免責事項
- このレビューはEarFunから誠実な品質レビューを読者に伝えるために提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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EarFun Air Pro 2の概要
こんな人におすすめ
- バランスの良いサウンドが好き
- 自然な質感のサウンドが好き
- 強力なANCの機種を低価格でほしい
- スタジオチューニングが好き
- コストパフォーマンス重視
- コンパクトなイヤホンがほしい
- 装着感の良いイヤホンがほしい
基本スペック
- 連続/最大再生時間:7h/34h
- 防水性能:IPX5
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 技適番号:018-210211
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:9.0/10.0
- 装着感:9.5/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:10.0/10.0
- 低域:10.0/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
- 通信品質:8.5/10.0
- アクティブノイズキャンセリング:9.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:12.5/10.0
長所
- ほぼ完璧なスタジオチューニングニュートラルサウンド
- 深みのある低域
- ディテール感に優れる
- 自然な質感
- 一貫性のある音像
- 明るく見通しの良い音場
- コンパクト
- 良好な装着感
- 優れたアクティブノイズキャンセリング
短所
- 人によっては少し明るすぎるサウンド
- ベースヘッドはもう少し低域に量感を求める可能性
- 高域の拡張性のわずかな不足
EarFun Air Pro 2の特徴
- QuietSmart™ 2.0 ハイブリッドノイズキャンセリング機能搭載。
最大40dBまで騒音低減が可能。 - 外音取込モード搭載、風雑音抑制機能も。
- 計6基のマイクとノイズキャンセリング ・ アルゴリズムにより、通話は高音質かつクリアに。
- 10mmチタンコンポジットダイナミックドライバーを搭載、パワフルな低音と華々しい高音を。
- 34時間再生:チャージングケースと併せ27時間再生、イヤホン単体7時間再生。
- 急速充電を搭載、10分の充電で約2時間の音楽再生が可能。
- ワイヤレス充電とUSB-TYPE-C充電対応。
- IPX5相当の防滴性能。
- イヤホンを外すだけで音楽を停止する装着検出機能。
- タッチで音量調節操作が可能。
- 音声アシスタント機能に対応、声による起動。
プロモーション動画
パッケージ(8.5)
EarFun Air Pro 2のパッケージは価格より少し上質と言えます。豪華ではありませんが、コンパクトで機能的にまとまっており、付属品はしっかり袋分けされています。マニュアルも揃っています。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- EarFun Air Pro 2 本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース(3サイズ)
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.0)
装着感(9.5)
EarFun Air Proよりひと回り小さくなり、耳が小さい人でも問題なく装着できそうです。収まりもかなり良いです。
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと一瞬通信が途切れましたが、接続は維持され、すぐに音楽再生が継続されました。その後は途絶はありませんでした。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開ける |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納し蓋を閉じる |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
リセット方法 | ①イヤホンをケースに収納 ②両方のイヤホンをケースに収め、ケースのリセットボタンを10秒長押し |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを2回タップ |
曲送り | 右耳側の多機能ボタンを3回タップ |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタンを3回タップ |
音量+ | 右耳側の多機能ボタンを1回タップ |
音量- | 左耳側の多機能ボタンを1回タップ |
通話応答 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話拒否 | 多機能ボタンを2秒長押し |
ノーマル/ANC/ヒアスルーモード切替 | 多機能ボタンを2秒長押し |
アクティブノイズキャンセリング性能
詳細は有料記事に譲りますが、EarFun Air Pro 2のANC性能は価格帯でトップクラスです。聴感上の影響が大きい低域から中高域まで満遍なく遮断率が大きいため、体感的な効果もかなり大きく感じられるはずです。
ANC録音
録音はAntelope Audio Amariにつないだヘッドホン(beyerdynamic DT990 Edition 2005 600Ω)から、70dBSPL@1khzにテストトーンの音量レベルを合わせた上で、専用のテスト音源を自由音場フィルターを適用したうえで再生しています。音源はヘッドホンのみでの再生音源と、EarFun Air Pro 2をANCモードにしたうえで、そのうえにヘッドホンをかぶせて再生したものが用意されています。これで疑似的にアクティブノイズキャンセリングを体感できます。
さらに比較用に前世代のAir Proのアクティブノイズキャンセリング音源も用意しました。ANC性能は総合的には同等ですが、効き方が異なります。Air Proは中域から高域の遮断率で勝るため、このような大通りでは、Air Pro 2より静寂感が勝るように聞こえるのではないかと思います。
実際のANCは装着感の影響も大きいですし、ヘッドホンをかぶせて再生しているために実際の聞こえ方とは異なりますが、比較的実際に近い体験ができます。
なお環境音源は効果音ラボさんの音源を利用しています。
- ヘッドホンのみの再生
- EarFun Air Pro 2 ANC ON
- EarFun Air Pro ANC ON
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータスなど
測定値は有料記事をご覧下さい。各モードの周波数特性の違いなど、より詳しい情報が参照できます。
オーディオステータス
音質解説
EarFun Air Pro 2はノーマルモード時、ほぼ完全にHarman Target IE 2017に忠実であり、良質でバランスの取れたスタジオチューニングサウンドを提供します。
低域と高域の両方で拡張性にも優れているため、レンジ感にも優れており、広がりの良い音場を持っています。高域は少し明るく鮮明に音楽の全体が描き出されますが、音のつながりは滑らかで質感も自然です。
以下のレビューはFiiO M15にSBCでつないでノーマルモードでテストしています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(10.0)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:A-
- 深さ:A-
- 重み:A-
- 太さ:B
- 存在感:B+
EarFun Air Pro 2の低域は非常に良質で階層性にも優れているため、かなり正確なモニター的な表現が期待できます。リファレンスとして通用するでしょう。
低域は十分に深くまで到達しており、重みと深さに優れています。透明感があり、ベースとドラムの描き分けも自然で、しかもクリアです。質的に非常に優れている低域ですが、重低域は量的には中庸な水準を維持しているので、ベースヘッドを満足させられるかは少し難しい判断になります。
個人的にはほとんど不満がないですね。
中域(10.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B
- 明るさ:B
- 硬さ:B
- 存在感:B
中域は極めてニュートラルに近く、滑らかでつややかなサウンドが明るく詳細に聞こえます。
中域の透明度の高さは神がかってますね。原音忠実性も高く、音像の一貫性にも優れているため、ボーカルは非常に自然にきれいに、スムーズに聞こえます。
色づきもよく、自然な構築感があるため、音楽の骨組み、立体感にも不足を感じません。楽器の定位もほとんど完璧に正確です。
この価格でここまで完璧なリファレンスになりえるサウンドが作り出せていることには驚きしかありませんね。
高域(9.5)
- 原音忠実度:C-
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B-
- 荒さ:D
- 繊細さ:D+
- 存在感:B-
高域は若干輝度が高く感じられる可能性がありますが、詳細でディテール感に満ちています。
EarFun Air Pro 2の音場は明るく、のびやかで、リズム楽器に自然なトランジェントがあり、ディテールもきれいにみずみずしく聞こえ、風通しもよく、爽やかです。
解像感も高いですが、音は滑らかで自然につながっています。
声楽は非常にきれいで美しく、Huelgas Ensemble「Visin, visin, visin à 4」の伸びやかなコーラスを生々しく、完璧に近く聞かせます。清浦夏実「悲しいほど青く<十九色 version>」は少し明るめに聞こえるかもしれませんが、粒立ち感がきれいで輪郭も美しく浮かび上がるのに、ドライにならず、繋がりがよく潤い感のあるボーカルと楽器が聞こえてきます。
定位/質感
- 質感の正確性:S
- 定位の正確性:A
- オーケストラのテクスチャ:S
- 雅楽のテクスチャ:S
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
EarFun Air Pro 2はこの価格帯でほぼ完璧にクラシックファンを満足させることができる、数少ない完全ワイヤレスイヤホンの一つです。
フルオーケストラは高域の拡張性がわずかに足りず、音の伸びと空気感がもう少し欲しく思いますが、ステージの全体にスポットライトが当たって隅々まで詳細に聞こえます。人によってはやや明るすぎると思う可能性はありますが、楽器音はみずみずしく艷やかに躍動的に聞こえ、倍音は非常に均整が取れているので、バイオリンや木管の音はリアリズムに優れています。ヒステリックなエッジ感やピークとは無縁です。
雅楽も完璧に近いですね。笙は少し明るく聞こえますが、耳に痛くなりません。音のつながりが滑らかで抜けも良いため、不快なピークがなく、鮮烈な和音が詳細に、しかも聞き苦しくなく聞こえます。素晴らしいですね。
音場/クリア感
- 音場:B
- クリア感:A
音場はほとんど自然で、わずかに高さの不足を感じますが、気になりません。
クリア感は優秀です。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:S+
- 個人的な好み:S+
EarFun Air Pro 2はSoundPEATS Gamer No.1、2つのバージョン違いのTForce Yuan Li、そしてMoondrop Starfieldなどと並ぶ、私の新しいリファレンスイヤホンです。それは非常に良質なスタジオチューニングサウンドを提供し、同時にほとんど完璧に私の好みを満たしてくれます。
全価格帯を見回しても、これ以上のイヤホンはそうそう見つからないでしょう。
音質的な特徴
美点
- ほぼ完璧なスタジオチューニングニュートラルサウンド
- 深みのある低域
- ディテール感に優れる
- 自然な質感
- 一貫性のある音像
- 明るく見通しの良い音場
欠点
- 人によっては少し明るすぎるサウンド
- ベースヘッドはもう少し低域に量感を求める可能性
- 高域の拡張性のわずかな不足
自然な質感
ディテール感に優れる
明るく見通しの良い音場
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはAACで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- EarFun Air Pro 2
- EarFun Air Pro 2 (ANC ON)
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- EarFun Air Pro 2
- EarFun Air Pro 2 (ANC ON)
Intense Chase
- 原曲(-23LUFS)
- EarFun Air Pro 2
- EarFun Air Pro 2 (ANC ON)
EarFun Air Pro 2の関連記事
EarFun Air Pro 2が価格以上の品質を持っていることは確実に思えます。音質面での評価も高く、ANC性能・接続品質・通話品質など、価格以上の使い勝手と機能を持っていることはここに紹介した多くのレビューが証明しています。欠点は高品質なコーデックと専用アプリがないことくらいです。
ちょうどEdifier NeoBuds Proのレビュー用にANCテストをしたので、ついでにQCY HT03も一緒に測定しみましたので報告します。結論から先に言うと、QCY HT03のANCはかなり優秀ですね。
総評
EarFun Air Pro 2は目下のところ、完全ワイヤレスイヤホン分野での私の推奨リストで最上位を占めるだけでなく、イヤホン全体の推奨リストでもトップレベルに入ります。それは明るく詳細で高解像でありながら、つながりが良く滑らかで聞き心地の安定したスタジオチューニングニュートラルサウンドを提供します。
ANC性能も価格の標準以上で、使い勝手も前世代より改善されており、欠点らしい欠点はありません。私はそれほど重視していませんが、不満点があるとすれば、付属アプリがないことくらいです。
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