP2000:M15と比較するのはあまり意味がないかもしれませんが、オーディオ愛好家の魔法の儀式では通常、同じDACは似たような音を持っていると信じられています。M15はSP2000とは少しも似ておらず、この韓国のフラッグシップ機がより自然でダイナミックであることは容易に分かると思います。最上位は最上位のままです。SP1000/SP1000Mについても同様です。
https://porta.fi/fiio-m15-player-review-new-milestone-for-a-company/
率直に言ってM15の音は価格以上であるかもしれませんが、しかし価格帯を超えて最上位ではないという評価です。私もすでに述べたようにこの点は全く同意しています。
son-video.com:「M15クッソ楽しい」
聴いてすぐに、FiiO M15にはFiiO M11 Proからの大幅なステップアップがあると感じました。全体的に、音はより強く、ディテール感があり、正確でした。空間も、呼吸する余地が多く、はるかに優れていました。低音は完璧にコントロールされながらもよりパワフルであり、中域はM11 Proに比べて質感とリアリズムが増しており、高域はより滑らかで正確に見えました。音のダイナミズムの動きはうまく処理され、トランジェントは非常に高速でした。FiiO M15のアンプがその能力をどれだけ発揮しているかを聞くことができました。M15で音楽を聴くのがとても楽しかったので、常に音量を上げていました。
https://blog.son-video.com/en/2020/03/review-fiio-m15/
M11 Proとの比較:
中国のメーカーは以前、THX AAA-78を搭載したDAPで私たちを魅了しましたが、M15は明らかにまったく別次元にあります。このプレーヤーは、通常より高価なモデルでのみ見られる自然な音楽を提供します。確かに、価格はM11 Proの2倍ですが、同時に音楽の楽しみも2倍になりました。 FiiO M15は、ダイナミズムに優れており、低域でより深く、より激しく、より濃厚なトランジェントを持っており、より正確でディテール感があります。さらに、ボーカルと楽器を音場に配置するのに優れています。最後に、曲がばらばらになることを心配することなく音量を上げることができます。あらゆる音が所定の定位に配置されます。
Cayin N8との比較:
Cayin N8を聴くと、別の領域に入るのと同じ感覚がありました。これらの2つの中国製DAPは、音楽を生き生きとさせるという点で比類のないものです。 M15は、大きさ、空間化、ディテール感の点ではN8と同等です。同じことがそのアンプにも当てはまります。これにより、最も要求の厳しいヘッドフォンでも、そのダイナミックな音質を最大限に活用して、最大限の可能性に到達できます。当然、FiiOで真空管の暖かさを経験することはありませんでした。今のところ、Cayin N8はこの点でユニークです。それにもかかわらず、M15のようにDAPを楽しめることはめったにありません。
https://blog.son-video.com/en/2020/03/review-fiio-m15/
Headfonia:「最高のプレーヤーではない」
FiiO M15は競合他社を圧倒する万能プレーヤーと言えますか?はい、そしていいえ。説明が必要ですね。
音質に関してM15が優れていることは間違いありません。深い低域、滑らかな中域、並外れたレイヤリング。目を閉じると、すべての楽器の定位をすぐに見つけることが出来ますが、いつものFiiOの音とは違います。M11 ProがほとんどM11のアップグレードバージョンであったのと異なり、M15は私の見るところ、全く異なる生き物と言うべきです。
総合すると、FiiO M15は、私の意見では、以前のM11(Pro)で見られたのと同じ万能性を提供していません。その音は優れているときもあれば、「非常に良いが、でも…」と思わせるときもあります。そして私にとって、究極のDAPというのはあらゆる状況で優れているものである必要があります。
https://www.headfonia.com/fiio-m15-review/6/
比較
Astell&Kern Kann Cube:同じ価格でこのプレーヤーを見つけることができます。最大出力を実現するミニXLR出力を備えた巨大なケースを必要としている理由は神のみぞ知るといったところです。私の意見では、特に複雑なトラックの場合、M15の方がより賢く、トランジションがより制御され、トランジェントが速くなるというふうに音が聞こえます。一方、出力の点では、より多くのpaaaaawerが必要な場合があれば、Kann Cubeが耳をつんざくような音を出してくれます。
Cowon Plenue L:Plenue 2 MKiiとFiiO M15を同等であると考えることができれば、Plenue Lの方が優れていると思います。 FiiOは中域をより滑らかにし、減衰を速くしましたが、Plenueはより汎用性があります。……また、Plenue Lは、すぐに256Gbのメモリを提供し、さらに驚くべきBBEエフェクトを提供します。
Shanling M6:はるかに手頃な価格であることを考えれば、M6は現時点で最上の選択肢の1つにとどまっています。ビルドクオリティはFiiOに匹敵し、……コストパフォーマンスはShanlingにあります。 最上位プレーヤーではなくハイエンドプレーヤーが必要な場合は、これをチェックしてください。
https://www.headfonia.com/fiio-m15-review/6/
FiiO M15は抜群ではないとしても優れています。しかし、以前レビューしたM11 Proと比較すると、その差は予想したほど大きくはありません。
誤解しないでほしいのですが、音場は素晴らしく、パワーは耳をつんざくほどであり、ハイエンドのヘッドフォンやイヤホンとペアリングすると、その鮮明で息をのむような精度の音が得られます。しかし、もっと欲張りたかったというのが本音です。 SP2000のキラーではないかもしれませんが、少なくとも私のM11 Proには代わるものです。
IEMやそれほど要求スペックの大きくないヘッドホンについては、M11 ProやShanling M6をチェックしてみてはどうでしょう。これらは廉価な選択肢であり、正直なところ、私はM15と同じくらい、それらのプレーヤーで音楽を聞くのがとても楽しかったです。確かに、これはFiiOがこれまでに作った中で最も洗練されたプレーヤーですが、私にとっては、K3やM6などの低価格製品で味わうことの出来た微妙な魔法が欠けています。
https://www.headfonia.com/fiio-m15-review/6/
個人的な感想から言うと、M15は非常に優れたプレーヤーですが、M11 Proを完全に置き換えるものでもなく、ポータブルで究極の音質を実現しているわけでもなく、KANN CUBEほどのインパクトもありませんし、Cayin N8のような独自性もありません。M11 Proとの価格差が大きい割にそのインパクトが少なく、Headfoniaが言うように、普通のイヤホンやヘッドホンを使う限り、実際のところM11 ProやShanling M6のほうが優れてさえいる気がします。私の感覚ではとくに、Shanling M6はM15を小型で持ち運びやすくしたようなデザインで、多くの人にとってはそちらのほうがリーズナブルと言えるところもあります。
Astell&Kern SP2000との比較
FiiO M15と同じくAK4499EQをデュアル搭載するa&ultima SP2000とこちらの記事で比較しています。
総評
FiiO M15の完成度はかなり驚くべきもので、10万円台の高パフォーマンス機と比べても同等か、より優れた音楽再生環境を提供してくれるはずです。アンプパワーは充分にパワフルで、音質もナチュラルかつ高解像度でバックグラウンドノイズも少なく、まさにオールインワンです。この価格帯で音質に関する限り抜群のパフォーマンスを見せていたKANN CUBEと比べても、人によっては優位に感じるかもしれない音質と、この価格帯で最強の機能性を誇っていたCayin N6IIと同等の機能性を実現しています。さらにポータブル性はこれら2機種を凌駕します。
つまり、単純に現状の10万円台DAP最強ということです。
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