【中華イヤホン EPZ K1 レビュー】低価格でありながら極まった解像度を持つ卓越したリスニングイヤホン

基本スペック

• インピーダンス: 24Ω
• 周波数応答範囲：20Hz-20kHz
• 感度: 110dB
• コネクター：2pin 0.78mm
• 価格帯：3000円～5000円

パッケージは価格の標準を満たしています。

パッケージ内容

• イヤホン本体
• イヤーピース
• キャリングポーチ
• マニュアル類

ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。かなり美しいフェイスプレートです。

装着感は良好です。

EPZ K1の低域はかなり直線的に深くまで到達していますが、本当に深い重低域までは届いていません。

バスドラムの音は重厚感はほどほどあり、力感もそれなりに感じられるものの、ランブルは少し弱めで浅い印象を受けます。臨場感は少し物足りません。

エレキベースは引き締まりはそれほど悪くありませんが、広がりには少し欠けます。黒さも少し物足りないかもしれません。

比較的フラットに近く、中域とのバランスもとれており、普段モニタースピーカーの低域に慣れているような人はかなり好ましく思うと思います。ただ、低域好きには少し物足りません。

EPZ K1の中域はかなりニュートラルに近く調整されています。K1はかなり安い1BA+1DDのハイブリッドモデルですが、その価格に見合わないほどクリアで、かつ驚くほど高解像です。

中域は少し奥行きが強調され、ボーカルの周辺に余裕ができる音場になっています。左右は少し広く感じるでしょう。中域は密度が薄めで、ボーカル周りがすっきりしていて聞き心地は良いですが、バイオリンや木管が直立しなかったり、ギターエッジなどが引っ込んでいくように聞こえる傾向があるため、定位感は少し安定しません。

構築感でも物足りず、輪郭が柔らかく耳当たりの良いリスニング向けの中域です。聞き心地も快適で没入感もありますし、ディテールも十分ですが、分離感は若干弱い印象です。高域でピークも少し目立つので、少し尖りが出やすく、カリカリしてドライに聞こえやすい傾向があります。

EPZ K1は高域をバランスドアーマチュアドライバーが担当しているはずですが、拡張性は標準か少し優れており、よく伸びています。精細感を重視して調整されており、ディテールと繊細さに優れています。

高域は輝度も十分でディテールに不足はありません。ダイナミズムはかなり強調される傾向があり、木管や弦楽はゆらゆらして聞こえるため、定位感は安定しませんが、躍動感があってかなり面白いですね。

空気感は十分で高域は爽快感があり、シンバルクラッシュの広がりは良好です。定位感に問題があるのでモニターとして信頼性が低い高域ですが、リスニング用途では優れた調整と言えます。

EPZ K1はフルオーケストラの弦楽や木管のダイナミズムをかなり強調し、ディテールもはっきりさせて聞かせる傾向があるため、躍動感のあるオーケストラ表現が好きなら、かなり楽しめるかもしれません。中域の質感も比較的正確ですスケール感も良好ですが、定位の安定性と重厚感は物足りません。輝度と明度が高いので明るい見通し感のある鑑賞ができます。

雅楽も同様で躍動感のある表現が楽しいですが、やはり重厚感が少し物足りず、篳篥も直立して聞こえない点が好みを分けそうです。

低域の深さは標準より少し物足りず、中域は比較的前面におり、高域の高さは標準以上です。

クリア感は価格を考えるとかなり優秀です。

イメージング性能は抜群以上でウルトラハイエンド並みです。中域の解像度も非常に高いですね。

EPZ K1はウルトラハイエンド並みの解像度と高い透明感を持つイヤホンです。中域の正確性も高く、全体のバランスはモニタースピーカーに近く調整されています。ただし、ステージングやダイナミズムの強調が見られるため、定位感はわかりづらく、モニター用途よりはリスニング向けのサウンドです。

欠点

• わかりづらい定位感
• 低域好きには物足りない低域
• 構築感の不足