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【中華イヤホン Audiosense DT100 レビュー】シックで上品な空間に滑らかな中域をしっかり聞かせるステージモニターライクサウンド
Audiosense DT100の概要
こんな人におすすめ
- スマホでも鳴らせるイヤホンが欲しい
- 上品で聞き心地の良いサウンドを楽しみたい
- おしゃれなイヤホンが好き
- しみじみとした音楽が好き
基本スペック
- 周波数特性:20hz-22khz
- インピーダンス:18Ω
- 感度:103dB
- ケーブルコネクタ:mmcx
長所
- 中域への適切なフォーカス
- 上品でシックなサウンド
- しっとり落ち着いた雰囲気
- 全体的にリラックスして滑らかな聞き心地の良いサウンド
- 穏やかなスポットライト
- ウォームで聴き心地が良い
- ノスタルジックなサウンド
- パッケージクオリティが良好
- ビルドクオリティが高い
短所
- 輝度や鮮明感に欠ける
- 快活さに欠ける
- 高域描写力に劣る
Audiosenseについて
素晴らしい外観を持つインイヤーモニター(IEM)の話をするときには、Audiosenseは業界で評判の高いブランドとして必ず話題に上ります。Audiosenseはその優れたデザインセンスとAudiosense DT200、T800などといった市場で成功した多くのモデルで、IEMチューニングにおける卓越したプロフェッショナリズムを披露しています。
Audiosense DT100の特徴
Audiosense DT100は、Audiosenseの最新の低価格インイヤーモニターです。3Dプリントされた美しい樹脂製のイヤーシェルと単一のバランスド・アーマチュア・ドライバーで、ハイレゾ音楽の世界へのエントリーポイントとしての役割を果たします。このIEMは、快適なフィット感とスムーズなサウンド出力を実現する最高の完成度と精度で作られています。
- 高性能KnowlesフルレンジBAドライバー
- 特別に設計されたユニークなフェイスパネル
- 高精度の3Dプリントされたイヤーキャビティ
- 肌にやさしいレジンイヤーシェル
- 快適なフィット感
- 銀メッキ銅ケーブル
- ユニバーサルMMCXコネクタ
- インピーダンス:18Ω
- 周波数応答範囲:20Hz〜22kHz
- 感度:103dB @ 1kHz
Knowles製フルレンジ周波数ドライバーサウンドの体感
Audiosense DT100は、Knowles社のフルレンジ周波数ドライバーを搭載しています。KnowlesのBAドライバーは、その超スムーズなサウンドディテーリングでよく知られています。あなたの音楽のディテールを美しく引き出し、活気のある出力を補完します。
高精度の3Dプリントされたイヤーキャビティ
Audiosenseは、高精度なDLP-3D印刷技術を活用した耳腔用の製品を開発しました。高い印刷効率と均一な構造が特徴で、人間工学に基づいた快適な装着感を実現している。また、生体適応性に優れた肌に優しい樹脂素材を採用しています。
ユニークなフェイスパネル
Audiosense DT100は、特別に設計されたフェイスパネルを備えています。 すべてのユニットは、ユニークなデザインの手作業で塗装されたフェイスパネルを備えています。 どのユニットにも、クラシックで個性的な外装が備わっています。
高品質オーディオケーブル
Audiosense DT100には、高品質のオーディオケーブルがバンドルされています。付属ケーブルは8ストランドで、各ストランドは0.05銀メッキ銅線の19芯を持っています。 Audiosenseは、ケーブルのシールドとして透明で肌に優しいTPU素材を使用しています。ユニバーサルMMCXコネクタとシングルエンド3.5mmエンドプラグを備えています。
パッケージ開梱動画(HiFiGO)
パッケージ(8.5)
内容物はイヤホン本体と、イヤーピース2種類合計6ペア、キャリイングケース、説明書などです。
パッケージは紙製で環境に優しいデザインになっています。キャリイングケースは以前はペリカンケースでしたが、DT100では布製のケースに変更されたようです。
ビルドクオリティ(9.0)
イヤホン本体のビルドクオリティは良好です。透明感のあるデザインになっています。
装着感(9.5)
筐体はコンパクトで耳への収まりは良く、遮音性も良好です。
音質
周波数特性
オーディオステータス
周波数特性測定値から音質要素のステータスを抽出しました。特に注目すべき要素だけ簡単に説明します。
- Sibilance/Pierceは刺さり具合に影響するので高域に敏感な人は数値が低いものを選んだほうが良いでしょう。
- Fullness/Mudは中域を豊かに感じさせる要素ですが、中域が濁るのが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
- Boom/Punchは低域の存在感、量感に大きく影響するので、低域のうるさい感じが苦手な人は数値が低い方が良いでしょう。
THD+N特性
制動
Audiosense DT100を適切に駆動するためには、アンプ側の出力インピーダンスが少なくとも公称インピーダンス18Ωの半分である9Ω以下であることが望まれるでしょう。これは少し条件が厳しいので、一般に出力インピーダンスが十分に0Ωに近いデジタルオーディオプレーヤーでの駆動が最適ですが、スマートフォンの多くも出力インピーダンスが5Ω付近にあるようなので、駆動におそらく問題ありません。比較的パフォーマンスを引き出しやすいイヤホンです。
一方で高い出力を持つヘッドホン用の強力なヘッドホンアンプとは逆に相性が悪そうです。
詳しい測定値については有料記事に掲載しております。
ラウドネスステータス
音質解説
Audiosense DT100はフラットに近く、全体的にバランスの良いウォームなサウンドを持っています。それはリスナーを聴き疲れさせることなく、中域を丁寧に聴かせます。そのサウンドは快適で遮音性の高い装着感とともに、ステージモニターとして演奏者やボーカリストを満足させるでしょう。
なおアッテネータを使うことでより正統派のスタジオチューニングサウンドにすることもできます。
低域(9.0)
- 原音忠実度:B+
- 臨場感:B
- 深さ:B+
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:B+
Audiosense DT100の低域はわずかにリラックスしていますが、十分深いところまで到達しており、階層性も比較的はっきりしています。
エレキベースとキックの描き分けは強調されていませんが、自然な描き分けがあるので混濁感はありません。低域は自然なライブ感があり、質感的にもかなり自然です。ベースは少し黒く聞こえるかもしれませんが、引き締まったコントラストを出すほどではありません。
ローエンドの拡張性は一般的に十分ですが、深い底が見えるイヤホンではないため、ノイズ感は適度に抑えられており、底辺は整って聞こえます。
中域(9.0)
- 原音忠実度:B+
- 厚み:B
- 明るさ:B
- 硬さ:B
- 存在感:B
Audiosense DT100の中域は自然な温かみがあり、前面に聞こえ、透明度が高く思えます。
DT100は明度の点で不足を感じることはありませんが、輝度やシャープネスは高くないため、一部の人にとっては音楽の輪郭描写や発色の点で物足りない可能性があります。しかし、大抵の人、とくに高域に敏感な人にとっては聴きやすいバランスでしょう。
ボーカルは温かみのある少しふっくらした、自然で弾力のある声色です。快活さの点では少し劣って聞こえる可能性があり、人によってわずかに子音が緩みがちにリラックスして聞こえるところがあるでしょう。語尾は嫋やかであまり伸びやかさを強調せずに消失します。
中域には適度な静寂感があり、テクスチャは全体的に自然です。
高域(8.5)
- 原音忠実度:B+
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B-
- 脆さ:B
- 荒さ:C+
- 繊細さ:B-
- 存在感:B-
Audiosense DT100の高域はディテールが少し強調されますが、少なくとも輝度は低いため、一般的に言って地味です。
細かなピークによってディテールは全体的に強調されている高域ですが、量的に中域より抑えられているため、全体印象は非常に落ち着いており、ボーカルを引き立たせます。
鮮明感に優れたイヤホンではないため、一部の人にとっては解像感と分離感の点で物足りなく思えるでしょう。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音響的焦点:中域~高域
- 音場:B
- クリア感:B-
Audiosense DT100の音響的焦点は中域~高域に存在します。
Audiosense DT100の音場は深さで少し優れます。奥行きも少し良く思えるかもしれません。中域は全体の中で広めです。
クリア感は価格帯では標準レベルでしょう。
音質総評
- 原音忠実度:B+
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:S
Audiosense DT100は温かみのあるサウンドを持ち、ボーカルをはじめ音楽の全体を自然な質感と落ち着きのある雰囲気で聴かせます。それは派手さや快活さに欠けるため、聴かせるサウンドは若くありませんが、成熟した風格があります。
媚びない、気負わない、静かな空間で中域中心に音楽を丁寧に聴かせるサウンドで、シックで上品です。
しみじみとした味わいがあり、万能系のステージモニター系サウンドですが、とくに落ち着いたJAZZや静かなバラードはとても美しく聞こえます。弾き語り曲との相性もよいでしょう。
それは十分な静寂感を空間に生み出し、演奏者の細やかな感情表現を引き出すステージモニターライクサウンドで、演者同士の息を合わせる手助けをするだけでなく、演者の感情表現に寄り添って聴きたいと願うリスナーにとっても、魅力的なイヤホンです。
音質的な特徴
美点
- 中域への適切なフォーカス
- 上品でシックなサウンド
- しっとり落ち着いた雰囲気
- 全体的にリラックスして滑らかな聞き心地の良いサウンド
- 穏やかなスポットライト
- ウォームで聴き心地が良い
- ノスタルジックなサウンド
欠点
- 輝度や鮮明感に欠ける
- 快活さに欠ける
- 高域描写力に劣る
大人びたサウンド
滑らかで自然な質感
しみじみしている
音楽鑑賞
奥華子「あなたに好きと言われたい(Piano弾き語り Ver.)」
Audiosense DT100でこの音楽を聴けば、音量を上げても静寂な雰囲気がかき乱されることがないことが確認できるでしょう。
ピアノは厚みと太さが十分で、表面の艶もきれいですが、打鍵音は強すぎず自然でむしろわずかに嫋やかなバランスであり、激しい打ち込みで感情の高ぶりを表現する箇所でも、静かに湧き上がってくる雰囲気で聞こえます。
それが感情の高ぶりの底にある哀切や悲嘆、諦念といった、より細やかな襞まで味わえるような深みを音楽に加え、弾き語りのシンプルな構成の中から丁寧に感情表現を引き出します。
岡崎律子「I’m always close to you」
しみじみとした儚く美しい岡崎律子のウィスパーボーカルを味わうなら、このイヤホンは非常に魅力的でしょう。
どこか憂鬱でアンニュイな、心に沁みるボーカルが厚みのある優しい楽器音とともに聞こえてきます。高域は中域を邪魔することなく、上方向で静かに音が消えていく暗い空間を作り出します。それにより、中域の色彩への適切なフォーカスが生まれ、楽器音のテクスチャは自然な質感でみずみずしく聞こえます。
たとえばストリングスにはヒステリックな印象はなく、優しく歌うような潤いのある音を鳴らし、音楽をよりノスタルジックな雰囲気に演出します。
花譜「そして花になる」
Audiosense DT100で聴くこの曲は、もしかすると人によってはかなり暗く聞こえるかもしれません。また、人によっては音量が小さいときに、分離感が悪く思えるでしょう。中域に音が集まる傾向があるのは確かです。
たとえば、同価格帯のTin HiFi T4やFiiO FH3といったもっと明るいサウンドのイヤホンはこの曲からより多くのボーカルディテールを引き出し、繊細な雰囲気で聴かせます。情報量の点ではそれらはDT100より優れており、この曲を上から下までバランスよく見渡せるように聞かせます。
しかし、私はT4やFH3よりはDT100でこの曲を聴く方が断然好きです。DT100の中域はもっとアナログ的で生々しく、花譜のボーカルをよりしみじみとどこか物憂げに聞かせます。それがこの曲の雰囲気と非常に合っていて、迫真のサウンドに思わせます。
BGVP DM8は完璧なパッケージであり、それは美しい外観、強力なサウンドを持っており、お財布に優しい価格で購入可能です。ユーザーは$350でこの素晴らしい製品を手に入れることができ、高品質なオーディオファン向きの音楽パフォーマンスを楽しむことができます。我々は以前、このブランドのDM6、DMG、Zeroや他の製品を試してみましたが、それらはどれも非常によくできていました。
BGVP DM8は滑らかで安定的、温和でウォームなサウンドで、中域を丁寧に聴かせるイヤホンです。その甘くふっくらとした、ニュアンスの柔らかい調和的なボーカル表現はどこか懐かしく、メロウでノスタルジックな雰囲気があります。マイルドで耳当たりが良く、音量を上げても荒れるところのないイヤホンです。ビルドクオリティやパッケージクオリティも価格の標準以上のため、この価格帯で音楽的な中域を持つイヤホンを探している人の最適解になりえます。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーのソースはAntelope Audio AmariとRME ADI-2 Pro FS R Black Editionを用いています。使用イヤーピースは標準イヤーピース(ブラック)のSサイズです。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Audiosense DT100(RME ADI 2 pro FS R BE)
- Audiosense DT100(Antelope Audio Amari)
白き魔女(クラシック系)
- 原曲(-23LUFS)
- Audiosense DT100(RME ADI 2 pro FS R BE)
- Audiosense DT100(Antelope Audio Amari)
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲(-23LUFS)
- Audiosense DT100(RME ADI 2 pro FS R BE)
- Audiosense DT100(Antelope Audio Amari)
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲(-23LUFS)
- Audiosense DT100(RME ADI 2 pro FS R BE)
- Audiosense DT100(Antelope Audio Amari)
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Audiosense DT100(RME ADI 2 pro FS R BE)
- Audiosense DT100(Antelope Audio Amari)
総評
Audiosense DT100のサウンドは少し暗い空間に中域を丁寧に聴かせるステージモニターライクです。流行のイヤホンと比べると、輝度が高くないために、それは一部の人にとっては発色が悪く聞こえる可能性がありますが、シックで上品な落ち着いたサウンドを提供し、JAZZやバラード、弾き語り曲をしみじみと味わわせてくれます。
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