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1more Comfobuds Proの概要
- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:9.5/10.0
- 低域:8.5/10.0
- 歪みの少なさ:8.5/10.0
- 通信品質:9.0/10.0
- アクティブノイズキャンセリング:6.5/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:11.5/10.0
こんな人におすすめ
- スタジオモニターサウンドが好き
- バランスが良いイヤホンが欲しい
- ANC機能が欲しい
- ANCは欲しいが、ただ強いだけでなく、効果的に作用するものがほしい。強さの調整もしたい
- ヒアスルーが欲しい
- コスパ重視
基本スペック
- 連続/最大再生時間:8h(ANC ON時 6h)/28h(ANC ON時 20h)
- 防水性能:IPX4
- 対応コーデック:AAC/SBC
- 公称ANC深度:-40dB
- 技適番号:210-149957
長所
- バランスが良い
- 拡散音場に基づく自然な響き
- 音像の均一性が高い
- 中域への適切なフォーカス
- ディテール感のあるサウンド
- みずみずしい中域
- 自然に近い質感
- 中域とよく釣り合っている高域
- ビルドクオリティが高い
- 装着感が良い
- カスタマイズ性が高い
短所
- わずかに刺激的になりやすい高域
- 低域は不足しがち
- 拡張性に少し欠ける
- コントラスト感に欠ける
- 個性的過ぎて目立つかもしれないデザイン
- あまり強力でないANC
1moreについて
音響設計・開発、スマートソフトウエア、ウエアラブルオーディオ製品に特化している製造メーカーです。1MOREは優れた品質のオーディオを消費者に提供するという深淵な使命で元フォックスコン(Foxconn)のグループ会社のなかで最も若く社長になったGary Hsieh氏らによって2013年に創設され、過去4年間だけで世界の40カ国以上で8500万台のヘッドホンを出荷しました。
1MOREの製品は、VGP、CES Innovationアワード、RedDot、iF Designアワード、その他の主要業界表彰を含む多数の業界・デザイン賞を獲得してきました。その影で貢献し続けてきたのがアジアで⼤⼈気な歌⼿の周杰倫(Jay Chou)と4度もグラミー賞を獲得してきたサウンドエンジニアである ルカ・ビルナディ(Luca Bignardi)です。
1more Comfobuds Proの特徴
快適さを増すためにリデザインされた設計
パワフルなドライバー&スタジオチューニングサウンド
Comfobuds Proには完全ワイヤレスイヤホンとしては大型の13.4mmドライバーが搭載されています。これにより、全音域にわたってクリアなサウンドを実現することができます。
さらにグラミー賞を受賞したサウンドエンジニアのLuca Bignardiが、この大型ドライバーの性能を生かす、完全にバランスの取れた正確なサウンドステージを実現するようにチューニングしました。
Comfobuds Proのサウンドデザインは価格帯をリードしています。
6基のマイクによる精度と効果の高いアクティブノイズキャンセリング
1moreはComfobuds Proに正確なアルゴリズムによって制御されるフィードフォワードとフィードバックANCマイクをそれぞれ片側1基ずつ計4基搭載しました。これらのマイクは機能的に連携し、環境ノイズとインイヤーノイズの両方を抑制するためにシームレスに作用します。
これら4基のマイクにより実現されるアクティブノイズキャンセリングの公称深度は40dBに到達したと1moreは主張しています。
一方、通話マイクはユーザーの声を適切に検出して増幅するので、最も騒がしい環境でも通話音声を相手にはっきりと届けてくれます。
1日を十分にカバーする再生時間
1more Comfobuds Proは長時間の再生を実現しており、バッテリー残量が少なくなることを心配することなく、音楽を常に楽しむことができます。
バッテリーが切れても心配無用です。急速充電技術に対応しており、15分間充電するだけで、2時間のリスニング時間を実現できます。
プロモーション動画
パッケージ(8.5)
1moreのパッケージは統一されたデザインで提供されます。そのデザインは価格帯では少し豪華です。
1moreのパッケージにはイヤホンのデザイン画が描かれていますが、これは1moreが毎回デザインをとても大切にしており、それに自信を持ち、デザインをユーザーに楽しんでほしいというメッセージの表れです。
そこにはデザイナーがどのようなコンセプトでイヤホンを作ったのかという情報が溢れており、イヤホンに対するブランドの愛情が感じられます。
付属品にはイヤーピースの替え、充電用USBケーブル(Type-C)、ステッカー、説明書などが含まれます。
QRコードによって正規品かどうかも確認できるようになっています。
ビルドクオリティ(8.5)
ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。
蓋はぐらぐらしませんし、蓋を固定するマグネットもよく機能しているので、よほど強く振られない限り、蓋が開いてイヤホンが飛び出すことはなさそうです。
ケースはコンパクトで滑らかなデザインになっており、ポケットにもスルリと入り、持ち運びに便利です。
装着感(9.0)
付属イヤーピースでも装着感は悪くありません。しかし、私の場合、付属のイヤーピースではANC性能を十分に生かしきれるような密閉性を得られないようです。
私の場合、AZLA SednaEarfit Shortを使うとノイズキャンセリングの効果が向上して感じられました。このイヤーピースならLサイズでもケースにも収まります。
※ただし、わずかにケースの蓋が浮くので持ち運びには向かないかもしれません。充電は蓋を締めるときに軽く蓋を押し込むことでちゃんと定位置にはまります。
接続品質
AACでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと一瞬通信が途切れましたが、接続は維持され、すぐに音楽再生が継続されました。その後は途絶はありませんでした。
ホワイトノイズはわずかにあるかもしれませんが、おそらくほとんどの人が気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースはアンテナの根元部分にあり、タッチ式です。
操作の一部は付属アプリで変更可能です。具体的には以下の画面スクリーンショットをご確認ください。
電源ON
充電ケースの蓋を開けると、自動で電源ONになります。
電源OFF
充電ケースにイヤホンを収納し、蓋を閉めると自動で電源OFFになります。
ペアリング
イヤホンを電源ONにしたあと、初回起動時は自動でペアリングモードになります。
一度ペアリングした後に新たな機器とペアリングしたい場合は、イヤホンをケースに収め、ケースのペアリングボタンを3回クリックします。
リセット方法
イヤホンを両方ともケースに収納し、ケースのペアリングボタンを8秒長押しすることでペアリング情報をリセットできます。
曲再生/停止
デフォルトではマルチファンクションボタンを2回タップします。
また耳からイヤホンを外すだけで曲は停止し、付けなおすと再生再開します。
曲送り
デフォルトで設定されていません。アプリで割り当て可能です。
曲戻し
デフォルトで設定されていません。アプリで割り当て可能です。
通話応答
着信時に左右どちらかのマルチファンクションボタンを2回タップします。
通話終了
着信時に左右どちらかのマルチファンクションボタンを2回タップします。
音声アシスタントの起動
デフォルトではマルチファンクションボタンを3回タップします。
ANC ON/OFF/ヒアスルー切り替え
デフォルトでは左右どちらかのマルチファンクションボタンを長押しします。デフォルトではANCの強度が一番高い設定になっています。
ANC&ヒアスルー性能
ヒアスルー性能
ヒアスルーをONにしても、それほどホワイトノイズが増えることはなさそうで、わりと精度が高そうです。ヒアスルー時は周囲の音の聞こえはおおむね自然で、自分の声もかなり自然に聞こえます。
ANC性能
下はヘッドホン(beyerdynamic DT990 Edition 2005 600Ω)から、70dBSPL@1khzにテストトーンの音量レベルを合わせた上で、基準ホワイトノイズを流して測定(A特性)し、その後標準イヤーピース Mサイズをつけ、ANCをONにして、もう一度ヘッドホンから基準ノイズを流し、このイヤホンの遮音性能を1/6オクターブごとに測定したものです。ANC設定は「強」です。今回の測定では、基準ノイズに対し、20hz~20khzの可聴域での平均遮音性能は13.33dBくらいありました。
価格帯では飛びぬけて優秀というわけではないですが、広く満遍なく遮音性が高まるようで、聴感上の効果は結構感じられます。音源を聴いてもらうとわかると思いますが、この機種はANCをONにすると明らかに聞こえ方が変わるので、ANC ON/OFFの前後で効果が感じられにくいということはないでしょう。
ANC聴き比べ
1more Comfobuds Proとより低価格で定評のあるANC性能を持つEarFun Air Pro、そして現状で屈指のANC性能を誇るJabra Elite 85tの疑似的なANC品質を録音しました。
録音はAntelope Audio Amariにつないだヘッドホン(beyerdynamic DT990 Edition 2005 600Ω)から、70dBSPL@1khzにテストトーンの音量レベルを合わせた上で、専用のテスト音源を自由音場フィルターを適用したうえで再生しています。音源はヘッドホンのみでの再生音源と、各イヤホンをANCモードにしたうえで、そのうえにヘッドホンをかぶせて再生したものが用意されています。これで疑似的にアクティブノイズキャンセリングを体感できます。
実際のANCは装着感の影響も大きいですし、ヘッドホンをかぶせて再生しているために実際の聞こえ方とは異なりますが、比較的実際に近い体験ができます。
なお環境音源は効果音ラボさんの音源を利用しています。
比較音源
- ヘッドホンのみの再生
- 1more Comfobuds Pro
- EarFun Air Pro
- Jabra Elite 85t
解説
この中ではJabra Elite 85tのANCの静寂性が最も高いと感じる人が多いと思います。今のところ、これ以上のANC性能を持つ完全ワイヤレスイヤホンの機種はBOSE QuietComfort Earbudsくらいしかないと思われます。
しかし、価格にして3分の1以下で買えるEarFun Air ProのANCもElite 85tにそれほど引けを取らないように思えるのではないでしょうか。EarFun Air ProとJabra Elite 85tのANCは傾向も似ているので、比較的強度の違いが比較しやすいと思います。
それらに対して、1more Comfobuds ProのANCは少し傾向が違うことがわかります。全体的に静かになりますが、環境音が明るく聞こえる傾向があるので、むしろエンジン音や話し声は私にははっきりと聞こえます。車の走行音などを聴いてみると、車が近づいてくる様子がわかりやすいのではないでしょうか。周囲の会話音など生活に必要な情報は拾いつつ、不快なノイズを選別してリダクションしているようです。
Comfobuds ProのANCは総体としては必ずしも強力ではないように私には思われますが、ファン音や空調音などを効果的に削減してくれます。それでいて、会話音などは削減しすぎないので、オフィスや街路などでの利用には向くかもしれません。公共交通機関で周囲の気配を消すほどの没入できる静寂性がほしいという人向きではないようです。そういう人にはEarFun Air ProやJabra Elite 85tのほうが優れているでしょう。Comfobuds ProのANCは私にとって、耳栓として使えるというほどではありません。
音質
音質解説
1more Comfobuds Proは低域の深さ、高域の高さはやや抑制的で、私には拡張性は少し足りないように思われますが、中域は見通しが良く、質感が自然に近く、各音の音像がかなり均一的でバランスに優れています。良質なフラットサウンドを求めるオーディオフィルをほぼ完全に満足させることができ、「オーディオマニアのサブ機」としてかなり理想に近いでしょう。
参考用にハーマンターゲットカーブを開発したショーン・オリーブ博士のインタビュー記事を掲載します。
以下のレビューでは個人的にすべてのモードの中で最もバランスに優れた音質に思えるANC OFF時の音質でおこないます。
評価基準について
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。
低域(8.5)
- 原音忠実度:A-
- 臨場感:C+
- 深さ:B+
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:B-
低域は階層的で、比較的深くまで聞こえます。中域を支えるバランスになっており、基本的にノイズや籠りの原因にはなりません。
率直に言って、この低域は普段少し小さめの音量で聴く私には少し浅く聞こえ、重みの点でも物足りなさを感じます。拡張性の点ではあまり優れているイヤホンとは言えないでしょう。
しかし、スタジオチューニングを意識した中域を丁寧に支える構造になっており、音量を大きくしても低域が目立ちすぎることはありません。
タイト感は自然に近く、適度なライブ感のある低域で、モニター的に聴くことができます。
中域(9.5)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B+
- 明るさ:A-
- 硬さ:B+
- 存在感:B
中域はフラットに近く、全体の中でも比較的広く聞こえます。低域が少しおとなしいので、中域は前面に出てきて聞こえ、透明度も高いので、全体的にみずみずしく聞こえます。
ボーカルは質感が自然で楽器との力関係もほぼ50:50ですね。
ボーカルはわずかにシャウティかなと思える場面もありますが、軸がまっすぐに聞こえます。歯擦音はわずかに強く出やすく、サ行やツ音が刺激的に思える可能性があります。しかし、痛くなるほどではないので、多くの人にとってむしろニュアンスのわかりやすい手がかりになるのではないでしょうか。
高域(9.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B
- 荒さ:D-
- 繊細さ:C-
- 存在感:C+
高域は全体的にバランスよく聞こえるようになっており、中域の明度に対して輝度はほぼ釣り合っていますが、わずかに拡張性が足りません。
高域の聞こえ方は年齢の差も大きいところですが、とくに若い人にとってはこのイヤホンの8kHzは少し刺激的過ぎるように聞こえるかもしれません。超高域の抜けも足りない感じがあるので、ややキンキンしやすい印象を受けます。
少なくとも私にとっては、この8kHz付近がComfobuds Proの高域で最も気になるポイントで、イコライザーで16kHzを上昇させてバランスを取りましたが、人によっては8kHz自体をわずかに下げる方が心地よいと思う場合もあるかもしれません。
この高い高域のわずかな瑕疵を除けば、私には比較的理想的に聞こえる高域です。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音響的焦点:中域~高域
- 音場:B
- クリア感:A-
- 質感の正確性:A+
- 定位の正確性:A+
このイヤホンの音響的焦点は一般に中域~高域に存在すると思われます。
音場は奥行きは少し広く、高さ、深さ、幅はほぼナチュラルだと思います。
クリア感は価格を考えると、なかなか優秀です。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:S
純粋にオーディオ的にかなりバランスの良い、優れた音質はこの価格帯で覇権を握るイヤホンの1つとしてオーディオマニアに歓迎されるでしょう。
個人的には拡張性に少し不満がありますが、ほとんど完璧に近いサウンドを提供してくれる素晴らしい機種です。
音質的な特徴
美点
- バランスが良い
- 拡散音場に基づく自然な響き
- 音像の均一性が高い
- 中域への適切なフォーカス
- ディテール感のあるサウンド
- みずみずしい中域
- 自然に近い質感
- 中域とよく釣り合っている高域
欠点
- わずかに刺激的になりやすい高域
- 低域は不足しがち
- 拡張性に少し欠ける
- コントラスト感に欠ける
音楽鑑賞
ORIGA「We can hear your pulse(remake 2008)」
スタジオモニターに近い分析力のある音質は、たとえばこの曲のように、中域が緻密に作られている曲で能力を発揮します。
この曲の、中域から中高域の情報量が多いあたりをかなり忠実に描き切りつつ、ボーカルは埋没せず、前面に出てきて聞こえます。
低域が少し浅く、量的に足りないので、人によっては音楽の引き締まりに欠け、やや中域以上が浮き上がって聞こえる可能性はありますが、かなり聴きごたえがあります。
東山奈央「灯火のまにまに」
やや明るくすっきりしすぎており、質感的にもモニターサウンド特有の質感が硬いところがあるのが好みを分けるかなとも思いますが、三味線の音がとてもきれいに聞こえます。
ボーカルものびやかですが、超高域の空気感が足りてないため、ちょうどキラキラするあたりで音に詰まるような天井感があり、この曲の場合、それが少し耳に痛く聞こえやすいかもしれません。私にはこのイヤホンの聴かせ方は少しうるさかったので、16kHz付近をイコライザーで上げました。
ただ、人によっては音が上にスッと抜けてしまわないで、少しかっつり硬く聞こえる方がモニターの手がかりとしてわかりやすいということもあります。
高域の聴感差は人によって大きいので、それがこのイヤホンを好みに思うかどうかを分ける可能性がありますが、それでも総じて万人向きの良質なモニターサウンドに思えます。
Clean Bandit「Telephone Banking (feat. Love Ssega)」
個人的には低域の引き締まり感が足りないので、コントラスト感が足りず、少し薄味に聞こえますし、何よりドラムの力強さと深みに欠けて若干物足りないですが、中域以上はかなり満足度が高めです。
むしろ低域が主張しない分、ボーカルが最前面で聴きやすく、さらに適度な距離感で中高域付近を分析的に聴ける、ややデジタルな雰囲気のこのイヤホンの聴かせ方の方が好きだという人もいるでしょう。
少し電子音優位に聴こえる、音場に清潔感があってすっきりと開けた、DTM的な雰囲気でこの曲を楽しめます。
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。ソースはAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはAACで使用イヤーピースは標準イヤーピースのMサイズです。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
GENS D’ARMES(ロック系)
- 原曲(-23LUFS)
- 1more Comfobuds Pro
- 1more Comfobuds Pro(ANC ON)
白き魔女(クラシック系)
- 原曲(-23LUFS)
- 1more Comfobuds Pro
- 1more Comfobuds Pro(ANC ON)
The Silver Will -ギンノイシ-(EDM系)
- 原曲(-23LUFS)
- 1more Comfobuds Pro
- 1more Comfobuds Pro(ANC ON)
Sophisticated Fight(JAZZ系)
- 原曲(-23LUFS)
- 1more Comfobuds Pro
- 1more Comfobuds Pro(ANC ON)
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- 1more Comfobuds Pro
- 1more Comfobuds Pro(ANC ON)
海外のレビューについて
以下の記事に1more Comfobuds Proの海外レビューについてまとめました。
総評
1more Comfobuds Proは中域の質感を重視した解像度の高いサウンドを聴かせる完全ワイヤレスイヤホンです。
音質面でオーディオマニアも納得の音質を実現しているだけでなく、機能性にも優れているのでガジェットマニアにとっても魅力的な製品です。ANCは強力ではありませんが、精度は悪くなく、生活上必要な環境音をうまく残してノイズを遮断しているように思われます。付属アプリによってコントロールもカスタマイズ可能で、自分好みの使い勝手を追求できるでしょう。
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