免責事項
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Edifier WH500の概要
こんな人におすすめ
- カジュアルに使えるヘッドホンを探している
- 携行性重視
- バッテリー性能重視
- 通信品質重視
- マルチポイント重視
- 機能性重視
- コスパ重視
基本スペック
- 連続再生時間:40時間
- 防水性能:なし
- 対応コーデック:SBC
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:7.5/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
- 通信品質:9.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:10.5/10.0
長所
- 良好な高域拡張性
- 良好な原音忠実性
- 繊細
- 爽快
- 力強い低域
- 良好なサウンドバランス
- 比較的良好な定位感
- 優秀な解像度
- 優れた通信品質
- 持ち運びやすい
- 良好な装着感
- マルチポイント対応
短所
- 質感の正確性で物足りない
- 全体的にぼんやりしがち
- 低域の深さに欠ける
- 音量を上げづらい(聴覚保護のため)
Edifier WH500の特徴
- 【新世代通話ノイズキャンセリング】WH500オンイヤーヘッドホンは内蔵のマイクと通話ノイズキャンセリングテクノロジを使用し、周囲のノイズを軽減し、相手の声をよりクリアに伝わります。周囲のノイズに邪魔されることなくスムーズに話せます。高品質な通話性能を実現しました。
- 【臨場感のある高音質】30mmのダイナミック型ドライバー (PU+PEEK) は広い帯域をカバーし、低音から高音まで伸びのあるサウンドを実現し、豊かで繊細なサウンド出力を実現します。時間の制約を越えて音を奏で、曲により特別な表現力と生命力を与えることができるようになりました。
- 【マルチポイント対応】Bluetooth5.2搭載で、転送速度がさらに早く、環境に左右されない優れた接続安定性を実現します。また、マルチポイント対応、デバイス間を簡単に切り替えます。ノートパソコンで映画を見たり、電話をかけたりと、効率的にマルチタスクをこなすことができます。
- 【長時間使用可能】WH500ワイヤレスヘッドホンには、低電量消費のBluetooth5.2技術の搭載により、約40時間連続使用可能となります。さらに、10分の充電で120分の再生が可能な急速充電にも対応、満充電にはわずか2時間がかかり、通勤や通学、スポーツなどの時に、音楽や動画視聴を楽しむことができます。
- 【聴力保護】Edifier Connectアプリを通じて聴力保護設定をオンにし、音量制限は最大 85dB になります。音楽を楽しむと同時に聴力健康にも注意することができます。子どもも安心してご利用いただけます。【シャットダウンタイマー】APPのシャットダウンタイマー機能を使用して音楽の時間を管理できます。5分、1 時間、または3時間に設定できます。オーディオブックを聴きながら、スイッチを切らなくても簡単に電力を節約します。
パッケージ(8.0)
パッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
- ヘッドホン本体
- Type-C USBケーブル
- 説明書
ビルドクオリティ(8.5)
装着感(8.5)
本体はコンパクトで軽量です。イヤーパッド部分は相当に柔らかく、着け心地はわりと優しいので、かなり長時間つけてもあまり耳が痛くなりません。
接続品質
SBCでCayin N6II/E02と接続してテストしました。接続品質は優秀です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟んでも問題なく音楽を聴くことができます。
バックグラウンドノイズは少しあるかもしれませんが、ほとんど気になりません。
アプリ
EDIFIER CONNECTに対応しています。
EDIFIER CONNECTアプリで可能なこと
- EQプリセットの切替とユーザーEQカスタイマイズ
- ゲームモードの切り替え
- ファームウェアアップデート
- ファクトリーリセット
- デバイス情報の確認
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
音質解説
今回はSBCでFiiO M15につないでクラシックモードでレビューしています。
Edifier WH500は標準のクラシックモードでV字型ないしW字型のサウンドシグネチャーを持っています。全体のバランスはおおむねニュートラルなラインを意識してバランスよく調整されています。
注意点としては聴覚保護機能があるため、おおむね85dB以内に全音域の音が収まるように設計されており、普段大きめの音量で聴く人には不足感が出やすいかもしれません。聴覚保護とマスターボリュームについてはアプリで調整可能ではあるものの、うまくいかない場合もあります。そして遮音性もそれほど高くありません。
以下のレビューの評価値はクラシックモードでのものです。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(7.5)
- 原音忠実度:A-
- 臨場感:C+
- 深さ:B
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:B
Edifier WH500の低域は中域とよく釣り合うよう存在感がうまく調整されています。ただし、ややブーム感が強いパンチを重視した低域のため、重く太く聞こえる、かなりマッシブな傾向の音になります。
ドラムキックは重みが強く、インパクトがありますが、やや膨張的でドカつき感が強い、ドコドコドンドンボンボンした印象で聞こえがちです。パワフルで力強さに優れた非常にたくましい音ですが、引き締まりには欠けます。人によって高いライブ感を感じるかもしれません。
エレキベースも沈み込みが悪く、やや見通し感に欠け、濁りは強めです。
低域は全体的に歪も高めで、濁りによってやや熱気が強く聞こえる、いわゆる「熱湯風呂」に近いサウンドです。
中域(8.5)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:A-
- 硬さ:B
- 存在感:B
Edifierらしく、中域の調整はこのタイプのカジュアルリスニング製品としてはよくできています。
ぼんやり感が強い低域とは異なり、中域は透明度は実際にはかなり良好で、質感の表現もそれなりに正確です。
中域下部が少し盛り上がっているため、中域は全体として奥行きを強調し、わずかに後傾的ですが、全体的な傾斜は強くなく、ほとんどニュートラルです。
ただし、エレキギターなどは若干色づきが悪いですね。全体的にややふくよかでもっさりして聞こえがちです。そのため、透明度が高いわりに、全体的に濁って聞こえやすい傾向があり、立体感はいまいちな雰囲気に思えます。
オーディオマニアが観賞用に使うというよりは、ながら聞きするようなカジュアルなサウンドと言えるでしょう。
高域(8.5)
- 原音忠実度:D+
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:B
- 荒さ:D+
- 繊細さ:C+
- 存在感:B-
WH500の高域はややディテール感を強調し、繊細で輝度の高いバランスに調整されています。
この高域はこのクラスとしてはかなり良好に調整されており、ややぼんやりした傾向があった中域までに繊細で爽快な味付けを加え、全体の印象をかなり改善します。
歯擦音やサ行の刺さりなどはほとんど目立たず、かなりセーフティであるにもかかわらず、たとえばハイハットは非常に細かくシルキーで、アコースティックギターの爪弾きも繊細に聞こえ、粒の細かいシンバルクラッシュは非常に気持ちよく聞こえます。
拡張性も十分以上で抜けも良好です。
定位/質感
- 質感の正確性:A-
- 定位の正確性:B+
- オーケストラのテクスチャ:B
- 雅楽のテクスチャ:B-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
フルオーケストラ向けのヘッドホンとしてはWH500を積極的におすすめする要素はほとんどありません。中域が混濁して聞こえがちですし、低域は重厚感があるものの、沈み込みは物足りません。また楽器音の色づきも悪く、全体的にもっさりとした鈍重な雰囲気で聞こえやすいのが、躍動感の点で曲を物足りないものにします。バランスは悪くないですが、手放しでほめられるほどよくもありません。
雅楽も全体的にのっそりする感じがあり、中域の色づきの悪さのせいで、華やかさに欠けてくすんだ感じで聞こえがちです。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B
- イメージング:A-
- 高域:A
- 中域:A-
- 低域:B-
低域の深さは物足りません。中域は最前面近くにあり、高さは標準以上です。
クリア感は価格を考えると標準以上です。
解像度は価格を考えると抜群に近いです。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:B
- 個人的な好み:B
Edifier WH500は比較的よく全体のサウンドバランスが整えられているものの、中域の出来はあまりよくないので、一般に中域を重視する傾向のあるオーディオマニアにはそれほどウケが良くないと思います。
ただ、尖りや刺さりの刺激的な要素が少なく、セーフティでありながら、比較的高いディテール感と抜けの良い高域を持っており、カジュアルリスナーには悪くない選択肢かもしれません。
ただし聴覚保護の関係で大音量は出にくいことに注意が必要です。
音質的な特徴
美点
- 良好な高域拡張性
- 良好な原音忠実性
- 繊細
- 爽快
- 力強い低域
- 良好なサウンドバランス
- 比較的良好な定位感
- 優秀な解像度
欠点
- 質感の正確性で物足りない
- 全体的にぼんやりしがち
- 低域の深さに欠ける
- 音量を上げづらい(聴覚保護のため)
優秀な解像度
良好な原音忠実性
繊細で爽快
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用い、FiiO BTA30を使って、SBCでワイヤレス伝送しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Edifier WH500(クラシックモード)
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Edifier WH500(クラシックモード)
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- Edifier WH500(クラシックモード)
総評
Edifier WH500は低価格の予算でカジュアルに使うワイヤレスヘッドホンとしては悪くない選択肢です。オーディオマニア向けの音質とは言い難いですが、音質はEQでカスタマイズ可能です。また、通信品質は優れており、軽量で装着感もよく、ロングバッテリーで持ち運びやすいサイズ感なのも美点でしょう。
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