【ハイエンドイヤホン Astell&Kern AK ZERO1 レビュー】AKのデビュー作はわりとまとも

【ハイエンドイヤホン Astell&Kern AK ZERO1 レビュー】AKのデビュー作はわりとまとも 50000円~100000円
Astell&Kern AK ZERO1

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Astell&Kern AK ZERO1の概要

こんな人におすすめ

  • スタジオチューニングが好き
  • 分離感重視
  • ディテール重視
  • 外観重視
  • Astell&Kernファン

基本スペック

  • 周波数特性:25Hz-30kHz
  • インピーダンス:16Ω
  • 感度:96dB
  • コネクタ:mmcx
  • 価格帯:50000円~100000円

audio-soundスコア
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

  • パッケージ:8.0/10.0
  • ビルドクオリティ:9.0/10.0
  • 装着感:8.5/10.0
  • 高域:9.0/10.0
  • 中域:9.5/10.0
  • 低域:9.0/10.0
  • 歪みの少なさ:7.0/10.0
長所と短所

長所

  • 優れた質感
  • 優れた分離感
  • 明るい中域
  • 良好な原音忠実度
  • モニター的な低域
  • 良好なディテール
  • エッジ―サウンド
  • 中域への適切なフォーカス
  • 良好なサウンドバランス
  • スピーカー的な前方定位感
  • 優れたビルドクオリティ

短所

  • 低域の深さで物足りない
  • 高域に敏感な人には少しアグレッシブな音
  • シャウト感が出やすい
  • キンキンしたりギャンギャンしたりややうるさく聞こえやすい
  • 歪が多くクリア感に欠ける
  • 総じて音質に対して法外に高い価格設定

Astell&Kern AK ZERO1の特徴

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

Astell&Kern AK ZERO1

The New Standard for Hybrid Sound
3つの異なるドライバーで構成したトリプルハイブリッドドライバー搭載
Astell&Kern初のオリジナルIEM(イン・イヤー・モニター)

Astell&Kern初のオリジナルIEM

『AK ZERO1』は、Astell&Kernならではのサウンドを実現した初のオリジナルIEMです。ZEROは基準点を表す数字であり、始まりを意味します。AK ZERO1は、Astell&Kernの新たなスタートであり、イン・イヤー・モニターのニュースタンダードとなることを目指しています。音楽を原音に近い状態で体験することの素晴らしさを通じて、すべての人にインスピレーションを与え、楽しみを提供することを目的としています。Astell&Kernの意図した通りのアナログに忠実な音で、より多くのユーザーに音楽の楽しさを知ってもらうために、このプロジェクトはスタートしました。

3つの異なるドライバーを搭載したトリプルハイブリッドドライバー構成

AK ZERO1は、Astell&Kernの目指す高精度な音響を実現する為に、特別な平面駆動型ドライバー×1・BAドライバー×2(デュアルタイプ)・5.6mmダイナミックドライバー×1という3つの異なるドライバー技術の音を1つにまとめた、トリプルハイブリッドドライバー構成に辿り着きました。

  • ドライバー①:マイクロ・レクタンギュラー・プラナー・ドライバー
    マイクロ・レクタンギュラー・プラナー・ドライバーは、ヘッドホンではスケールダウンが難しいとされる平面駆動(プラナー)ドライバーの設計を、IEMに応用するために特別に開発された高度なドライバーです。頑丈且つ軽量な平面振動膜を採用し、周波数損失を最小限に抑え、高分子膜と金属薄膜を組み合わせた複合振動板により、BA型のようにクリスタル感のあるクリアさがありながら、平面上に整形されたコイルによって駆動することで、ダイナミック型のような臨場感を両立したサウンドキャラクターを実現しています。
  • ドライバー②:デュアル・カスタム・バランスド・アーマチュア・ドライバー
    カスタム設計されたアーマチュアおよびコイルを使用したデュアルBAドライバーを搭載し、超低歪みで透明感のあるボーカルを実現しています。
  • ドライバー③:シングル・φ5.6mmダイナミックドライバー
    完全に自動化されたエラーフリーのプロセスで作られたφ5.6mmダイナミックドライバーを搭載。従来製法で手作業で組み上げられたダイナミックドライバーに比べ、低歪かつ豊かで深みのある低域を実現しました。

マイクロ・レクタンギュラー・プラナー・ドライバーの特徴

このドライバーは、四角形状の平面駆動振動板を使用しているため、レクタンギュラー(四角形状)と呼ばれます。高分子膜と金属薄膜を組み合わせた高剛性の複合振動板を持ち、BA型のようにクリスタル感のあるクリアさがありながら、平面上に整形されたコイルによって駆動することでダイナミック型のような臨場感を両立したサウンドキャラクターを特徴としています。また、プラナー型でありながらBA型同様のメタルボディのケースに封入することで、従来型のプラナー型では困難であった音響設計の自由度を持たせることを可能にしました。この音響設計の自由度の高さとマルチネットワーク化を組み合わせることで、プラナー型のポテンシャルをより引き出せる設計を実現しました。磁気回路の面では、このメタルボディのケースに封入することで、振動板を駆動する強力な磁石の磁束漏れを低減し、振動板のポテンシャルをさらに高めました。「四角形状の振動板をBA型と同様のメタルボディケースに収めた」のがこのマイクロ・レクタンギュラー・プラナー・ドライバーです。

  1. BA型とダイナミック型を掛け合わせたサウンドキャラクター
    BA型のような極めて剛性のある振動板でありながら、ダイナミック型と同様に平面上に整形されたコイルによって駆動を行うため、BA型とダイナミック型の音の良いところを掛け合わせた方式というのが特徴です。これにより、BA型にもダイナミック型にもない新しいサウンドキャラクターを実現します。
  2. 防磁処理により磁束を封じ込めるメタルボディケース
    マイクロ・レクタンギュラー・プラナーでは、非常に強力な磁石が使われており、組立は高度かつ精密に行われています。この強力な磁石をメタルボディで封入することで磁束の漏れを低減し、磁束密度を高め、能率を向上させています。また、磁束を封じ込めることにより、漏れ磁束による他のドライバーへの悪影響を低減、高音質化に寄与しています。
  3. 小型化された精密なユニットデザイン
    マイクロ・レクタンギュラー・プラナーはBA型と同様のアーキテクチャで設計可能です。つまり、熟成された開発手法であるマルチドライバー化、サウンドチューブの長さや太さ、音響抵抗の組み合わせを利用可能にすることで、多様な方法での音質調整を可能にしました。これらは従来型では大型になってしまうことから困難でありましたが、小型化によって従来の開発手法を可能にし、ドライバーユニットのポテンシャルを大きく引き出すことを可能にしました。また、一般的なプラナー・マグネティックは大型になることが多いためマルチウェイ化の際には耳の近くに置くことが困難ですが、AK ZERO1のレクタンギュラー・プラナーは、小型化を行うことで、耳への配置を限りなく近くにすることを可能にしました。

最適なクロスオーバーネットワーク

ハイブリッドドライバーのIEM『AK ZERO1』は、3 つの独自のドライバーテクノロジーのサウンドを1 つにまとめることに重点を置いています。理想的な周波数特性による新しいサウンドを実現するために、各ドライバーのパラメーターを徹底的に把握した上でクロスオーバーネットワークの設計を行い、Astell&Kern の求める理想的な周波数特性を実現しました。同時に、各ドライバーを最適な位置に注意深く配置し、μm 単位で精密に管理された3D プリント技術を用いて特別に製造された音響チャンバーに収めました。この精密な筐体により、ドライバーの不要な動きや共振を巧みに排除し、安定したパフォーマンスを実現しています。そしてAstell&Kern 独自の高度なアルミニウム精製技術を用いてCNC 機械加工で精密に加工されたメインのハウジングは、内部および外部の振動を低減し、焦点の合った正確なサウンドを実現します。

Hi-Fi グレードの4 芯純銀コートOFC ケーブル

AK ZERO1 のオーディオパフォーマンスをさらに高めるために、取り回しも良くしなやかな4 芯構造の純銀コートOFC ケーブルを採用しました。高純度の銀メッキと銅、そしてアルミプラグを使用し、オーディオ信号をロスなく伝達するように設計されています。また、精度の高いMMCX コネクターを採用することで、イヤーハウジングとケーブルの接続品質を向上、安定したパフォーマンスを実現しています。

Astell&Kern のシグネチャーデザイン

AK ZERO1 のプレミアムサウンドは、今までに体験したことのない新しい世界を開きます。それを象徴するのが、製品を横切る太い斜線であり、AK ZERO1 のアイデンティティを反映しています。「新しい世界への境界線」、このキーワードがAK ZERO1 のデザインを表しています。AK ZERO1 のキャラクターラインが生み出すカット面が、光を受けてキラキラと輝き、製品のプレミアム感を強調しています。形状は、耳にぴったりとフィットするように内耳道に沿って丁寧に設計されています。それぞれの面で光が跳ね返り、イヤーピースがジュエリーのように輝きます。ユニークな形状のノズルは、耳にぴったりとフィットするように細⾧くなっており、AK ZERO1 の3 つのドライバーを調和させるのに十分なスペースを確保しています。これにより、ハイブリッドドライバー構成による高品位なサウンドを、正確かつ効率的に耳に届けることができます。

日本でのハンドクラフト

AK ZERO1 は、日本の経験豊富な技術者によるハンドメイドと、優秀な設備を用い厳しい工程を経て最高の品質を実現しています。

充実の付属品

サイズの異なる5 種類(XS/S/M/L/XL)のシリコンイヤーピースと1 種類のウレタンフォームイヤーピース(Free Size)が付属。更にキャリングケースも付属し、持ち運びを容易にします。

 

パッケージ(8.0)

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

パッケージは価格帯の標準を満たしています。

パッケージ内容

  • イヤホン本体
  • イヤーピース
  • キャリングポーチ
  • 説明書
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
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Astell&Kern AK ZERO1
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Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

ビルドクオリティ(9.0)

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。

デザインは非常に洗練されています。

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
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Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
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装着感(8.0)

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

装着感は良好です。

耳が小さい人には少し大きすぎる可能性があります。

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

音質

HATS測定環境

  • SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
  • AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
  • マイクプリアンプ:Type4053
  • 小野測器 SR-2210 センサアンプ
  • 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
  • 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
  • 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition

カプラー測定環境

  • Type5050 マイクアンプ電源
  • Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
  • オーディオインターフェース:MOTU M2

アナライザソフト

  • TypeDSSF3-L
  • Room EQ Wizard

REW周波数特性

Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。

当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。

周波数特性(RAW)

Astell&Kern AK ZERO1 Frequency Response (RAW)
Astell&Kern AK ZERO1 Frequency Response (RAW)

周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス

測定値は有料記事をご覧ください。

オーディオステータス

Astell&Kern AK ZERO1のオーディオステータス
Astell&Kern AK ZERO1のオーディオステータス
※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として導入しています。

制動

Astell&Kern AK ZERO1はトライブリッドにも関わらず、アンプの出力インピーダンスの影響をあまり受けません。

測定値は有料記事をご覧ください。

音質解説

今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。

Astell&Kern AK ZERO1ニュートラルに近い、中高域が強調されたU字型のサウンドシグネチャーを持っています。

レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。

  • 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
  • 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
  • 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
  • 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
  • オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
  • クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
  • イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]

これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。

HZSound Heart Mirror ZERO
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低域(9.0)

  • 原音忠実度:S+
  • 臨場感:B
  • 深さ:B+
  • 重み:B+
  • 太さ:B+
  • 存在感:B+
低域

Astell&Kern AK ZERO1の低域はかなり直線的に深くまで伸びています。存在感の上では中域とほぼ釣り合っています。

ドラムキックはそれなりに重みが感じられ、深さも悪くないですが、ランブルはやや物足りない水準です。私には少しタンタンと軽く聞こえる感じになります。

エレキベースもやや明るく、見通し感はよいですが、腰高で聞こえます。

どちらかというとモニター的な低域で、リズムは分かりやすいですが、低域好きには量と深さで少し不足しがちでしょう。

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

中域(9.5)

  • 原音忠実度:S-
  • 厚み:B+
  • 明るさ:B+
  • 硬さ:B+
  • 存在感:B

中域

Astell&Kern AK ZERO1の中域はほとんどニュートラルに近く調整されており、質感はかなり正確です。

ほぼ正統派のスタジオチューニングに近いですが、エッジ感だけはかなり過剰です。音の輪郭はくっきりと、アコースティックギターやシンバルはかなり精細感が高く、全体的に分離感も高く聞こえる一方、ピアノがキンキンしたり、エレキギターや金管が拡声器で強調されたようにギャンギャンして聞こえたりする傾向があり、ボーカルも少しシャウト感が強く出ます。

ハイブリッドの弊害で歪率はかなり高く、背景との分離は悪い傾向があり、付帯音が多く透明感には優れていません。

以前Astell & Kern × Campfire Audio PathfinderのレビューでAstell&Kernが主体的にチューニングに関わっていれば、中域はもっと良くできたはずだと述べましたが、Pathfinderよりドライバーの種類が多いにもかかわらず、Astell&Kernはこのデビュー作ではるかに直線性に優れ、質感もかなり正確なサウンドバランスを実現しています。

中域の出来は価格からするとまだまだ物足りませんが、デビュー作でトライブリッドというかなりの荒業に挑戦している割に、うまく仕上げているのはさすがAstell&Kernといったところでしょう。この調子なら、次回作でもそれなりに期待できそうな気がします。

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

高域(9.0)

  • 原音忠実度:D+
  • 艶やかさ:B+
  • 鋭さ:B+
  • 脆さ:B-
  • 荒さ:D+
  • 繊細さ:D+
  • 存在感:B-

高域

Astell&Kern AK ZERO1の高域は中高域に強調があり、わずかにピーク感が目立ち、歯擦音も少し強すぎるため、全体的に少しアグレッシブな調整になっています。高域に敏感な人には少しきつい感じがあるかもしれません。

ディテール感は十分ですが、繊細さには少し欠け、前述のようにエッジと歯擦音が強めのため、少しギスギス感が出やすいところがあります。

拡張性は価格を考えると物足りません。

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

定位/質感

  • 質感の正確性:S-
  • 定位の正確性:B-
  • オーケストラのテクスチャ:B+
  • 雅楽のテクスチャ:B+

定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。

オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。

この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。

質感はかなり正確で、分離感はやや高め、ディテール感も不足を感じないため、HDリマスターされたようなやや精細感の強い聞こえ方です。ただし、中域の透明度が悪いので背景との分離が悪く、楽器音の立体感が物足りず、生々しさに欠ける傾向があります。悪くないですが、わざわざこの程度の音を聴くために10万円近い大枚をはたくのは馬鹿げているように思えます。

雅楽も同様に悪くはないが、価格ほどの価値は感じないといった具合です。同じ価格くらいなら、これよりOpenAudio MercuryMercury 2.0で聞いたほうがはるかにマシでしょう。

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

音場/クリア感/イメージング

  • 音場:B+
  • クリア感:B-
  • イメージング:B+
    • 高域:A+
    • 中域:B+
    • 低域:C+

音場

低域の深さは少し物足りず、中域はかなり前面におり、高域の高さは不足しています。

クリア感は価格の水準からすると少し物足りません。

イメージング性能は価格の水準以上です。

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1

 

音質総評

  • 原音忠実度:A+
  • おすすめ度:B+
  • 個人的な好み:B

音質総評

値段を一度忘れて話をすると、Astell&Kern AK ZERO1は少しエッジが強すぎてアグレッシブすぎるという欠点があるものの、ほとんどスタジオチューニングの王道を辿っており、デビュー作にしてはよくまとまっています。

デジタルオーディオプレーヤーを作っているAstell&Kernらしく、トライブリッドでありながら制動特性が比較的優れており、アンプによる音質差が少なくなるよう設計されているのも、さすがと言えます。

ただ最初はシングルダイナミックかせいぜい1DD+1BAないし3BAくらいから地道にチューニングすればいいものを、いきなりトライブリッドに挑戦するという技量に見合わないことをしたために、そのサウンドに対して価格が割高すぎる出来栄えになってしまっています。音質で値付けするとすれば、外観の良さを加味してもせいぜい3万円くらいで売るのが妥当といったところでしょう。

それでも30万円もするAstell & Kern × Campfire Audio Pathfinderのような製品よりはるかにまともな音に仕上がっているあたり、Astell&Kernの見識はやはり優れていると言えると思います。少なくともチューニングの方向性はCampfire Audioよりはるかにまともだということはこの機種が証明しています。

音質的な特徴

美点

  • 優れた質感
  • 優れた分離感
  • 明るい中域
  • 良好な原音忠実度
  • モニター的な低域
  • 良好なディテール
  • エッジ―サウンド
  • 中域への適切なフォーカス
  • 良好なサウンドバランス
  • スピーカー的な前方定位感

欠点

  • 低域の深さで物足りない
  • 高域に敏感な人には少しアグレッシブな音
  • シャウト感が出やすい
  • キンキンしたりギャンギャンしたりややうるさく聞こえやすい
  • 歪が多くクリア感に欠ける
  • 総じて音質に対して法外に高い価格設定
【ハイエンドイヤホン Astell&Kern AK ZERO1 レビュー】AKのデビュー作はわりとまとも

優れた分離感
良好なディテール
良好なサウンドバランス

Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
Astell&Kern AK ZERO1
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Astell&Kern AK ZERO1
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Astell&Kern AK ZERO1
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Astell&Kern AK ZERO1

Re:ゼロから始める異世界生活 Coreful フィギュア レム~Memory Snow わんこver.~

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レコーディングシグネチャー

レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。

レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。

参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。

¥369,600(税込)

  • SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
  • 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
  • マイクプリアンプ:Type4053
  • Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
  • Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
  • レコーディングソフト:Audacity

浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)

楽曲情報
  • 楽曲名:浮遊大陸アルジェス -Introduction-
  • アルバム名:Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
  • Copyright c Nihon Falcom Corporation

Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
amazon
  1. 原曲(-23LUFS)
  2. Astell&Kern AK ZERO1

Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-

楽曲情報
  • 楽曲名:Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
  • アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 Evolution オリジナルサウンドトラック
  • Copyright c Nihon Falcom Corporation
イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
amazon
  1. 原曲(-23LUFS)
  2. Astell&Kern AK ZERO1

Formidable Enemy

楽曲情報
  • 楽曲名:Formidable Enemy
  • アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン
  • Copyright c Nihon Falcom Corporation
イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]
Formidable Enemy
amazon
  1. 原曲(-23LUFS)
  2. Astell&Kern AK ZERO1

総評

Astell&Kern AK ZERO1はブランドのデビュー作、かつトライブリッドというかなりの難業を乗り越えてうまくスタジオモニターとしてまとめあげた労作です。残念ながら音質面ではとても価格に見合っているとは言えませんが、ビルドクオリティは優れており、概して支離滅裂なチューニングが多いハイエンドの中ではまともな部類の製品です。

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この記事では、世界中のオーディオ情報を収集している当ブログが、今最も評価が高く、最先端で流行している中華イヤホンの中から、1万円以下で買えるお財布に優しい機種を紹介します。

ここに紹介する機種は「実力派オーディオマニアがこぞって称賛したもの」と「一般的なオーディオファンから高い人気を得たもの」ばかりで、定まった評価をすでに確立している最新機種ばかりです。

Astell&Kern AK ZERO1

8.5

パッケージ

8.0/10

ビルドクオリティ

9.0/10

装着感

8.0/10

高域

9.0/10

中域

9.5/10

低域

9.0/10

歪みの少なさ

7.0/10

長所

  • 優れた質感
  • 優れた分離感
  • 明るい中域
  • 良好な原音忠実度
  • 良好なディテール
  • 優れた解像度
  • エッジ―サウンド
  • 中域への適切なフォーカス
  • 良好なサウンドバランス
  • スピーカー的な前方定位感

短所

  • 低域の深さで物足りない
  • 高域に敏感な人には少しアグレッシブな音
  • シャウト感が出やすい
  • キンキンしたりギャンギャンしたりややうるさく聞こえやすい
  • 歪が多くクリア感に欠ける
  • 総じて音質に対して法外に高い価格設定

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