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【完全ワイヤレスイヤホン Ausounds AU Frequency ANC レビュー】価格帯標準以上のANC性能と重厚で没入感の高いサウンドを持つ。外出時にプライベートな音楽空間を作り出すイヤホン
Ausounds AU Frequency ANCの概要
こんな人におすすめ
- 迫力のあるサウンドを楽しみたい
- 周囲がうるさい外出時でも音楽没入できるイヤホンが欲しい
- ANCがほしい
- 通信品質が安定している機種が欲しい
- バスドラムが生き生きしている低域が好き
基本スペック
- 連続/最大再生時間:5h/20h
- 防水性能:IPX4
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 公称ANC深度:-25dB
- 技適番号:210-149081
長所
- 安定感がある
- 没入感の高いサウンド
- 拡散音場に基づく自然な響き
- 奥行きに優れ、立体感があるサウンド
- ドラムが生み出す豊かなグルーヴ感
- ディテール感のあるサウンド
- しっかりしたコントラスト感
- 質感が自然に近く、重みに優れた低域
- 艶やかさの感じられるサウンド
- 価格帯の標準を満たすANC性能
短所
- 人によってアグレッシブで騒がしい中高域
- 人によっては低域が目立ちすぎる
- 暗い中域
- 人によって不足するマイクロディテールと高域の拡張性
- ヒアスルーなし
- 音量調節なし
Ausoundsについて
Ausounds(「オーサウンズ」と読みます)はアメリカのプレミアムオーディオメーカーで、BOSEやSENNHEISER、JBLなどで研究開発に携わった開発チームが製品作りを行っています。サウンドチューニングと品質管理においては業界最高水準であることを自認しているとAusoundsの公式サイトでは高らかに宣言されています。
Ausounds AU Frequency ANCの特徴
10mm AU PEEK + PUドライバー
Ausounds AU Frequency ANCの10mm AU PEEK + PUドライバーは完璧に調整されており、Ausoundsだけがこのような軽量かつ小さなイヤホンであっても、驚くべき明瞭さとサウンドステージを提供します。
長時間聞いても快適
シリコンイヤーチップは、完璧なフィッティングために3つのサイズをご用意しいてます。 AU-FrequencyはIPX4防水仕様なので、汗をかくようなシーンでのご使用も問題ありません。
長時間バッテリー駆動
Ausounds AU Frequency ANCは20時間のバッテリーライフを誇り、長距離にわたる旅行であっても十分な音楽再生時間を提供します。また、急いで充電する必要がある場合は、わずか15分で90分使用出来る程度の充電が可能です。
防音/ノイズキャンセリング
Ausounds AU Frequency ANCは深度-25dBの快適なアクティブノイズキャンセリングを提供します。そのANCは強すぎず、不自然な閉塞感、耳にツンと来るような圧迫感を感じさせることなく、音楽再生に必要な静寂性を実現します。
Ausoundsのノイズキャンセルプロセスと最新テクノロジーにより、ANCがオンまたはオフのどちらの状態でも最高のオーディオカーブを実現しています。
プロモーション動画
パッケージ(8.5)
パッケージは価格帯では標準か少し豪華です。
機能的なパッケージにはイヤホンが丁寧に保護され、収納されています。
付属品にはイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Type-C)、説明書などが含まれます。
ビルドクオリティ(7.5)
ビルドクオリティは価格を考えると標準的かもしかすると少し地味すぎるかもしれません。
見た目とクオリティは少し安い価格帯のイヤホン、たとえばAKIKI A3なんかとほとんど変わらないように思えます。比較的価格が近い機種でもYOBYBO ZIP20のほうがおしゃれで目を惹きます。
ケースはコンパクトで、持ち運びに便利です。
装着感(8)
装着感は良好です。ただし、耳に当たる部分が丸っこく、イヤーピースはよく選ぶ必要がありそうです。単純にいつものサイズを使うのでなく、少し小さめから大きめまで試してみることをお勧めします。
音漏れ
Ausounds AU Frequency ANCの音漏れ耐性は標準を満たしていると思われます。Ausounds AU Frequency ANCをHATS(ダミーヘッド)に装着し、FiiO M15に接続して、図書館レベルの静かな環境で30cm程度離れて正面に座ってサウンドリークを聞き取ってみました。サウンドリークのテストではイヤホン側に独立した音量調節がある場合は音量を最大にした状態で、M15の音量調整だけで判断できるようにしています。
テスト音源としては比較的音漏れが目立ちやすい川田まみ「JOINT」を用いました。音量半分では少し音漏れが目立ち、気にならないレベルですと1/6程度(正確には15~19/120)まで音量を下げる必要がありました。この状態でFFT上の測定音圧を確認すると、-60dBu@1khz相当であり、聴感上はささやき声に近い音量です。音楽聴取のレベルとしてはやや小さめですが、周辺が静かであれば問題ありません。
図書館など静かな環境では1/6、公共の場では音量半分を目安に音量を調整すればよいと思われます。
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと一瞬通信が途切れましたが、接続は維持され、すぐに音楽再生が継続されました。その後は途絶はありませんでした。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはフェースプレート部分にあり、タッチ式です。
電源ON
充電ケースからイヤホンを取り出すと、自動で電源ONになります。
電源OFF
充電ケースにイヤホンを収納すると、自動で電源OFFになります。
また通信が10分間ない場合、自動で電源OFFになります。
ペアリング
イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がないと自動でペアリングモードになります。
リセット方法
イヤホン本体のマルチファンクションボタンを10秒間長押しすると、LEDが3回点滅し、リセットが完了します。
曲再生/停止
マルチファンクションボタンを1回タップします。
曲送り
右耳側のマルチファンクションボタンを2回タップします。
曲戻し
左耳側のマルチファンクションボタンを2回タップします。
通話応答
着信時に左右どちらかのマルチファンクションボタンを1回タップします。
通話終了
通話中に左右どちらかのマルチファンクションボタンを2秒長押しします。
着信拒否
着信時に左右どちらかのマルチファンクションボタンを2秒長押しします。
音声アシスタントの起動
マルチファンクションボタンを3回タップします。
ANC ON/OFF切り替え
マルチファンクションボタンを3秒長押しします。
ANC性能
下はヘッドホン(beyerdynamic DT990 Edition 2005 600Ω)から-30dBu@1khzにテストトーンの音量レベルを合わせた上で、基準ホワイトノイズを流して測定(A特性)し、その後標準イヤーピース Mサイズをつけ、ANCをONにして、もう一度ヘッドホンから基準ノイズを流し、このイヤホンの遮音性能を1/6オクターブごとに測定したものです。今回の測定では、基準ノイズに対し、20hz~20khzの可聴域での平均遮音性能は16.40dBくらいありました。
1万円台としては標準的なANC性能は満たしていると思われます。電車内など公共交通機関の利用中などに満遍なく外音を低減してくれると思われますが、効果としては強くなく、人によってANC ON/OFFの違いを体感できないかもしれません。
ワイドレンジな音を実現する音響空間
高音質でクリアなサウンドを実現するスパイラルドットイヤーピース
快適な装着感の小型・軽量ボディを採用
最大28 時間の長時間再生とクイック充電
音質
周波数特性
上から順に、
- [ANC OFF 標準イヤーピース S装着時]左右別
- [ANC OFF 標準イヤーピース S装着時]左右平均
- [ANC OFF 標準イヤーピース S装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [ANC OFF 標準イヤーピース S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
- [ANC ON 標準イヤーピース S装着時]左右別
- [ANC ON 標準イヤーピース S装着時]左右平均
- [ANC ON 標準イヤーピース S装着時]左右別(自由音場補正済み)
- [ANC ON 標準イヤーピース S装着時]左右平均(自由音場補正済み)
- モード別音質比較(自由音場補正済み)
サウンドシグネチャー解説
ANC ON時とANC OFF時とほぼ変わらないサウンドシグネチャーのようです。全体的に拡散音場を意識したバランスの良いサウンドですが、低域と高域、とくに重低域はかなり強調されています。
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD+N特性
THD+N特性とは音に含まれる歪み成分を表し、パーセンテージが低いほど音がピュアできれいに聞こえます。
THD+N特性は高級イヤホンの場合、1%以内であることが望ましいです。下の図は上が-40dBu@1khz(適正音量レベル)における、スイープでの周波数毎のTHD+N特性、下が上限-30dBuで1khzでの音量レベルによるTHD+N特性(THDNL)です。このイヤホンはどちらでも概ね1%未満で優秀です。
- THDN平均値:0.079839225%
- THDNL平均値:0.108695425%
- THDNL平均値(-60dB以上):0.063021566666667%
ラウドネスステータス
ラウドネスステータスはISO226:2003 等ラウドネス曲線に基づく補正値を自由音場補正済み周波数特性(Z特性)に加えたものです。ラウドネスステータスは音量による聴感周波数特性の変化を表します。一般的な人は40phon~80phonの間で音楽の聴取音量を快適に感じると思われます。
上は10phon~90phonの変化グラフ、下は40phon・60phon・80phonのみにフォーカスした変化グラフです。
Ausounds AU Frequency ANCは70phon~80phonくらいで低域がかなりフラットに近くなるのが特徴的です。低域を重視する人にはかなり魅力的で良質な低域周波数を提供してくれるでしょう。また低域が適正なコントラスト感を出すので、音楽の引き締まりは非常によく、中高域の少し強調される発色が低域との対比で精彩良く感じられるでしょう。
音質解説
Ausounds AU Frequency ANCは拡散音場に基づき、聴感上のニュートラルサウンドを意識した弱ドンシャリのシグネチャーを持っており、非常にバランスに優れています。それはフラットカーブに比べると重低域と高域に強調がありますが、多くの人にとって比較的自然なバランスに聞こえるはずです。とくにドラムは生々しく聞こえるため、一般にドラムが聞き取りやすくされていることが多いSHURE系のモニターサウンドが好きな人には魅力的に聞こえるかもしれません。
低域(9.5)
- 原音忠実度:B+
- 臨場感:B
- 深さ:B+
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感: B+
低域は深さや重さが少し強調されています。音楽のボトムはしっかりしており、安定感があるサウンドを実現しており、音楽全体のステージングは良好です。
低域は、音量(あるいは加齢難聴による高域の聞こえ方)次第ではありますが、多くの人にとってわずかに強すぎる程度に聞こえると思います。私にとっては聴感上完璧に近い低域で、階層性が確かで、とくに重みのあるバスドラムキックが生き生きと聞こえます。コントラバスの雰囲気もナチュラルに近く、重みと厚みが釣り合っていて自然な質感に聞こえます。
低域ジャンキーを満足させるレベルかというと、少なくとも重みは十分で、最低条件を満たすと思われますが、鳴動感など、より深い音楽の実在感に関わる音の存在感の点で物足りない可能性があります。ただこの点は、超低域が出すぎない方が音楽がクリアに聞こえるという人も多いので、出ていないことがむしろ好ましいと思うケースも多いかもしれません。
低域は総体としてかなり原音忠実的に聞こえますが、人によっては加齢難聴などで高域が聞こえづらいために低域が目立ちすぎて高域を覆い隠してしまっていると感じることがあるでしょう。しかし、それでも多くの場合、音量を少し下げるだけで適切な低域量で聞こえると思われます。
中域(8.5)
- 原音忠実度:A
- 厚み:B
- 明るさ:B
- 硬さ:B
- 存在感:B
中域はフラットに近く、多くの人にとって不自然さがほとんどないと思われます。
ボーカルは最前列というわけではありませんが、ボーカルの周囲は適度に静寂感があり、フォーカスは悪くありません。ただし、低域の方がよりフォーカスされやすい傾向にはあるので、人によってはドラムが主張しすぎていくつかの曲でボーカルに集中しづらいということはありそうです。
エッジ感や鮮明感は良好で光沢感は少し強調されるので、少し遠い中域のディテールは十分に引き出されます。
ボーカルはナチュラルに近いですが、歯擦音はわずかに強くなりやすいので、子音は少し尖る感じが出たり、少しシャウティだと思うことはあるかもしれません。
また人によって女声ボーカルはボディの雰囲気が少し暗く、とくにハスキー系やウィスパー系のボイスは暗い位置に沈みやすく、ややアンニュイに聞こえる可能性があるので、このイヤホンはどちらかといえば女声ボーカルより男声ボーカルのほうを魅力的に表現していると思うかもしれません。
高域(8.5)
- 原音忠実度:B-
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:B+
- 荒さ:B-
- 繊細さ:B
- 存在感:B+
高域は中高域が少し強調されていて光沢感は少し派手に聞こえますが、人によって輝度に不足を感じるかもしれません。そのためマイクロディテールは相対的に少し弱く、音場の開放感や繊細さに欠ける印象を感じることはあります。
音量を上げると低域が音楽全体に引き締まり感をもたらし、コントラストが上昇するために高域が聞き取りやすくなり、この高域のマイクロディテール不足は印象の上で解消される傾向がありますが、それでも一部の人にとって高域の上辺は拡張性に少し欠けると思えるところがあるでしょう。
また中高域が前進的なために、ボーカルに対する楽器の押し出し感は少し強く、低域のバスドラムの強さとも相まって、音楽の全体の迫力はやや高くなりやすい傾向にあります。一般にボーカルに合わせて音量を調節する人が多いと思われますから、ボーカル基準で音量を調節するとフラット系イヤホンより少し聴き疲れる印象を受けるかもしれません。このイヤホンは一番聞こえやすいドラム基準で音量調節するのが良い気がします。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音響的焦点:中域~低域
- 音場:B+
- クリア感:B+
このイヤホンの音響的焦点は一般に中域~低域に存在すると思われます。
音場は奥行きは少し広く、高さ、深さ、幅はほぼナチュラルだと思います。中域が少し奥に聞こえる立体的な音場になっているために、没入感は高めです。
低域から中域にかけては前方定位的に少し定位感が強調されているように思うかもしれませんが、高域の聞こえ方のために音場は親密な位置に形成されるため、完全に前方定位的ではありません。前方定位感を向上させたい場合、中高域はもっと後退的な位置にいて、超高域は高さの点でもっと拡張されている必要があるでしょう。イコライザーで中高域を下げてみるのが良いでしょう。
クリア感は価格を考えると、標準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:B+
- おすすめ度:A-
- 個人的な好み:A+
音のつながりが良く、音場に統一感があり、拡散音場を意識して丁寧に構築された万能系のリスニングイヤホンです。没入感も高く、楽しいドラムサウンドが最大の魅力です。
ただし、低域は人によって強すぎる可能性があり、とくに年配の方にとってはもしかすると低域がドカドカうるさすぎる気がするかもしれません。
また普段スタジオリファレンスチューニング系のフラットサウンド(ハーマン、Sonarworksなど)を好んでいる人には低域と高域の両方でうるさすぎ、聴き疲れしやすいように思うでしょう。中域が狭い印象を受けやすい点も少し気になるかもしれません。
総合的に言えば、少し強めの低域は外出時に外音を抑制し、没入感を高めてくれるためのものであり、ANCも含め、都市生活でプライベートな音楽空間を作り出すための装置と言えます。
音質的な特徴
美点
- 安定感がある
- 没入感の高いサウンド
- 拡散音場に基づく自然な響き
- 奥行きに優れ、立体感があるサウンド
- ドラムが生み出す豊かなグルーヴ感
- ディテール感のあるサウンド
- 質感が自然に近く、重みに優れた低域
- 艶やかさの感じられるサウンド
- しっかりしたコントラスト感
欠点
- 人によってアグレッシブで騒がしい中高域
- 人によっては低域が目立ちすぎる
- 暗い中域
- 人によって不足するマイクロディテールと高域の拡張性
- 聴き疲れしやすい
重厚感のあるサウンド
印象的な中高域
バランスが良い
音楽鑑賞
優里「インフィニティ」
小さい音量でもドラムがしっかり聞こえ、音楽のボトムが安定しています。男声ボーカルの太さは十分で、音楽全体のコントラスト感も高くディテールも少し強調されるため、音楽全体が引き締まって聞こえ、没入感も高いです。
この低域は多少周辺がうるさいところでも音楽に没入できる懐があり、しかもドラムが生き生きと聞こえるので、この曲のようにドラム中心にグルーヴを組み立てている曲はノリが良く楽しく聞こえます。
秦基博「泣き笑いのエピソード」
Ausounds AU Frequency ANCにはこの弾き語り風の曲を楽しめるだけの静寂感と引き締まり、深みがあります。アコースティックギターの光沢感は少し強く艶やかに聞こえるので、ボーカルとともに少し華やかに聞こえるところも色気が感じられて風味があります。
ボーカルの全体印象は、私にはわずかに上ずって聞こえやすく、少しだけシャウティに思えるところもありますが、多くの人にとっては、むしろニュアンスが少し多めに聞こえる雰囲気が気持ちよく思えるかもしれません。
KiraraTerzett「Searchlight ~夢とうつつの物語~」
個人的に最近聴いた中でも屈指のお気に入りの曲ですが、このイヤホンで聴くと、ボーカルの甘味は十分で、少し媚びて聞こえて色気が感じられます。
低域ではドラムサウンドがしっかり聞こえるので、音楽の全体に安定感と重厚感がしっかり感じられ、深みがあります。ノイズ感につながる重低域の強調はないため、底辺は安定的で中域のクリア感に影響はないでしょう。
中高域が少し強めに華やかさを加えることにより、アイドルソングっぽいコケティッシュさが楽曲全体を盛り上げ、自然なレベルを維持しながら、少し高揚感が感じられる味付けになっています。
実際のところボーカルのボディのあたりは穏やかで少し元気がないくらいなのですが、語尾がはきはきと感じられるために、こういうアイドル系のボーカルは自然な快活さで聞こえます。またその少し地味に聞こえるボディが清潔感を感じさせるところもあり、清楚な味わいに思えます。
BGVP DM8は完璧なパッケージであり、それは美しい外観、強力なサウンドを持っており、お財布に優しい価格で購入可能です。ユーザーは$350でこの素晴らしい製品を手に入れることができ、高品質なオーディオファン向きの音楽パフォーマンスを楽しむことができます。我々は以前、このブランドのDM6、DMG、Zeroや他の製品を試してみましたが、それらはどれも非常によくできていました。
BGVP DM8は滑らかで安定的、温和でウォームなサウンドで、中域を丁寧に聴かせるイヤホンです。その甘くふっくらとした、ニュアンスの柔らかい調和的なボーカル表現はどこか懐かしく、メロウでノスタルジックな雰囲気があります。マイルドで耳当たりが良く、音量を上げても荒れるところのないイヤホンです。ビルドクオリティやパッケージクオリティも価格の標準以上のため、この価格帯で音楽的な中域を持つイヤホンを探している人の最適解になりえます。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはAACで使用イヤーピースは標準イヤーピースのMサイズです。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Ausounds AU Frequency ANC
白き魔女(クラシック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Ausounds AU Frequency ANC
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲(-23LUFS)
- Ausounds AU Frequency ANC
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲(-23LUFS)
- Ausounds AU Frequency ANC
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Ausounds AU Frequency ANC
総評
Ausounds AU Frequency ANCは拡散音場に基づいた比較的バランスの良いサウンドを持ち、重厚感を生み出す生き生きしたグルーヴをもたらすドラムと艶やかな色づきの良い中高域によって、音楽を華やかで精彩に満ちた没入感の高いものにします。人によってわずかに低域が強すぎる可能性があるため、とくに普段から低域が少なめのサウンドを好む人には向きません。それはEDMやロック向きのサウンドに思えますが、丁寧にチューニングされているため、比較的ジャンルを選ばず、実際にはかなり万能系です。
ANC性能や使い勝手、音質、ビルドクオリティなどを考えると価格はきわめて妥当なラインに収まっており、コスパに優れているという機種ではないですが、完成度は価格に十分見合うほど高いです。ただしヒアスルー機能が提供されない点は人によって残念かもしれません。少なくともスペック面で飛びぬけたステータスを持つ機種でないことは事実ですが、競合機種に遜色ありません。
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