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Edifier WH950NBの概要
こんな人におすすめ
- カジュアルに使えるヘッドホンを探している
- ANC性能重視
- 携行性重視
- バッテリー性能重視
- 通信品質重視
- マルチポイント重視
- 機能性重視
- コスパ重視
基本スペック
- 連続再生時間:55時間
- 防水性能:なし
- 対応コーデック:LDAC/SBC
- 価格帯:20000円~30000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:8.0/10.0
- 低域:10.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
- 通信品質:9.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:10.5/10.0
長所
- 奥行き感のあるゆったりした音場
- 上品でシック
- 悪くない原音忠実性
- 深みのある低域
- 比較的良好な定位感
- 優秀な解像度
- マイルドで耳当たりが良い
- 非常に強力なANC
- 優れた通信品質
- 持ち運びやすい
- 良好な装着感
- マルチポイント対応
短所
- 質感の正確性で物足りない
- 全体的にぼんやりしがち
- 構築感の不足
- 眠い音
- 音量を上げづらい(聴覚保護のため)
Edifier WH950NBの特徴
- 【高音質を再現する】WH950NBワイヤレスヘッドホンは大口径40mmダイナミックドライバーを搭載しました。振幅が大きい低域から中域を忠実にトレースしつつ、伸びやかで艶のある高域を再現、全帯域にわたりバランスよく再生します。
- 【LDACに対応、ワイヤレスでもハイレゾ再生】 業界標準のオーディオコーディング技術であるLDACに対応しており、従来のBluetoothオーディオの約3倍のデータ量を伝送できるため、ワイヤレス接続でもハイレゾ音源の再生が可能、ハイレゾ音源のクリアで繊細なサウンドを実現します。
- 【マルチポイント&Google Fast Pair対応】EdifierWH950NBは進化版先端Bluetooth5.3を搭載し、安定性、接続範囲、データ転送速度も大幅にアップし、従来品の音声遅延問題を抑制でき、また音飛び、通信問題、途切れの状況などを幅広く改善されました。また、同時に2台の機器と接続することが可能です。Bluetooth接続を都度切り替える必要がなく、スマホで音楽、PCでWEB会議などの使い分けをスムーズに行うことができます。Androidユーザー向けGoogle Fast Pair機能にも対応します。軽く押すだけで、Androidデバイスとすばやく簡単にBluetoothペアリングができま、最後にデバイスを見た場所を確認することもできます。
- 【アクティブノイズキャンセリング】ヘッドホンに搭載された4つのマイクが周囲の騒音を検知し、アクティブノイズキャンセリング(ANC)によって低周波ノイズを除去します。4つのモードを選択することで、ディープノイズリダクションモード、低ノイズリダクションモード、防風ノイズモード、外音取り込みモード、さまざまな場面で使用することができます。どこでもいつでも素晴らしい音楽世界に没入します。
- 【専用アプリに対応】ボリューム上限85dBに制限&シャットダウンタイマー機能:Edifier Connectアプリを通じて聴力保護設定をオンにし、音量制限は最大 85dB になります。シャットダウンタイマー機能を使用して音楽の時間を管理できます。音楽を楽しむと同時に聴力健康にも注意することができます。
- 【最大40時間の再生】ノイズキャンセリングモード時は最大34時間、通常時は最大55時間の音楽再生が可能です。また、充電切れの際には10分間の充電で最大7時間の音楽再生が可能、1.5時間フル充電できます。
パッケージ(8.0)
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感(9.0)
装着感は良好です。
接続品質
LDACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。接続品質は優秀です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟んでも問題なく音楽を聴くことができます。
バックグラウンドノイズは少しあるかもしれませんが、ほとんど気になりません。
ANC性能
かなり優れています。ハイノイズキャンセリングモードでは低域から高域までかなり遮断でき、街中でも集中するのに十分な静寂感をもたらします。
アプリ
EDIFIER CONNECTに対応しています。
EDIFIER CONNECTアプリで可能なこと
- EQプリセットの切替とユーザーEQカスタイマイズ
- ANCモードの切り替え
- ゲームモードの切り替え
- ファームウェアアップデート
- ファクトリーリセット
- デバイス情報の確認
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
音質解説
今回はLDACでFiiO M15につないでクラシックモードでANC ONでレビューしています。
Edifier WH950NBはANC ON時の標準のクラシックモードでニュートラルを意識したU字型のサウンドシグネチャーを持っています。
クラシックモード以外の音質についてですが、ダイナミックモードはクラシックモードより低域と高域が持ち上がり、少しドンシャリに寄ります。ゲーミングモードの音質はクラシックモードとほぼ変わりません。シアターモードは非常に特殊で、レンジが狭くなり、中域で立体感を強調するために、響きを増幅しているようです。
注意点としてはデフォルトでは聴覚保護機能があるため、おおむね85dB以内に全音域の音が収まるように設計されており、普段大きめの音量で聴く人には不足感が出やすいかもしれません。聴覚保護とマスターボリュームについてはアプリで調整可能です。
以下のレビューの評価値はクラシックモードでのものです。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(10.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:A-
- 深さ:A
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:A-
クラシックモードのEdifier WH950NBの低域はかなり深くまで伸びています。
ドラムキックは重みが強く、インパクトがあります。ランブルは豊かに聞こえるように調整されており、ライブ感のあるサウンドが楽しめます。
エレキベースも沈み込みが良く、引き締まっており、深みのある広がりが感じられます。
低域はヘッドホンモデルとしては質的にも量的にも優れていると言え、低域マニアを十分に満足させられるでしょう。
中域(8.0)
- 原音忠実度:A-
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B-
- 存在感:B
Edifier WH950NBの中域はどのモードでも基本的に後傾的で奥行き感を強調した構造になっています。
一般に中域中心部やボーカルはスポットライトが当たって明るく描きだされますが、その周辺は暗くぼんやりするように聞こえ、ボーカルフォーカス感が強いサウンドになります。
エッジ感やクランチ感が弱く、かなり柔らかい音になるため、耳当たりは優しくマイルドですが、構築感には欠け、中域の構造は埋没的でわかりにくいところがあります。音の分離は基本的に良くありません。
耳当たりが優しいので長時間聞いていても聞き疲れませんが、全体的にメリハリに欠ける印象を受けやすいところがあります。私の場合はこういう音を聞いているとリラックスしすぎてあくびが出てしまいます。作業中にBGMとして音楽を聴くのに使うなら悪くありませんが、本格的な音楽鑑賞向きにはちょっと使いづらい気がします。
一方で、ゆったり音楽を楽しむにはこういうマイルドで奥行き感もある音で聴くのが快適という人も多いでしょう。
高域(8.5)
- 原音忠実度:D+
- 艶やかさ:B-
- 鋭さ:B
- 脆さ:C+
- 荒さ:D
- 繊細さ:D+
- 存在感:C
WH950NBの高域は若干エネルギーが足りない感じがありますが、定位感も悪くなく、ディテール感もそれなりに感じられます。ただし拡張性はかなり物足りません。
高域はマイルドで耳に優しく、高域に敏感な人にも十分にセーフティです。輝度は少し物足りず、繊細さや空気感はだいぶ物足りなく思うところはあります。
定位/質感
- 質感の正確性:B-
- 定位の正確性:B+
- オーケストラのテクスチャ:C-
- 雅楽のテクスチャ:C-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
重厚感は悪くないものの、スケール感が不足し、なにより中域が暗く、質感もあまり正確とは言えないため、WH950NBはフルオーケストラ向きとは言えません。
雅楽も篳篥の伸びが悪く、和音もぼんやりしがちで全体的にメリハリに欠け、おすすめしづらい音です。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:A-
- イメージング:A-
- 高域:A
- 中域:A-
- 低域:B
低域の深さは標準以上で、中域で奥行き感が強調され、高さは物足りません。
クリア感は価格を考えると標準以上です。
解像度は価格を考えると抜群に近いです。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:B
音質面だけで評価すると、Edifier WH950NBは中域の作り込みやレンジ感が良いとは言えず、解像度だけは優れているものの、オーディオマニア向きとは言い難い音です。
機能を無視して音質だけで選ぶなら、下位機種のW820NBのほうがおすすめしやすいと言えるでしょう。
音質的な特徴
美点
- 奥行き感のあるゆったりした音場
- 上品でシック
- 悪くない原音忠実性
- 深みのある低域
- 比較的良好な定位感
- 優秀な解像度
- マイルドで耳当たりが良い
欠点
- 質感の正確性で物足りない
- 全体的にぼんやりしがち
- 構築感の不足
- 眠い音
- 音量を上げづらい(聴覚保護のため)
奥行き感のあるゆったりした音場
深みのある低域
優秀な解像度
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用い、FiiO BTA30を使って、LDACでワイヤレス伝送しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Edifier WH950NB(ANC ON クラシックモード)
- Edifier WH950NB(ダイナミックモード)
- Edifier WH950NB(ゲーミングモード)
- Edifier WH950NB(シアターモード)
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Edifier WH950NB(ANC ON クラシックモード)
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- Edifier WH950NB(ANC ON クラシックモード)
総評
Edifier WH950NBは強力なANC性能を持ち、高音質コーデックLDACにも対応し、かつ持ち運びやすくロングバッテリーで外出先でずっと使える機能的に非常に優れたヘッドホンです。サウンドはやや癖が強いので、万人向きとは言い難いですが、機能性だけで見れば抜群に近い使い勝手を実現していると言えます。
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