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この製品の要点
- 低域から中域まではかなりニュートラル
- 高域はアタックが強調され、やや不自然に聞こえやすい
- 高域の抜けとマイクロディテールの不足
DUNU初の静電型ドライバー搭載IEM
DUNU Top-SoundはDUNUとも呼ばれ、中国を拠点とする有名なオーディオ機器ブランドです。 彼らは高品質のインイヤーモニターの大手メーカーです。2013年にリリースされたDUNUの最初のハイブリッドドライバーIEM DN-1000は、業界でハイブリッドドライバーIEMの新しい標準を打ち立てました。 それ以来、DUNUはDDユニットとBAユニットの混成で構成されるいくつかのハイブリッドIEMを提供してきました。
このブランドはDUNU EST112と呼ばれる、DD、BA、および2基のESTドライバーで構成されるトリプルハイブリッドセットアップを備えた最新のハイブリッドIEMをリリースしました。今日はそのDUNU EST112の海外レビューをまとめて紹介します。
DUNU EST112の特徴
- クアッドドライバートリプルハイブリッドセットアップ
- ベリリウムコーティングされたダイアフラムを備えた第3世代の13.5mmダイナミックドライバーユニット
- カスタムKnowlesミッドハイバランスアーマチュアドライバー
- 2基の高性能Sonion ESTドライバー
- ステンレス鋼のフェースプレートを備えたまったく新しいアルミニウム合金ボディ
- DUNUの特許取得済みQuick-Switchモジュラープラグシステムを備えたリッツ編組銀メッキ銅ケーブル
- 穏やかで分離の良いサウンドシグネチャー
- 4ドライバートリプルハイブリッドセットアップ:DUNUの最新のEST112は、1つの強力なダイナミックドライバー、1つのプレミアムバランスドアーマチュアドライバー、および2つの高性能静電ドライバーで構成される4ドライバートリプルハイブリッドセットアップを備えています。 これは、静電ドライバーを搭載したDUNUの最初のトリプルハイブリッドドライバーIEMです。
- 第3世代ダイナミックドライバーユニット:DUNUはEST112に第3世代の13.5mm大型ダイナミックウーファーを装備しました。 両面にベリリウムコーティングが施されているため、振動板が厚くなり、より細かく規則的な粒状パターンを実現しています。これにより、低音と低中音域の周波数において超低歪み率を実現しており、生々しい質感と分離が維持されています。
- 高品質なKnowles製バランスドアーマチュアユニット:DUNUは長い間、ハイブリッドIEMでKnowlesのプレミアムバランスドアーマチュアドライバーを選択してきました。Knowles社は、BAユニットで世界的に有名なブランドの一つです。EST112に搭載されたBAユニットは、洗練された中高域のレスポンスをユーザーに提供します。自然な音色と質感のある美しいボーカルを生み出します。
- 高性能Sonion製ESTドライバー:ESTドライバーがハイエンドのヘッドホンでのみ使用されていた時代は過ぎ去りました。このテクノロジーは、多くの主要なIEMに実装されており、急速に進歩しています。DUNUは、Sonion(非常に有名なオーディオドライバー製造ブランド)から2つの高性能ESTドライバーを実装しました。それらにより、EST112は滑らかでエレガント、そして詳細な高周波数応答と超高周波数応答を提供します。
- 最新のアルミニウム合金シェル:DUNUは、再設計されたドライバー回路を包み込むために、まったく新しいシェルパッケージを設計しました。イヤーキャビティは、軽量で耐久性のあるアルミニウム合金材料を使用した高精度の機械加工プロセスで作られています。傷のつきにくいガンメタルアルマイト仕上げで、磨き上げられたステンレススチールのフェースプレートが特徴で、シンプルでありながら時代を超越したデザインになっています。
- DUNUの特許取得済みクイックスイッチモジュラープラグシステムを備えた高品質のLitzケーブル:DUNUはEST112をプレミアムDUW-02Sケーブルにバンドルしています。これは、DUNUの特許取得済みのQuick-Switchモジュラープラグシステムを備えた高品質のLitz編組銀メッキ銅ケーブルです。標準の3.5mmシングルエンドプラグとは別に、パッケージには2.5mmと4.4mmのバランス終端プラグが含まれています。
パッケージ開梱動画
DUNU EST112の技術仕様
- 周波数応答:5Hz〜40kHz
- インピーダンス:10Ω@ 1kHz
- 感度:110±1dB @ 1kHz
- THD + N:<0.3%@1kHz
海外レビューまとめ
引用個所については例のごとく適度に超訳です。
HEADPHONES.COM
一般に、EST112は、ほぼすべてが「バランスの取れた」サウンドに適したチューニングであり、高音域と中音域がわずかに厚く、高音域の甲高い音が唯一の重大な欠点です。そして、その欠点は残念なポイントになります。なぜなら、その欠点によって、さまざまな音楽に適した万能内ヤホンになってないためです。EST112は、SA6のより用途の広い性質ではなく、特定のトラックやジャンルに対応するIEMになっています。
Dunu EST112 Review
Review written by Andrew Park (@Resolve) Review unit provided by Dunu for evaluation Introduction Dunu has been making waves with a number of high profile IEM releases, most significant of which has so far been the extremely well-received SA6 that comes in at around $550. So it comes as a bit of a surprise that they’re
最大の問題点は高域
HEADPHONES.COMのレビュアーにとって、ほとんど完璧と評価しても良いEST112の最大の問題点は高域にあり、5kHz付近のピークが問題の原因になりやすいと指摘しています。この問題を多少改善するのにHEADPHONES.COMレビュアーがイヤーピースをfinal Eに交換することを薦めているのは、私の普段の聴感印象(およびfinal Eを使用した際の一般的な測定値の傾向)からもおそらく適切です。
高音の伸びの悪さも指摘されています。たしかに提示されている周波数特性は高域の拡張性の不足を示しています。提示されたグラフから予想される聴感周波数を想定すると、高域が緩やかに減衰していることが考えられ、おそらくDUNU EST112は高域で少し奥行きを出しつつ、あまり天井の高さを感じさせない、少し輝度の低い、やや暗い高域を持っているように思われます。
HEADPHONES.COMの指摘するとおり、打楽器のアタックやギターのディストーションはやや攻撃的に聞こえやすく、アコースティックギターや打楽器のエッジは強調されて聞こえる傾向にあるでしょう。そうしたエッジが音楽にスパイキーさを感じさせるにも関わらず、マイクロディテールは少し欠如する傾向があることが予想されます。少し複雑な中高域の構造は定位にもあまりよくない影響があるかも知れません。ボーカルはシャウト感が強調される傾向がありそうですが、それに対して子音のプレゼンスが相対的に不足することが予想されます。こうした高域構造はアジア圏向きのチューニングに思えます。
中域から低域は比較的バランスが良い
HEADPHONES.COMのレビュアーによれば、少なくとも低域から中域にかけて、EST112は少しウォームでありながら、全体的にニュートラルに近いサウンドを提供します。
これはHEADPHONES.COMのレビュアーの提示する周波数特性を分析した私の見解とも一致します。私の分析によれば、EST112は厚みを少し強調する傾向はありますが、2kHz付近まではかなりニュートラルに近いサウンドを持っています。そして、その帯域の、全体に対するプレゼンスは少し強調されていると思われます。この周波数帯域は日本語音域に相当するため、この音域のプレゼンスが良好な場合は一般に、日本人にとって心地よいサウンドに感じられる可能性が高いという点は補足しておきます。EST112のボーカル表現は母音優位を示唆しており、日本人にとって馴染みのある、子音の角が少し取れて穏やか、ボディの豊かなボーカルプレゼンテーションが期待できるでしょう。
HEADPHONES.COMの測定値に基づく私の分析評価では、DUNU EST112の低域と中域の原音忠実性もかなり高いことが予想されます。
ジャズやクラシック、アコースティックなどに向く
HEADPHONES.COMのレビュアーにとって、DUNU EST112は楽器中心の音楽向きに思えたようです。彼は英語圏のレビュアーなので、DUNU EST112のボーカル表現は不自然に聞こえたのでしょう。
しかし、日本人にとってはむしろ、母音中心のわりと自然なボーカル表現に聞こえそうな気がします。基本的にボーカルのプレゼンスには優れているイヤホンでしょう。
Audio Discourse
EST112は、洗練された部分と未成熟さが混ざり合った面白いサウンドで、ほとんどの場合、私はこのサウンドを高く評価していますが、その一方で、少し物足りなさを感じることもあります。これはチューニングのせいでもあるのですが、中高音域が少しシャープすぎて、聴き疲れてしまうことがあります。トリオ・ジャズのレコードを聴いていると、シンバルやハイハットの音が絶え間なく聞こえてくるため、IEMを外した後に耳鳴りがすることがありました。
DUNU EST 112 Review
Headphone and IEM Reviews
EST112はかなりニュートラル
Audio DiscourseのレビュアーはEST112がかなりニュートラルに近いものの、中低域でウォームな感触があると述べています。これはすでに述べたように、私の分析結果とも一致しますし、これまで見てきたようにHEADPHONES.COMのレビュアーとも共通する認識です。
高域のレスポンスにムラがある
Audio Discourseの表現は実にわかりやすいですね。DUNU EST112の高域の弱点は、まさに少し強調されるアタック感と輝度の不足が作り出す、ちぐはぐな表現にあることが予想されます(下に示すHiFiGOのレビューでも不自然な前傾感は指摘されていました)。彼はときどきスプラッシュヒットが目立ちすぎると言っています。アタックの過剰さを感じさせる反面、角が取れたような高域のシルキーな柔らかさにミスマッチを感じているようです。
Youtubeレビュー
HiFiGOレビュー
DUNU EST112に関するHiFiGOのレビューは以下の記事を参照して下さい。
まとめ
DUNU EST112はかなりニュートラルに近いサウンドを持っていますが、高域が独特です。アタック感の不自然な強調が好ましくない印象を与える可能性があります。低域から中域はウォーム傾向ではありますが、比較的良好にチューニングされているために、高域の癖の強さは人によってかなり不自然に感じられるかも知れません。実際、多くのレビューは高域を欠点に挙げています。私の分析でも、DUNU EST112の高域はマイクロディテールと拡張性に少し乏しく、かつ中高域の不自然なピークが少し定位を乱す可能性が示唆されています。
一方で比較的自然な質感と母音優位のボーカル表現は日本人の耳には馴染み、日本人にとってはポップスはわりと気持ち良く聴けるイヤホンなのではないかということが予想されます。
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