バーニー・サンダース上院議員、反トランプ集会で気勢 「少数独裁政治と闘う」と強調

米国でドナルド・トランプ大統領の政策運営に対して最も声高に批判を展開している政治家の一人であるバーニー・サンダース上院議員（83）が、2025年4月12日、ロサンゼルスのグロリアモリナ・グランドパークで開催された大規模集会で「少数独裁政治と闘う」と強く訴えた。3万6000人を超える聴衆を前に、トランプ政権による医療・研究分野への圧力や大規模予算削減を厳しく批判した。

集会での発言と出席者

「きょうここにいる皆さんの存在が、ドナルド・トランプと（側近の）イーロン・マスクに強い不安を抱かせる」とサンダース氏は聴衆に呼びかけた68。この集会には、民主党若手のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員も登壇し、反トランプ勢力の結束を示した。さらに、伝説的なフォークシンガーであるニール・ヤングさんやジョーン・バエズさん、シンガーソングライターのマギー・ロジャースさんも参加し、芸術界からの支持も集めた68。

一貫したトランプ批判の姿勢

サンダース氏は長年にわたり、トランプ氏に対して「病理的なうそつきだ」と厳しい批判を展開してきた10。2020年の選挙期間中も、トランプ氏を「病理的なうそつきだ」と批判し、格差拡大や医療問題など社会的課題に焦点を当てた演説を展開していた10。

政治的立場と支持基盤

「民主的社会主義者」を自称するサンダース氏は、民主党会派の中で最もリベラルな政治家の一人として知られている13。社会格差是正、富裕層への増税、国民皆保険、公立大学の無償化などを一貫して主張しており、特に若年層や労働者階級からの支持を集めている13。

サンダース氏の政治スタイルは、時に「左のトランプ」と評されることもある。演説では大金持ち、製薬会社、保険会社などを次々と批判し、「医療保険は人権だ」と訴えるなど、鋭い言葉で聴衆の感情に訴えかける手法を用いる10。

2024年大統領選とバイデン支持

サンダース氏は2023年4月、2024年の米大統領選に出馬せず、バイデン大統領の再選を支持すると表明した12。その理由として、「民主党が一致団結してトランプなどの米国の民主主義を損なおうとする勢力に対抗できるようにするため」と説明している12。サンダース氏はかつて2016年と2020年の民主党予備選に出馬し、多くの支持を集めたが、いずれも本選への指名獲得には至らなかった1213。

民主党への批判も

一方で、サンダース氏は民主党の姿勢にも批判的な立場を取っている。2024年11月の大統領選でハリス副大統領が敗北した際には、「労働者階級の人々を見捨てた民主党が当の労働者階級から見捨てられても、大して驚くには当たらないはずだ」との声明を出した14。

サンダース氏は、「現在数千万人の米国人が痛みと政治的疎外感を抱えている」と指摘。具体的には厳しい経済状況、イスラエル支援政策、医療サービスの不平等などを挙げ、「民主党指導部が現状維持をよしとする一方で米国民は怒りを募らせ、変化を望んでいる」と批判した14。

トランプ政権との対立激化

現在のトランプ政権下では、サンダース氏の対立姿勢がさらに鮮明になっている。特に医療分野や研究分野への予算削減に対する批判を強め、社会保障制度の維持・拡充を訴えている68。

今回のロサンゼルスでの大規模集会は、2025年の政治情勢において、サンダース氏が引き続き反トランプ勢力の中心的存在として活動を続ける意思を示すものとなった。83歳という高齢にもかかわらず、その政治的影響力は依然として強く、特に若年層や労働者階級の声を代弁する政治家としての役割を担い続けている。