免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにAcefastから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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ACEFAST Crystal T3の概要
こんな人におすすめ
- マイルドでメロウなサウンドが好き
- 室内楽や小編成のJAZZをよく聞く
- 高域の刺激に敏感
基本スペック
- 連続/最大再生時間:5h/30h
- 防水性能:IPX4
- 対応コーデック:aptX/AAC/SBC
- 技適番号:210-160775
- 価格帯:3000円~5000円
- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:9.0/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:9.0/10.0
- 通信品質:7.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:10.5/10.0
長所
- まろやか
- 中域への適切なフォーカス
- 解像度に優れる
- 調和的
- マイルドでメロウ
- シックで上品
- 落ち着きがある
- みずみずしい
- 独特のデザイン
短所
- 構築感に欠ける
- ぼんやりしやすい
- 高域の拡張性に欠ける
- 低域の拡張性に欠ける
- 没入感に欠ける
- 安っぽく聞こえやすい音
- やや不安な通信品質
ACEFAST Crystal T3の特徴
- 【最新進化版 Bluetoothイヤホン5.2 】この完全ワイヤレスイヤホンの充電ケースはユニークな透明デザインです。無色無臭のPC素材で作られています。半透明のデザインで、今の若者の審美に適しています。充電ケースわずか40gで、軽量でコンパクトなので携帯性抜群。人体工学に適合したイヤホン設計で、快適に装着できます。タッチ操作で音量調整をサポートします。 (※この商品は 30日間無料で交換して、最大24ヶ月保証です。詳細は「出品者のコメント」をご確認ください。注文番号が保証書の代わりとなります。)
- 【Qualcomm最新チップ「QCC3040」搭載】最新のBluetooth 5.2テクノロジーとQualcomm Aptxオーディオ技術を搭載しており、通信が混雑する場所や時間帯など環境でも安定して遅延の少ないオーディオリスニング体験を実現します。周囲の電波状況に応じて最適なビットレートに可変することで、音の途切れや音飛びを最小限に抑えます。接続範囲、接続安定性やデータ転送速度も大幅に向上し、無数の電波が飛び交う厳しい環境にも動画視聴やゲームもストレスなく楽しめます。
- 【aptXコーデック対応】QCC3040の採用により、次世代コーデックの主流となるaptx adaptiveコーデックに対応し、音質と低遅延、接続安定性をバランス良く保ち、リスニング体験の進化を遂げました。13.0mm径のダイナミックドライバーを搭載し、また日本人の聴覚特性に合わせてプロの音響エンジニアによる丁寧に再チューニングがなされています。高い同期性能と高度な原音再現力を実現し、iPhoneやAndroid両ユーザーでも高音質な音楽・動画再生をお楽しみいただけます。(送信側がaptX Adaptiveに対応できない場合、自動的に接続機器がAAC/SBC対応できるコーデックに切り替えます。)
- 【4-mic & CVC8.0ノイズキャンセリング】マイクを4つの搭載しており、音声入力用のメインマイクとノイズフィルター用のサブマイクを搭載しています。サブマイクで拾った騒音をフィルタ処理し、生成した疑似騒音成分を使って騒音を打ち消すことで、メインマイクから入力した通話音声をクリアにすることができます。cVcノイズキャンセリンクとの相乗効果で、通話時のバックノイズを低減できます。 電車やバスなどで雑音が多い場所でもクリアな通話を楽しむことができます。
- 【IPX4の耐水性& 最大30時間音楽再生】 イヤホン本体は、雨の水滴や手洗いの際の水しぶきなどの生活防水に対応したIPX4を搭載。日常の生活内で浴びる水飛沫であれば本体を保護することが可能です。最新チップ“Qcc3040”のおかげで、バッテリー性能は前代機種より本体と充電ケースが小さくなっても、本体だけで連続5時間駆動でき、付属の充電ケースで約3回の満充電ができ、ケースによる充電も加えると最大30時間になります。毎日の通勤通学や短期出張など、長時間の移動でも安心して快適に使えます。
パッケージ(8.0)
ACEFAST Crystal T3のパッケージは価格の標準を満たしています。紙製で構造は簡素ですが、しっかりした作りです。
パッケージ内容
付属品に不足はありません。
- ACEFAST Crystal T3本体
- 専用充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- イヤーピース
- マニュアル
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格を考えると、かなり良好なレベルです。
装着感(8.5)
装着感は良好です。小さな耳でも多分問題ないと思います。
接続品質
aptXでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では悪くない接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと途切れがひどくなり、音楽を一貫して聴くのは難しい状態になりました。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはタッチ式です。
電源ON | 充電ケースの蓋を開け、イヤホンを取り出す |
電源OFF | 充電ケースにイヤホンを収納する |
ペアリング | イヤホンを電源ONにしたあと、接続先がない場合は自動でペアリングモード |
曲再生/停止 | 多機能ボタンを2回タップ |
曲送り | 右耳側の多機能ボタンを3回タップ |
曲戻し | 左耳側の多機能ボタンを3回タップ |
音量+ | 右耳側の多機能ボタンを1回タップ |
音量- | 左耳側の多機能ボタンを1回タップ |
通話応答 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話終了 | 多機能ボタンを2回タップ |
通話拒否 | 多機能ボタンを2秒長押し |
音声アシスタントの起動 | 左耳側の多機能ボタンを 2秒長押し |
音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
周波数特性(RAW)
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータスなど
測定値は有料記事をご覧下さい。より詳しい情報が参照できます。
オーディオステータス
音質解説
AceFast T3はニュートラルを意識しつつ、中域を前面に押し出すように聞こえるようチューニングされています。高域と低域ともに中域を引き立てるように少しおとなしいバランスでマイルドに聞こえるよう調整されているため、とくに高域に敏感な人には聴き心地が安定しているので好まれるでしょう。一方で構築感が弱く、音楽の立体感は少しはっきりしない傾向があります。
以下のレビューはFiiO M15にaptXでつないでノーマルモードにし、標準イヤーチップ Lサイズでテストしています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(9.0)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:B
- 深さ:A-
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:B+
低域は比較的深くまで出ています。重みはわりとしっかりしていますが、深さはいまいち足りないので、臨場感はわずかに物足りませんね。床鳴り感に欠けます。
量的なバランス的には一般に中域とバランスが取れているか、わずかに少ない程度になっているので、中域を濁らせることがほとんどありません。この中域と低域の量的なバランス感覚はかなり良好で、うまくチューニングされていると思います。
残念ながら重低域マニアを満足させる深さは出せないものの、低域の質感は自然なレベルでうるさげな要素も少なめでありながら、十分な量感を確保しており、中域を十分に引き立たせる、わりと絶妙なラインにあります。ベースもドラムキックも雰囲気がかなり自然に聞こえます。
中域(9.0)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B
中域は一般にかなり前面に出てきます。ニュートラルに近く調整されており、心臓部に十分なスポットライトが当たります。
心臓部の雰囲気はかなり良好ですが、中域上部付近からエネルギーが落ちるため、構築感が十分ではありません。そのため、一般に音楽は嫋やかで優美に聞こえ、少し丸みを帯びます。多くの場合、エッジの立ちが悪く、音楽の立体感は少し曖昧になりやすく、キレや硬さが少し取れて感じられます。エレキギターやピアノにシャープさやソリッド感が欠けていると感じることが多いでしょう。スネアも少し鈍いです。
一方でまろやかでメロウな雰囲気に芳醇さと聞き心地の良さを感じるという場合は、かなり良好なサウンドに思えるはずです。わずかにウォームリッチに傾いた充実感が感じられるサウンドです。
高域(8.0)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B
- 脆さ:C+
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D
- 存在感:C
高域は全体的に少しエネルギーが足りないため、音楽の全体の輝度が低く、少しぼんやりしやすいところがあります。とはいえ、わりと癖のないチューニングになっており、全体的になめらかでわずかに暗い、中域の明るさを引き立てるような高域です。
音楽はやや活気が少なめで落ち着いた雰囲気で聞こえ、大人びています。ボーカルの歯擦音や息の刺さりはマイルドになっており、高域に敏感な人向きです。やや子音が刺々しい傾向で録音された音源でも、鮮明感を維持しつつ、うまく歯擦音を抑制します。
空気感もかなり不足する傾向があり、抜けが抑制されているため、中域が全体の中で印象的に聞こえ、濃厚感があり、甘い雰囲気に聞こえるでしょう。
定位/質感
- 質感の正確性:S-
- 定位の正確性:B+
- オーケストラのテクスチャ:B+
- 雅楽のテクスチャ:C
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvořák: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco」(「Dvorak: The 9 Symphonies」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽」(「雅楽~平安のオーケストラ」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
個人的な感想で言えば、Acefast T3の聞かせるフルオーケストラは伸びが悪く、スケール感に欠けるため、フルオケというより室内楽に近い雰囲気で聞こえます。バイオリンの音は優美ですが、輝度が低いために伸びの力強さに欠け、ダイナミズムや迫力で物足りません。落ち着いて静かに聞こえる音で、浸るには良いですが、いまいち没入しづらいですね。木管が安っぽく聞こえるのも好みではありません。
雅楽は和音がブリキのように聞こえ、全体的に安っぽく、とくに花形の篳篥が吠えるようにうるさく聞こえるのが好みではありません。
音場/クリア感
- 音場:B-
- クリア感:A
- イメージング:B+
- 高域:B+
- 中域:A-
- 低域:B-
低域と高域で拡張性が足りてないため、音場は狭い印象を受けます。
クリア感は価格帯を考えるとかなり優秀です。
解像度は価格の水準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:B+
- おすすめ度:A
- 個人的な好み:A+
AceFast T3はまろやかな中域を主役に聞かせる中域充実系のサウンドバランスになっています。
高域は全体的に中域より少し後退しており、高域に敏感な人向きの調整になっているようです。低域も中域との量的バランスが考慮されており、中域を引き立てる調整になっています。そのため中域がモニターライクでありながら、モニターイヤホンのようにきつく聞こえる要素がなく、全体的に少し柔らかく穏やかに、丸みを帯びた音楽を聞かせてくれます。エントリーイヤホンとしては良質なチューニングのように思います。
音質的な特徴
美点
- まろやか
- 中域への適切なフォーカス
- 解像度に優れる
- 調和的
- マイルドでメロウ
- シックで上品
- 落ち着きがある
- みずみずしい
欠点
- 構築感に欠ける
- ぼんやりしやすい
- 高域の拡張性に欠ける
- 低域の拡張性に欠ける
- 没入感に欠ける
- 安っぽく聞こえやすい音
まろやかでメロウ
中域への適切なフォーカス
シックで上品
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはAACで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- ACEFAST T3
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- ACEFAST T3
Formidable Enemy
- 原曲(-23LUFS)
- ACEFAST T3
総評
AceFast T3は中域を中心にマイルドな刺激を抑えた雰囲気で音楽を聞かせることができます。不快感の少ない音で、イヤホン入門者に向きます。また室内楽のような音楽をメロウでなめらか、少し落ち着いた上品な雰囲気で楽しめるため、小編成の落ち着いたJAZZや室内楽の音楽を好む人にも向いています。高域の刺激に敏感な人にも良いでしょう。スペック的にも入門用としては十分ですが、通信品質だけ少し不安です。
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