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Campfire Audio DORADO 2020の概要
こんな人におすすめ
- 重厚感重視
- 熱気のある暗めのサウンドが好き
基本スペック
- 周波数特性:5Hz~22kHz
- インピーダンス:10Ω
- 感度:94dB/1mW
- ケーブルコネクタ:mmcx
- 価格帯:100000円~200000円
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:7.5/10.0
- 中域:7.0/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
長所
- 奥行き感のある音場
- ウォームで聞き心地が良い
- 重厚
- 上品でシック
- 繊細
- ライブ感のあるサウンド
短所
- 彩度が低い
- キレが悪い
- ドライでみずみずしさと透明感に欠けるサウンド
- モシャモシャガシャガシャして聞こえる
- 構築感の不足
Campfire Audio DORADO 2020の特徴
- 「音楽を楽しむために」 シンプルな哲学が生み出すニュートラルサウンド DORADO 2020 は 2016 年に発売された初代 DORARO 以降、 様々なハイブリッド型イヤホンを開発してきた経験を生かし、 DORADO に新たな息吹を吹き込み誕生しました。 バランスド ・ アーマチュア型ドライバー一基、ダイナミック型ドライバー一基のハイブリッド型イヤホンの最もシンプルなデザインを採用していおり、 複雑なクロスオーバーを持ちません。 私たちはこのシンプルなハイブリッドデザインがドライバー本来の力を発揮することができ、より忠実に音を再現し、 解像度とまとまりを向上させることを発見しました。 これにより DORADO 2020 は鮮明でありながら、 自然なサウンドを実現しました。 このハイブリッド型としての最小構成のシンプルさが、 解像感があり感情豊かに音楽を演奏する DORADO 2020 の最大の魅力を生みだしています。
- 超高密度セラミック「ジルコニア」を採用 筐体素材には超高密度セラミック 「ジルコニア」 を採用。 DORADO 2020 はメーカーの持つ最高の素材を組み合わせることでその能力を最大限に発揮することをテーマに作られています。 そこで 2015 年に LYRA で初めて使用したこの優れた素材に立ち返りました。 セラミックは密度が高く振動に強いため、 ダイナミックスドライバーとの相性が良い素材です。 また非常に強度が高く傷つきにくい素材でもあります。 Campfire Audio のセラミック筐体は多くの時間と行程を経て作られています。 600 度で2日間、1200度で3日間焼結を行い、 これにより密度を高めます。その後 3日間かけて研磨することで、光沢のある美しい筐体が完成します。
- 最小構成だからこそ最高の素材を DORADO 2020 はシンプルな哲学に基づいています。 可能な限り最高のコンポーネントを使用しドライバーの能力を最大限に発揮させること。 独自にカスタマイズした超小型のバランスド ・ アーマチュア型ドライバーと A.D.L.Cコーティングを施した 10mm のダイナミック型ドライバーを搭載。 信号経路にはドライバーの演奏を妨げるような複雑なクロスオーバーやその他の電子機器の乱雑さはありません。 PVD 仕上げの真鍮製のノズル内に配置された BA 型ドライバーにきらめく高域を任せ、ダイナミックドライバーは豊かでサウンドレンジの広い低域を鳴らします。 雑味のない正確なボーカル表現は生の 「声」 を届け、 DORADO 2020 は音像を忠実に再現します。
- サスティナブルな素材を使用した新しいジッパーケースが付属 DORADO 2020 にはダイバーオレンジのジッパーケース 「Upcycled Marine Plastic Zipper Case」 が付属します。 このジッパーケースはサスティナブルな素材を使用した新しいケースです。 Campfire Audio は環境に配慮したモノづくりを目指しており、その理念を理解したポルトガルの工房で職人の手によって作られています。
開封動画(AudioLevels)
パッケージ(8.5)
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
装着感(8.5)
装着感はかなり良好です。
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
制動
Campfire Audio DORADO 2020はアンプの出力インピーダンスの影響を受けます。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
DORADO 2020は低域重視のサウンドシグネチャーを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.5)
- 原音忠実度:S+
- 臨場感:B+
- 深さ:A-
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:A
DORADO 2020の低域は量感が豊かで力感に強調がありますが、膨張的で引き締まりはそれほど良くありません。
熱気が強く、ドラムはボンボンしたところがあって豊満であり、エレキベースの音もブリブリ感が強く、明るく靄がかかったような音になります。ライブ感はありますが、階層性に欠け、レイヤリングには優れていません。また重低域の沈み込みにも欠けるため、エレキベースの音は黒さと広がりに欠けます。
中域(7.0)
- 原音忠実度:A-
- 厚み:B+
- 明るさ:B
- 硬さ:B
- 存在感:B
中域はステージングが少し強調されており、厚みがあって濃厚感のあるサウンドです。中域は明るさに欠け、ドライでぼそぼそして聞こえやすいため、充実感や透明感に欠けます。
ボーカルは明るさに欠け、地味で太く聞こえ、落ち着いて上品な雰囲気がありますが、色づきが悪いですね。ギターもエッジ感が悪く色気に欠けるサウンドで、グレーに近くダンディなサウンドと言えるかもしれませんが、華やかさに欠けます。
高域(7.5)
- 原音忠実度:C-
- 艶やかさ:B-
- 鋭さ:B-
- 脆さ:C+
- 荒さ:D
- 繊細さ:C-
- 存在感:C+
高域は中域に対して輝度が高く、鮮明感は高いですが、空気感で物足りません。
中域が暗いわりに妙に粒立ちが細かく、シャリシャリしていて、ガシャガシャして聞こえる高域です。繊細に感じられる音なのでマイクロディテールは悪くありません。空気感はかなり足りないので、空気感は閉じており、それが中域に濃厚感をもたらしています。
定位/質感
- 質感の正確性:B
- 定位の正確性:A-
- オーケストラのテクスチャ:B-
- 雅楽のテクスチャ:B-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
ドライでパサパサしたフルオーケストラです。楽器音はみずみずしさで物足りず、彩度も低いので華やかさに欠け、なんていうか古い白黒映画を見ているようです。
雅楽は華やかさに欠けます。篳篥の音の切れが悪く、肺活量が足りていないかのようにひょろ長く聞こえます。和音も息苦しげでカビが生えているのかと思うほど艶やかさのない、地味な音楽です。上品でシックと言え、水墨画のような世界観を感じますが、宮廷音楽の豪勢さ、艶美さは感じられませんね。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B
- クリア感:A-
- イメージング:B+
- 高域:A
- 中域:A-
- 低域:B-
深さで少し物足りず、中域で奥行き感が強調されており、高域は高さで物足りません。
クリア感は価格の標準以上です。
イメージング性能は価格を考えると悪くありません。
音質総評
- 原音忠実度:A-
- おすすめ度:B
- 個人的な好み:B
上品でシックに聞こえる、白黒映画のようなサウンドが好きなら悪くありませんが、DORADO 2020のサウンドはあまり万人向きとは言えません。
低域が強めでエネルギッシュなサウンドが好きなら、2000円以下で買えるKZ EDXのほうがはるかに万人向きですし、オーディオスペック的にも優れています。
音質的な特徴
美点
- 奥行き感のある音場
- ウォームで聞き心地が良い
- 重厚
- 上品でシック
- 繊細
- ライブ感のあるサウンド
欠点
- 彩度が低い
- キレが悪い
- ドライでみずみずしさと透明感に欠けるサウンド
- モシャモシャガシャガシャして聞こえる
- 構築感の不足
奥行き感のある音場
ウォームで聞き心地が良い
上品でシック
Re:ゼロから始める異世界生活 Coreful フィギュア レム~パックイメージver.~
人気シリーズ「コアフル」より、パックをイメージした衣装を着たレムが登場!
メーカーがもふもふの毛並みの質感再現とかわいらしさにこだわったモデルです。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Campfire Audio DORADO 2020
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Campfire Audio DORADO 2020
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- Campfire Audio DORADO 2020
総評
Campfire Audio DORADO 2020は独特の熱気のある力強いサウンドを持つイヤホンです。彩度が低く、ドライに聞こえ、中域の透明度に欠けるサウンドはあまりオーディオマニア向きとはいえませんが、グレーで上品に聞こえる雰囲気が好きなら、悪くないでしょう。
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