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Behringer MO240の概要
こんな人におすすめ
- 爽やかなサウンドが好き
- 繊細なサウンドが好き
- 音場の広さ重視
- ディテールサウンド重視
- 伸びやかなサウンドが好き
基本スペック
- 周波数特性:20Hz~20kHz
- インピーダンス:32Ω
- 感度:93dB/mW
- ケーブルコネクタ:mmcx
- 価格帯:5000円~10000円
- パッケージ:9.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.0/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:12.5/10.0
長所
- 中域の良好なステージング
- 爽やかで風通しの良いサウンド
- 中域への適切なフォーカス
- 繊細
- 良好なディテール感
- すっきりとした清潔感のあるサウンド
- 機敏で追随性の良いサウンド
- 奥行き感と幅、高さに優れた広い音場
- 音が伸びやか
- パッケージクオリティが良好
- コストパフォーマンス良好
短所
- 濃厚感に欠ける
- 不自然な質感
- か細く聞こえやすい
- ざらざらして聞こえやすい
- メタリックサウンド
Behringerについて
1989年にユーリ・ベリンガーによって設立されたオーディオ機器メーカーです。創業はドイツですが、低価格で質の良い製品を製造するために製造拠点を中国に設けています。Behringerは他社とそっくりな製品をより廉価な価格で提供することで有名で、コピーブランドとして非難されることもあります。
Behringer MO240の特徴
特長
- プログレードのスタジオモニタリングイヤホン。
- 豊かな低音とクリアな高音を提供するダイナミック&シングルバランスド アーマチュア マイクロドライバー。
- ウルトラリニアな周波数特性。
- 外部のノイズを遮断しやすい優れた遮音設計。
- 59 inch (150 cm) のケーブルと、便性と柔軟性を持ち合わせた360度の回転が可能な金メッキMMCXロックスナップコネクタ。
- オーバーザイヤーケーブル設計により、インイヤーの安定性と快適性が保証。
- 幅広いオーディオデバイスで使用するために最適化された音質パフォーマンス。
- 外出先で音楽を楽しむためのジッパーケースが付属。
- あらゆる形状とのフィット感を確保するために、3つのサイズのシリコン イヤーピースが付属。
仕様
- ドライバー:ダイナミック&バランスド アーマチュア
- クロスオーバー周波数帯域:500 Hz
- インピーダンス:32 Ω
- 周波数レスポンス:20 Hz to 20 kHz
- Sound pressure level (SPL):93 dB @1kHz (102 dB peak)
- 定格出力:3 mW
- ピーク出力:5 mW
- ケーブル:シールド加工、着脱式
- 端子:MMCX 端子
- ケーブル長:1.5 m (59″)
- プラグ:3.5 mm, ステレオ
- アダプター:6.3 mm, 金メッキ加工
- MMCX端子について:
- MMCX端子(規格):マイクロミニチュア同軸コネクタとも呼ばれ、1990年代にMCXをより小型にし、限られたスペースでの実装、ケーブルの引き回し易さ、取り外しが可能な規格として開発されました。同軸コネクタの中で最も小型で軽量なコネクタで、昨今様々なイヤホンやヘッドホンに採用されています。
MO240 –プロフェッショナル向けプレミアムインイヤースタジオモニター
録音をミキシングする場合でも、ベースラインをモニタリングする場合でも、超ワイドダイナミックレンジで超深みのある低音と超透明な高音を提供するイヤホンが必要です。非常にお財布に優しい価格で手に入るMO240インイヤーモニターを使えば、どこにいても、自分の曲を安心して作曲するというニーズを満たすことができます。
デュアルハイブリッドドライバーテクノロジー
ミュージシャンと作曲家の真の仲間–高品質の電磁シールド線は、電子機器で満たされたスタジオ環境に存在するすべての周辺ノイズを分離します。 トップグレードのデュアルハイブリッドマイクロドライバーは、楽器やボーカルに忠実度の高いオーディオを提供します。バランスドアーマチュアドライバーは、拡張された高周波応答に合わせて調整され、ネオジムダイナミックドライバーは超重低音に対応します。
快適なフィット感
MO240モニターの安全な耳かけ型および超軽量設計により、頭に重さを感じることなく、長時間のスタジオ、チャット、ゲームセッションで快適なモニタリングを保つことができます。3セットの超ソフトイヤーピースは、すべての耳に完璧な装着感を提供し、快適さを持続させます。インラインワイヤースライダーは、イヤホンを安全で絡まりのない状態に保ってくれます。
プロモーション動画
パッケージ(9.0)
Behringer MO240のパッケージは価格の標準を満たしています。付属品も価格を考えると豪華です。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。パッケージには以下のものが含まれています。
- イヤホン本体
- イヤーピース2種類6個(S/M/L)
- 6.35mm用変換プラグ
- キャリイングケース
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.5)
Behringer MO240のビルドクオリティは価格の標準を充分満たしています。MMCXの噛み合わせも悪くありません。
装着感(8.5)
Behringer MO240の装着感は良好です。
音質
周波数特性
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD特性
測定値は有料記事をご覧ください。
制動
Behringer MO240は高域でわずかに出力インピーダンスの影響を受けるようですが、その影響はわりと少ないようです。
スマホで鳴らしても問題ないでしょう。かなり扱いやすいモニターイヤホンのようです。手持ちのスマートフォンGalaxy A30で試しましたが、ほとんど不足を感じません。
測定値は有料記事をご覧ください。
ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
Behringer MO240は中域以上がうまく立体的に、定位が分かりやすく聞こえるように工夫された良質なモニターイヤホンです。そのサウンドはV字型ですが、低域はモニタースピーカーのようにストンと落ち、中域は奥行き感が出るように後傾していますが、不自然にならないようにうまく調整されています。
定位は実際には強調され、マイクロディテールも明瞭感が高くなるよう強調されており、ステージングも良好です。サウンドキャラクター的にはSeeAudio ANOUに通じるところがあります。ANOUのサウンドをよりすっきり淡泊に、フラットに近づけたチューニングといったところですね。
評価基準について
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B-
- 深さ:B
- 重み:B
- 太さ:B+
- 存在感:B
低域はモニタースピーカーのようにフラットにストンと落ちていく構造をしており、階層性はわかりやすいです。
量的には中域と釣り合っており、意外と薄く聞こえる低域ですが、少し太さが強調されているので、床面の存在感はしっかりしています。
深さの点で少し物足りない可能性はありますが、中域を濁らせることがほとんどなく、わずかにタイトでキレもよい追随性の良い低域です。良質でしょう。
中域(9.0)
- 原音忠実度:A+
- 厚み:A-
- 明るさ:A-
- 硬さ:B
- 存在感:B
中域は全体の中では前の方にいますが、構造的に奥に向かっていく後傾的なチューニングになっており、ステージングに優れています。
ボーカルの背景に楽器音が分離され、中域の定位は強調され、音場は広く感じられます。風通しもよく、開放的で、空間が澄み切っており、各楽器が細やかに分離されて聞こえます。
厚みは充分で充実感があり、心臓部の存在感も強いので、それほど薄くはなりませんが、それでも色彩感は少し淡泊に聞こえやすいです。スッキリ系のサウンドが好きならおすすめですね。
高域(9.0)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B
- 荒さ:D+
- 繊細さ:C
- 存在感:B
高域は風通しが良く、爽快感がありますが、わずかに超高域の抜けが足りないので、音の輪郭が少し硬く、チクチクするところがあります。私の好みは16kHzをもう3dBほど上げたくらいですね。とはいえ、この爽やかでディテールの細かい高域は私の好みに合致します。
抜けが足りないので、ツ音が少しチクチクする感じがあります。またサ行は少しざらざら乾いて聞こえますが、刺さり感は相対的に抑えめです。それでもときどきス音やシ音がきついですね。
アコースティックギターのエッジはシャープにやや金属感が強く、シンバルクラッシュもギラギラ派手なところがあり、爽やかでありながら賑々しい雰囲気もあって、楽しさも感じられる高域です。個人的にはかなり良い印象ですね。
定位/質感
- 質感の正確性:B
- 定位の正確性:B
- オーケストラのテクスチャ:B+
- 雅楽のテクスチャ:B-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
オーケストラは少しきついですね。少し広めのステージに見通しよく音が聞こえますが、バイオリンが細く、金管の圧に押し負けます。しなやかなサウンドに聞こえるので、こういう雰囲気を好きな人もいるかも知れませんが、力強さに欠けますね。私は好みじゃありません。軸に安定感がなく少しヒョロい音です。もやしですね。
全体の雰囲気は悪くないかもしれませんが、浮ついて聞こえやすいサウンドです。
雅楽は笙の和音が響くあたりがびっくりするくらい詳細に聞こえますが、やはりちょっと浮き足だったサウンドに聞こえますね。中域が薄く、リードの震えが浮き上がりすぎており、微視的すぎるサウンドになっています。もちろんこれは分析系モニターとしてMO240が優れていることの裏返しでもあるんですが。
音場/クリア感
- 音場:B+
- クリア感:A
音場は奥行きと幅に強調があり、高さも少し強調され、中域が広く聞こえます。低域の深さは標準的でしょう。音場の広いサウンドが好きならおすすめですね。
クリア感はかなり優れています。モニターイヤホンとして充分な透明度ですね。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:S
- 個人的な好み:S-
Behringer MO240は1万円以下で手に入るのが信じられないくらい、良質なモニターイヤホンです。少し強調された定位、広く感じられるステージング、清潔な中域とディテールがわかりやすく強調された高域によって、音楽の細やかな表現を聞き疲れ感なく、丁寧に聴かせます。
モニターイヤホンとして正統派と言えるサウンドに仕上がっており、ハイブリッドモデルなのに、クロスオーバー歪みが少なく、クリア感が高いうえに、駆動も容易でスマホでも充分鳴らせます。その万能性を考えると、全く隙がないと思えるくらいです。
入門用モニターの傑作機の一つと言っていいでしょう。
音質的な特徴
美点
- 中域の良好なステージング
- 爽やかで風通しの良いサウンド
- 中域への適切なフォーカス
- 繊細
- 良好なディテール感
- すっきりとした清潔感のあるサウンド
- 機敏で追随性の良いサウンド
- 奥行き感と幅、高さに優れた広い音場
- 音が伸びやか
欠点
- 濃厚感に欠ける
- 不自然な質感
- か細く聞こえやすい
- ざらざらして聞こえやすい
- メタリックサウンド
広い中域
繊細かつ爽快
風通しが良く、清潔感がある
プレミアムログイン
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーのソースはAntelope Audio Amariを用いています。出力インピーダンスは0.3Ωで、イヤーピースは標準イヤーピースSサイズを使用しています。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Behringer MO240
白き魔女(クラシック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Behringer MO240
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲(-23LUFS)
- Behringer MO240
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲(-23LUFS)
- Behringer MO240
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Behringer MO240
LACRIMOSA OF DANA -Opening Ver.-
- 原曲(-23LUFS)
- Behringer MO240
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Behringer MO240
巨イナルチカラ
- 原曲(-23LUFS)
- Behringer MO240
ユルギナイツヨサ
- 原曲(-23LUFS)
- Behringer MO240
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- Behringer MO240
Intense Chase
- 原曲(-23LUFS)
- Behringer MO240
総評
Behringer MO240は中域のステージングが良好で、広々とした開放的な音場にディテール感の高い繊細な音がすっきりと見通せるように聞こえる良質なモニターイヤホンです。クリア感も高く、駆動も容易な上、パッケージクオリティも高いので非常に高いコストパフォーマンスが感じられます。
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